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幻燈館

「黒牢城」

2026.06.19 06:47

例えば平賀源内が探偵役をやる「平賀源内捕物帳」とか、夏目漱石が探偵役の「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」といったように、ミステリの中には、意外な歴史上の人物が探偵役を務めるパターンが昔からあり、本作もそういうパターンの歴史ミステリ作品か?と思わせるが、徐々に真相が明らかになると、時代の悲劇性、その時代に生きた人間個々の苦しみが浮き彫りになるという文学的なテーマ性もあり、単なる「犯人探しミステリ」ではない「考えさせる部分」がある。

映画としては、衣装、ロケ風景、セット美術などに隙がなく、予算や手間暇をかけた重厚感がある。

チャンバラや合戦などアクションをメインに見せるという感じではないが、かといって会話劇だけの単調さでもなく、今まで見たことがない雰囲気の時代劇といった感じで、ミステリとしての娯楽性がありながら、時代劇としての魅力も堪能できる。

近年は、東映も時代劇の新作に意欲を見せているが、本作は、松竹とTBSの共同製作時代劇らしく、黒澤時代劇ならぬ「黒沢(清)時代劇」としても珍しく、会心の出来ではないかという気はする。