RITZ代官山へ 。『かないずむ』が、届いた日
独立20周年の今月、RITZに行ってきた。
かないさんとのつきあいは、独立前の2005年から。もう21年になる。
今回は、先日書いた「30歳の100万円、その20年後の実験結果」の記事の話をした。サムネイルに、2005年と2026年のかないさんと私の写真を並べて載せたんです、とスマホを見せたら、かないさんが「こわっ、こわ」と言って笑っていた。
私はそんなに変わっていないように見えたけれど、かないさんはすっかりグレーヘアになっていた。めちゃくちゃ似合う。でも2005年と2026年が一枚のサムネイルに並ぶと、確かに、時が経ちすぎていた。
今年に入り、かないさんがじいじになった。そしてこの日、息子さんの仕事のことを聞いた。子どもの頃のサマーキャンプが今の仕事の原体験になっているという。ああ、あの話がそういうふうにつながったんだ。『かないずむ』に書いてあった。
そう思ったとき、ふと思い出したことがあった。
かないずむというのは、独立前後にかないさんと毎日やりとりしていたメールを、一年分まるごとコピーして作った冊子だ。泣きながら作った。大変だったけれど、残したかった。そして、いつかかないさんの息子さんに読んでもらえたらと思っていた。
それがリリースから約10年後、本当に届いた。
息子さんから、メールが来たのだ。「かないずむを読みました」と。
「つくづく、わたしには運や縁があると思わされました」
そう書いてあった。
ついに届いたんだ、と思った。
そのメールへの自分の返信を、久しぶりに見返した。そこにこんな一文があった。
「『かないずむ』は『やり方』を知ることもできるけど、『在り方』という点で考えてみると——」
在り方。今の私のコンセプト、Art of Beingの核にある言葉だ。2018年に、すでに書いていた。言葉が先にあったのではなく、在り方が先にあって、言葉はずっとあとからついてきたのかもしれない。
20周年の月に、またその記憶が戻ってきた。作ってよかった。残してよかった。そして、かないさんに今もお世話になっていることが、なんだかすごく自然なことに思える。
2005年からずっと、つながっている。
30歳のあの百万円が、かないさんとの縁を生んだ。その縁が冊子になり、10年後、息子さんに届いた。つながりはずっと、生きていた。