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ふるさとの水を守る会

行政訴訟控訴審 第1回公判が開かれました

2026.06.05 22:41

令和8年6月5日(金)14時〜

東京高等裁判所に開かれました。

開廷冒頭、原告を代表して緒形薫さんより意見陳述がありました。ふるさとを守りたい全ての方々を代弁いただいた内容で、当日法廷にお越しいただいた全ての方々から、大きな拍手が湧き起こりました。

ご本人に許可をいただき要旨を共有します。

第2回の行政訴訟控訴審の日程も以下の通り決定しました。

日時:令和8年8月7日(金)11開廷

場所:東京地方裁判所(霞ヶ関)

改めてご案内いたしますので、多くの方にご参加いただきますようお願いいたします。



意見陳述(要旨) 

原告 緒形薫

 私は、今から50年前に緑と水に恵まれ自然の環境に包まれたこの小櫃川流域の久留里地区に居住し、生活を始めました。

 30代の頃には、私の三人の子供が入隊したボーイスカウト活動の指導者として様々な活動を行いました。その活動の多くは、この地区の恵まれた自然を活用したスカウトたちとのハイキングやキャンプでした。

 私たちの活動は恵まれていました、それは一時間足らずの移動で清らかな水が流れている川や緑あふれる豊かな森林などの大自然の環境があったからです。

スカウトたちは、この活動をとおして清らかな水、そしてその水を生み出している豊かな森林こそが人々の生活を支えていることの大切さを習得しました。

私たち指導者は、人を始め命のあるものは、太古の時代から水に生かされ、その水を生み出す森林に生かされていることの大切さを父親、母親となったスカウト達が次世代につないでいくことを願いました。

先日、ボーイスカウト活動で訪れたことのある懐かしい御腹川に行きました。川の水はとても綺麗でしたので私は、上流に向かって川の中を歩いてみました

2キロほどいくと目の前に突然コンクリートで造られた大きな壁が現れました。

なんだこれはと思いました、そうかこれが「産業廃棄物最終処分場」だと思いました。自然豊かなこの地にこんなものが出来たなんて怒りと不安が湧き出てきました。周辺は、森林に囲まれ綺麗な水が流れていましたが、確かに私の見た目には川の水は澄んでいて大変きれいに見えましたが、よく見ると川には魚の姿が全くなく、昆虫も見当たりませんでした。

いたのはアメンボと動物の死骸だけでした。

ボーイスカウト活動で30年前に訪れた時には、「ホトケドジョウ」やフナなどが泳いでいる姿を見ることが出来たのに、なぜなんだろうと不安になりました。

この久留里地区は、1895年(明治28年)頃にこの地域にたくさん生えていた竹を利用した「上総掘り」の技術が誕生し、上総掘りが完成しました。

2006年(平成18年)には、上総掘りの技術が国の重要無形民俗文化財に指定されました。

さらに、2008年(平成20年)6月に環境省が選定した全国各地の「名水」とされる100か所の湧水・河川・地下水の中で、この久留里地区の上総掘りでこんこんと湧き出る地下水が千葉県で唯一「平成の名水百選」として「生きた水・久留里」が選ばれました。この久留里の井戸水は、清澄・三石山系の山林に降った雨が天然の地層を通ることで「ろ過」され、さらに地下水脈を通って湧き出ています。それぞれの井戸から、春夏秋冬、24時間、自噴する豊富な水は、クセがなく、甘みを感じるほどのまろやかさなので、そのまま飲料水としているほか、お茶やコーヒーを入れて楽しんだり、お米を炊く時、お味噌汁を作るときなどの生活の糧として利用されており、農業においても農作物の育成に活用するなどいろいろな用途に使われています。

また、自噴井戸の水が豊富に湧き出ていることから、こんな小さな久留里地区には、造り酒屋が4軒も存在しております。

その内の1軒は、江戸時代中期の1716年(享保元年)の創業で300年を超える老舗の酒屋があり、他の3軒も創業100年を超える老舗です。

この久留里地区の人々にとって、水は命であり、その水を創り出す豊かな森林資源は「宝もの」なのです。

それなのに千葉県は、千葉県が指定天然記念物として指定している大福山自然林の近くを流れる御腹川の源流域に、なんと首都圏最大級の管理型産業廃棄物最終処分場を2001年(平成13年)3月に第1期処分場(107万㎥)を許可し、2004年(平成16年)4月から廃棄物の搬入が開始されました。

当初の埋め立て終了予定は、2014年(平成26年)ということでしたが、搬入から8年が経過した2012年(平成24年)に保有水の漏出が発覚し、千葉県は、業者に対し廃棄物の搬入を停止する指導を行いました。

それなのに第1期処分場からの漏出の根本的な解決が出来ないまま2010年(平成22年)3月には、第2期処分場(97万㎥)を許可し、2013年(平成25年)1月から廃棄物の搬入が開始されました。埋め立の予定期間は10年ですが、搬入開始から5年が経過した2018年(平成30年)の時点で既に8割の埋立てが行われておりました。

もっと恐ろしいのが、千葉県は地元の反対を押し切り、これでもかと言わんばかりに第3期処分場(223万㎥)を2018年(平成30年)8月に許可しました。埋め立の予定期間26年で、2044年までとしておりましたが、事業者は、2025年(令和7年)に第4期処分場の増設事業を千葉県に提出しました。

増設予定の埋め立容量は、266万㎥で、第1期から第4期までの総埋立容量は、なんと692万㎥となり、管理型産業廃棄物最終処分場としては、国内では最大級でダントツ1位です。

この第4期処分場の増設事業に係る環境影響評価方法書の住民説明会が、昨年の3月に4回行われました。私は、この説明会に3回参加しました。そこで3回とも住民からでた質問は、「なぜみんなが飲む水道水の水源地に建設したのですか。」でした、事業者側の回答は3回とも一緒で、そこに以前から会社の土地があったからです。と答えました。以前というのはいつからですか、との質問には、何も答えませんでした。

この説明会は、誰のための説明会なのか、何のための説明会なのか、参加者は、なんなんだこの説明会は、と疑問を持ちながら帰宅しました。

この先、止めどなく続くであろう処分場の増設、一体どうなるのだろう、不安

は高まるばかりです。

私の個人的な意見を言えば、産廃の処分場は少なからず必要であると思います

が、緑豊かな自然を跡形もなく壊してまでも必要なのでしょうか。

それも大勢の県民が飲んでいる水道水の水源地に必要なのでしょうか。

それを管理している千葉県は、何を考えているのでしょうか?

                               以 上


閉廷後開催された日比谷図書館の会議室で開催された報告会の様子