オルレアンの少女29-ジャンヌ軍解体匪賊討伐
2019.03.16 06:40
ジャンヌのいとしのアランソン候は、ノルマンディー遠征に行かされてしまう。候はジャンヌも連れていくことを希望したが、国王が許すわけがない。トップが猜疑心を免れるのは難しい。もしジャンヌと候が一緒になって反乱したら、と考えるのは性(サガ)というものだ。ジャンヌは宮廷内のTPOには無縁で行動するが、そもそも古来から預言者とはそういうものだ。
ジル・ド・レエも、元帥に任じられたくせに、パリ攻囲戦のあと、国王に嫌気がさして領地にひっこんでしまった。王側近のラ・トレモイユあたりが、ジャンヌを匪賊狩りに使おうと提案したらしい。当時のフランスは、現在のシリアやソマリアのように国が荒れる中で、傭兵崩れが勝手に城を占拠して自分の国をつくっていた。
その代表というのがバグダーティじゃない、ペリネ・グルサールで、ライールやザントライユは主力軍に残り、だいぶ武将は間引きされたが相変わらず忠実な副官ジャン・ドーロン達と共に、ブーリュジュ東、ヌヴェール近くのサンピエール・ラ・ムーティエに赴いた。しかしこの副官が居たので、ジャンヌの伝記がきちんとできるわけなのだが。
この攻略は敵の反撃にあってなかなかうまくいかなかった。ドーロンが退却を勧めると、「粗朶束や柵をもってこさせて」と言う。これで従うのだからかわいいヤツである。ジャンヌが「者ども橋をかけるぞ!」と号令すると、城に渡る橋がまたたく間にできてしまい、城は落ちたのである。
下はここにもあるサンピエール・ラ・ムーティエのジャンヌ像