3月10日 霧島市国分→いちき串木野市→薩摩川内市(161km)
昨晩から雨が降り始め、朝には土砂降りの様相を呈している。
今日は大型の低気圧が九州地方を通過している模様。
周辺には隼人関連の施設や、霧島温泉、霧島神宮といった観光地が控えているが、
とりあえず甑島へ向かおうということで、今回は割愛。
後日大隅半島方面に移動する際、改めて訪問することにする。
昨日来た道を戻り、一行は海沿いへと車を走らせる。
このあたりの山間部は水田が多い。
薩摩川内市経由で、いちき串木野市に到着。
市の観光案内所に行くと、西郷さんそっくりの人がいた。
体型と衣装は、完全に西郷を意識していることが見てとれる。
そこをあえて突っ込まずに、資料と情報をいただき、さらりと交わして車に戻り、ネットで検索すると、やはり西郷どん似で有名な、動くゆるキャラ的存在のお方だった。
お話では、今日のような天候では、フェリーは欠航することが多いらしい。
おススメの通り、状況確認の為、串木野新港フェリーターミナルへと向かうことに。
ネット情報にあった通り、フェリーターミナルの駐車場は、確かに車は停め放題という感じである。
というか、タイヤのない廃車状態の車が普通に放置されていて、なんとなく不気味。
「なんだか車の墓場のようだ」とK。
ここに車を置いて一泊旅行に行く気には到底なれず。
パンフを見て色々考えたが、甑島は宿泊せずに日帰りにすることに決定する。
日帰りの場合、串木野からのフェリーでは時間が足りず、川内からの高速船にするしかないため、急遽薩摩川内市に戻ることに。
ちなみに、今日は、悪天候でフェリーの欠航が2便出たそう。
今晩中に前線も通過するので、明日の朝は晴天となるはずである。
そうと決まれば、今夜はこの辺りで一晩過ごし、明日の朝一番のフェリーで甑島を目指そう。
一安心した一行は、川内駅近くの「平佐城温泉」で入浴することに。
この温泉は住宅街の中にある地域密着型の銭湯のようで、長湯をする人が居ない。
脱衣所も、浴場も、決して広いとはいえないが、洗い場と浴槽が合理的にデザインされ、水風呂も4人は入れる充分な大きさ。
もちろんサウナもある。
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Yが入っていた横長の浴槽の隣は、縦横2mほどの小さな浴槽だった。
中肉中背の60歳ほどの男性が、そこに入るやいなや、たらいで中の湯をバシャバシャと掻き出しはじめる。
お湯を全部掻き出すくらいの勢いである。
「こういう人、時々居るよな。お湯が汚れている訳でもないだろうに、潔癖症なのだろうか」などと思っていたら、彼は突然たらいを放り出すと、いきなりその場で脚を広げ、相撲で言うところの「股割り」の状態になった。
先ほどの盛大なお湯の掻き出しは、おそらくこの「股割りおじさん」にとっては、柔軟運動に入る前の恒例の儀式なのだろう、とYは思った。
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入浴後は、今晩の宿営地探しに。
地元の大型スーパー「ニシムタ上川内店」が24時間営業なので行ってみると、高さ制限3.5mの立体駐車場であった。
広さも充分で、高さも問題なかったが、暴走車の溜まり場となっているようでもあり、警備員がウロウロしていて落ち着かない。
そこで一晩を過ごす気には、とてもなれなかった。
翌朝の最低限の買い物を済ませ、川内港フェリーターミナルまで暗い夜道を頑張って走り、利用客用の駐車場に宿泊する。
広い駐車場には、パラパラと車が停まっている。
トイレはシャッターが降りているが、ここなら一晩を過ごすには充分だ。
一息ついたところで、沖縄でお世話になった前川親方から電話あり。
ご機嫌な様子だが、急用ではないらしい。
「どうしたんですか〜。誰かと飲んでるんですか〜〜♪」と尋ねると、
東京進出を決めていた息子さんが、第一志望のT大に合格したという。
思わずKもパチパチ👏と拍手を送る。
お見事である。
だいぶアルコールが入った、弾んだ声であった。
親方、今晩はどうぞ、美味しいお酒に酔いしれてくださいな。