サンダードルフィン(東京ドームシティ)
長さ1124.8m/高さ80.5m/最高速度127km/h/最大傾斜74°
Intamin/Mega Coaster
東京の大都心を駆け抜けるインタイン社製メガコースター。東京駅からも新宿駅からも10分程度と立地が良く、東京ドームシティ自体も入場無料なので、単体でも乗りやすく(だからこそ、遊園地としての高揚感は非常に薄く、ショッピングモールの一部ぐらいの認識になってしまうが)、東京を訪れた時は毎回、空いた時間を使って、ついつい乗りに行きたくなってしまうコースターだ。
入り口はラクーアのビルの3階に位置する
階段を上がって乗り場は4階の高さ
イルカの輪くぐりをイメージしたエントランスサイン
実際にコースターの輪くぐりが2回ある
ライドフォトの紹介だが、
コース自体がかなり特殊なことがわかる
乗り場の様子
台の上に座席をただ置いたような車両
サンダードルフィンにはオレンジと黄色の2色の車両があり、繁忙期は2台運転を行う為、それぞれの車両の色に対応したロッカーがある。手荷物の持ち込みについてはかなり厳しく、ポケットチェックはもちろん、腕時計ですらもれなく外すように言われるので注意。
残念なことに座席は選べないので、運次第。個人的には、東京ドームシティと相性が悪いのか、過去10回以上乗っているが、先頭が1回、最後尾は0回、それ以外のほとんどが、5〜8列目の中途半端な位置ばかりと、運のなさを恨みたくなるぐらいだ。
もう1つ残念なのが、安全バーを自分で下げられないこと。必ずスタッフが下げる上、かなりの勢いでキツく閉められてしまう。学生が勝手に下ろした時、全てのロックを外して、最初からやり直していたので、それぐらい厳重なのだ。見た目は、台の上に座席を乗っけただけのような開放感のある車両だが、足元が狭く、上記の理由もあり、安全バーもかなりタイトなので、ホールド感が強く、もう少し浮くための余裕が欲しいところだ。
乗り場から見ると、まさに崖のような巻き上げ
巻き上げ角45.5度のインパクトはすごい
しかも、ワイヤーを使った巻き上げなので、スムーズかつ早い
強烈なファーストドロップ
巻き上げとその先に見えるビル群
こう見ると、実に日本らしいコースターだ
ファーストドロップの真下が歩けるだけでなく、
駅へと繋がる道になっているので、普通に通勤に使っている人もいるのが面白い
最初のドロップは高さ80m、最大傾斜80度と謳われているが、実際の落差は60mほど(ビルの上に設置されているので)、最大傾斜は74度(四捨五入の仕方を間違えた?)となっている。少し盛っているのは間違いないが、日本に存在するコースターとしてはトップクラスなことに変わりなく、そんなものが大都会に存在することが更に驚きなのだ。巻き上げの角度も45.5度とかなりの急角度で、しかも、ワイヤーを使った巻き上げなので、かなりスムーズ。あれよあれよという間に頂上に達してしまう。そこからの落下は強烈というのがピッタリだろう。最高速度127km/hという数字だけ見ても、十分すぎるぐらい速いが、さらに狭いスペースにあるので、余計に速く感じるし、最下部ではかなりのプラスGを浴びることになる。
ファーストドロップ後の勢いのままビル上まで上昇し、
右に急旋回するので、吹き飛ばされそうなスリル
ビル上で、気持ち程度のキャメルバック(浮かない)があり、
また右へ急旋回、最初の輪くぐりとなる
ビルに空いた穴をくぐるという稀有なシチュエーションよりも、
カント角が90度を超える為、実際に乗った感覚としては
振り落とされてしまいそうな怖さの方が大きい
そして、すぐに2回目の輪くぐり
観覧車ビッグ・オーのセンターを通る
かなりいびつな線形で、こちらも、観覧車の真ん中を通るという
稀有なシチュエーションよりも、カント角の急さによる怖さの方が大きい
むしろ、「あれ今、通ったの?」と言いたくなるレベルだ
そのあとに待ち受ける、極小キャメルバックからの2度目のビル登り
強烈なエアタイムと、押し付けられるようなプラスGが
矢継ぎ早に襲ってくるサンダードルフィン一番の山場だ
個人的には一番好きなパート
直後のビル上のコースはあまりにも速度が落ちていて、寂しいばかり
S字のヘアピンとキャメルバックを組み合わせたように一応なっているが、
急にキッズコースターのようなヌルさになってしまう
1回目の輪くぐりに隠れて見にくいが、ビル奥に最後のドロップがある
ビルに当たってしまいそうだし、いきなり速度を増すので良いサプライズ
かなりの勢いを持ったままブレーキ
お腹が痛くなるぐらいだ
サンダードルフィンは非常に稀有なコースターだ、というのが一番的確な表現だろう。正直、コースターとしての面白さは数多くの制約のせいで削がれている部分もあるのだが、逆に考えれば、それは、こんな場所にこんなコースターを作ってしまったという凄さでもある。もう1つ何か輝くところあれば。それこそ、敷地内をもう一周できるぐらいの勢いを持ったまま終わってしまうのが非常に残念だし、カワセミのようなキャメルバックの連続で、3周目に突入したら(ビルへ登るのはなしで)、手放しに絶賛できるのだが、これはコースター好きの誰もが考えてしまう妄想に過ぎない(笑)。