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「人生を愉しむ」という言葉がよく使われる意味

2026.06.20 03:00

こんにちは、ゆいかです。



「人生を愉しみましょう」 



よく耳にする言葉ですが、

皆さんはこの言葉を聞いて何を思い浮かべますか。 


好きなことをすること。

美味しいものを食べること。

旅行に出かけること。


もちろん、それも人生の愉しみのひとつです。 


けれど、古代インドの智慧に触れると、「

愉しむ」という言葉にはもっと深い意味があることに気づかされます。 


サンスクリット語に「リーラ」(Līlā / लीला)という言葉があります。 

リーラとは、「遊び」「戯れ」「愉しみ」。 


インド哲学では、

この世界そのものが宇宙の大いなる遊び、神の創造的な表現であると考えられてきました。


 一方で、身体を意味する「シャリーラ」(Śarīra / शरीर)という言葉があります。 

 こちらは「いずれ朽ちていくもの」という意味を含んでいます。 


 私たちの身体には限りがあります。

 若さも、健康も、季節も、永遠には続きません。 

 仏教でいう「無常」の教えにも通じますが、この世のすべては移ろい続けています。 


 だからこそ、「人生を愉しむ」という言葉の本当の意味は、

たくさんのものを手に入れることではなく、 

 今ここにあるものを深く味わうこと なのかもしれません。 


朝のやわらかな光

雨上がりの土の香り

湯気の立つ一杯のお茶 

庭先で揺れる草花 

大切な誰かとの何気ない会話


私たちはつい先のことを考えたり、足りないものを探したりしてしまいます。 

けれど本当は、日常の中にこそ人生の豊かさは息づいています。 


そう考えると、「愉しむ」という言葉は、

 「遊ぶ」という言葉にも通じているように思います。


中国の思想家、荘子 は、「遊」という字をとても大切にしました。

荘子が語る「遊」とは、単なる娯楽ではありません。 

そして、調べてみると 元来「遊ぶ」とは 

神のみが主語にできる動詞になっているとのことです。 


私たちの人生を創造するのは私たち自身ですから。 


立場や常識、損得や評価に縛られず、 

広い世界を自由に往来する心のあり方なのですね。


時間に追われることなく 他人と比べることなく 

自分の本質に従って生きること 


それを荘子は「遊」と表現したのですね。 



インド哲学のリーラもまた、 宇宙の大いなる遊びを意味します。 


 どちらの思想にも共通しているのは、 人生を重荷として背負うのではなく、 

 参加し、味わい、表現するものとして捉えていること なのではないでしょうか。 




 私たちはいつの間にか、 

 「正しく生きること」や「成果を出すこと」に 意識を向けすぎてしまいます。


けれど本当は、 

風を感じることも 

花を愛でることも 

誰かと笑い合うことも 

人生における大切な営みです。 


遊ぶように働く 遊ぶように学ぶ 遊ぶように暮らす 

ちょっとくらい、はみ出してもいいし 間違ってもいい。 


その先に、自分らしさが自然と現れてくるのかもしれません。 


弘法大師 空海は、風の音や鳥の声、草木の姿までもが 宇宙からの語りかけだと説きました。 

それは特別な修行の話ではなく、

五感を開いて世界を感じることの大切さを 伝えているようにも思えます。 


季節を感じ、五感をひらき、 

自然の流れに身を委ねる 


 人生を深刻に抱え込むのではなく、 少し肩の力を抜いて味わってみる。 

 遊ぶように人生を愉しむこと。 


 それは、心の自由を取り戻し、 本来の自分へ還るための智慧なのかもしれません。 


 吉由庵で大切にしている「しずモリ哲学」も、 そんな感覚から生まれています。

 静かな森に身を置くように、自分自身と自然の声に耳を澄ませること。 

 季節のめぐりを感じながら暮らすこと。 


 アーユルヴェーダが教えてくれるのも、

自然と調和しながら、 自分らしく生きる智慧です。 


 人生には嬉しいこともあれば、思い通りにならないこともあります。 

 それでも、そのすべてを含めて人生という旅。 


 限りある身体だからこそ、この瞬間はかけがえのないものになります。 

 もしかすると私たちは、何かになるためだけでなく、 

 この世界を感じ、味わい、愉しむために生まれてきたのかもしれません。 


 今日という一日も、人生というリーラの大切な一場面。 

 どうぞ、あなたらしく味わってみてください。 





 本日もお読みいただき ありがとうございました



 ― 吉由庵  吉原由夏 「あ〜ゆる暮らし」より