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にゃんにゃん探偵チャーリーの冒険 ~ザ・ゲーム~・第5話『ピカソ、ポール・スミス、あるいはクラインの四元群』

2026.06.21 04:28

 先日、梅雨の晴れ間の日に、国立新美術館で催されている『ピカソ meets ポール・スミス』に行ってきました。ポール・スミスによる会場レイアウトで、ピカソの作品約80点を堪能できる企画展です。内容的にはとても良い催しだったと思います。

 が、しかし。私を悩ませる問題が1点ありました。

 けっこう蒸し暑い日、もちろんTシャツを着て外出するのは決定事項なのですが、この催し物にポール・スミスのTシャツを着て行くべきかどうか…。それはいくらなんでもやりすぎな気がします。しかし、かといって別のブランドのロゴが入ったTシャツを着て行くのも、なんだか喧嘩を売っているみたいで気が引けます。

 例えば、アニエス・ベーのロゴ入りTシャツを着てその場に行くのはどうかと思います。かといって、行きや帰りの電車の中でポール・スミスのTシャツを着ている人と隣り合わせでもしたら、なんだか気まずい感じが生まれそうです(以下、ポール・スミスのTシャツをpt、アニエス・ベーのTシャツをbtと表記します)。

 そこで、上から下まで同じブランドでまとめるのもやりすぎなので、ptの場合はアニエス・ベーの腕時計を、btの場合はポール・スミスの腕時計をはめて行くという案が浮かびました(同様に、ポール・スミスの腕時計をpw、アニエス・ベーの腕時計をbwとします)。

 命題論理風に表すならば「(pt ⊃ bw) ∨ (bt ⊃ pw)」(ポール・スミスのTシャツならばアニエス・ベーの時計を付ける、または、アニエス・ベーのTシャツならばポール・スミスの時計を付ける)となるかと思います。つまり「(pt ⊃ ¬pw) ∨ (bt ⊃ ¬bw)」(ポール・スミスのTシャツならばポール・スミスの時計は付けない、または、アニエス・ベーのTシャツならばアニエス・ベーの時計は付けない)とも表現できます。

 すでにお気づきの方もいることでしょうが、実はこの関係は、数学でいう〝クラインの四元群〟と同じ構造になります。

 これを今回の関係に当てはめると図2になります。

 人類学の巨人であるレヴィ=ストロースは、このような構造を「交叉イトコ/並行イトコ」、つまり〝近親相姦のタブー〟の分析にも用いました。

 ファッションを記号で読み取ろうと思った時、上から下まで同じブランドでキメキメなのに違和感を感じるのは、そこに近親相姦のタブーを感じているからなのかもしれませんね。

 今週は仕事がとても忙しいので簡単にまとめましたが、チャーリーとの晩酌だけは簡単に済ますわけにはいかないようです。すでにニャーニャー催促しています。チャーリーの腹時計は、とっくに晩酌の時間を知らせているようです。時間になれば、お腹が減る(p ⊃ q)。あっ、どうも。岩崎(チャーリーの飼い主)です。