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Bellydance Najm Fukuoka

明日の本番に向けて(2026.4.28)

2026.06.16 12:43

今日の朝練は、明日のイベントステージに向けてのドレスリハーサルだった。

曲は、ダリナのモダンオリエンタル。


報われない愛に苦しみ、

自分の価値観に心が揺らぎ、

それでも愛することをやめない、強い女性のストーリーだ。


この曲は、2025年のダリナのオンラインコースで学んだものであり、

先日日本で開催されたオンラインワークショップでもレクチャーされたものだ。

去年、私はこの曲を、たった1ヶ月の練習期間でハフラに出すという無茶をした。


とにかく一度踊ってみたかったのだ。

けれど、その時はまったく納得のいくパフォーマンスにはならなかった。


その後、様々なイベントの演目に追われ、

この曲を踊ることはなくなっていった。

けれど、コンペが終わった後、

私はもう一度この曲に向き合うことを決めた。


一度手に取り、そして手放した曲。

それは「終わった」のではなく、

ただ「今ではなかった」だけなのだと思う。


コンペを経て、自分の現在地を知り、

足りないもの、向き合うべきものが見えてきた今、

この曲をもう一度踊る意味が、ようやく自分の中で繋がった。


そして、練習を始めて38日目の明日。

私は新たな気持ちで、この曲を本番のステージで踊る。


この1ヶ月、自分の基礎を見直し、踊り方を見直し、

時には土台から壊すような作業を続けてきた。


もちろん、そんな短期間で長年の癖を根本から組み直すことはできない。


それでも、少しずつ、少しずつ、

自分の踊りに変化が現れてきているのを感じている。


例えば、これまでずっと決まらず、

どこか曖昧なまま踊っていた、ドラマチックな振り付けの中のある動き。

今日、その動きを自分なりに解析し、

ようやく「形」として整えることができた。


それは小さなことかもしれない。

けれど、自分の中では確かな一歩だった。


エストニアでの個人レッスンで得た、あの感覚。

そして指摘された、たった一つのエラー。


それは部分的な問題ではなく、

私の踊り全体を表面的にし、

堅くし、こわばらせ、流れを止めてしまっていた原因だったのだと思う。


明日は、その組み替えからの、最初の実験の日だ。

衣装を着て踊る。


重さのある衣装は、ターンの回数を制限し、

スカートの遠心力は軸を外へと引っ張り、回転の速度を鈍らせる。


けれど、それでいい。

ステージも広くはない。

だからこそ、その条件の中でどう成立させるかが大切になる。


最近、強く思うようになった。

本番の踊りは、

練習のようにフルパワーで出し切るものではないのだと。


出力は、60%でいい。

全力で踊ろうとすればするほど、

動きは固くなり、気負いが生まれ、余裕が消える。


けれど、あえて出力を落とすことで、そこに余白が生まれる。

その余白は、余韻となり、空気となり、

見ている人の呼吸をほどいていく。


そして、100%のパフォーマンスを目指すことはしない。

練習でうまくいった時の感覚を再現しようとしても、

それは多くの場合、ただの気負いに終わってしまう。


ステージの形状や広さ、床の素材、衣装。

すべての条件が違う以上、同じパフォーマンスは再現できない。


だから私は、

一番良かった時の70%から80%を、確実に出すことを目指す。


それは妥協ではなく、

変化する条件の中で踊りを成立させるための選択だ。

明日は野外の仮設ステージ。


床も、広さも、

いつものスタジオとはまったく違う。

だからこそ、その違いを制限ではなく条件として受け取り、

その広さを活かし、

その床の特性を活かしながら、

いかに余力を持って、

いかにお客様に伝えられるかに集中したいと思う。


私は、去年あたりから、

ステージの回数を意識的に減らすようにした。

あちこちに出続けていると、

一つ一つの踊りに向き合う時間が足りなくなり、

練習が浅くなり、どこか雑なパフォーマンスになってしまうことに気づいたからだ。

だから私は、数ではなく、深さを選んだ。


一つの踊りにじっくり向き合い、

トライアンドエラーを繰り返しながら、

少しずつ完成度を高めていく。

そうした時間を大切にしている。


ステージは、主にお世話になった方への恩返しとして選んでいる。

まだ仕事として踊り始めたばかりの頃、

今よりもずっと拙かった時代から支えてくださった方、

声をかけてくださった方。

その方々のイベントには、必ず出演する。

ご縁と、感謝。

ただ、それに尽きる。


だから、そのステージがどんなに小さくても、

たとえ踊りにくい場所であっても、

できる限りの準備を重ね、

一つ一つの動きを丁寧に、

大切に踊ることを心がけている。


引き受けたステージには、手を抜かない。

できる限りの努力をして臨む。

そして、ただ楽しいから、踊りたいからという理由だけではなく、

その場に対してきちんと務められるか、

自分がどこまで努力できるかを基準にしている。


明日のステージ。

私はまだ、この曲と向き合って38日しか経っていない。

十分な練習期間とは、とても言えない。


それでも、

エストニアで学んだこと、感じたこと。

自分の中に起きた変化。


それらを、毎日少しずつ積み上げてきた。

そのすべてを、この踊りに込めたい。

明日の朝練が、最後のリハーサルになる。


そして明日は、

今日よりも、

ほんの1ミリだけでも前へ。

その1ミリを、確かに進める。


note記事 2026年4月28日より