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関東運輸広報

茨城運輸支局が水戸でパトロール

2026.06.22 07:25

国土交通省茨城運輸支局(支局長 田中 幸久)は5月29日、水戸市内の会場で開催された関東高校ソフトテニス大会に赴き、来場したバス車両の状況を視察する緊急パトロールを実施した。5月6日に磐越自動車道で起きたマイクロバス死傷事故を受けた措置。同支局は引率教員らに安全対策への注意喚起を行ったが、ヒアリングからは、予算不足や体制の不備から教員自らがハンドルを握り続ける「自己犠牲」のリアルな実態が浮き彫りになった。

当日、茨城運輸支局が会場で確認した車両は計24台。そのうち約半数の11台をマイクロバスが占め、内訳は学校所有が6台、貸切バスが3台、レンタカーが2台だった。

磐越道の事故を受け、運行体制をいち早く見直した学校もある。ある貸切バスの運転手は「これまでは学校側が自分たちでマイクロバスを運転していたようだが、あの事故を契機に外注へ見直したと聞いている」と明かす。別の私立校の顧問も「昔、教員が運転して死亡事故が起きて以来、うちでは教員に運転させない方針。学校から補助も出ている」と話し、組織的な安全対策が機能している例も見られた。しかし、こうした「外注化」や「公共交通機関の利用」に踏み切れるのは一部の学校に過ぎない。依然として、教員が自らハンドルを握るケースは多い。

「あんな誰か分からない第三者に運転させるくらいなら、自分たちの方が責任を持って生徒を運べると自負している」。教員4名で交代しながら全国どこへでも学校の車を運転していくという顧問は、磐越道の事故業者への不信感を露わにし、自前での運行に強い責任感をにじませた。だが、その責任感の裏には、教員の深刻な過重労働と、学校・保護者間の複雑な人間関係が存在する。

ある私立校のテニス部顧問(30年目)は、学校が所有する7台のマイクロバスを使い回す。今回は「教員は近距離しか運転させない」という学校の方針に合わせ、生徒を公共交通機関で移動させ、自身は荷物を積んだバスを運転して駅で合流するという苦肉の策をとった。「休日がなく仕事はハード。遠征の手当も出ない」と本音を漏らす。

さらに深刻なのは、レンタカーを利用するケースだ。ある顧問は、宿代を浮かすために「夜間移動」を強いられているという。「保護者に口を挟まれないよう、大型免許を取って自分で運転している。指導、引率、運転、事務をすべてこなすのは疲れるが、干渉されるよりはマシ」と、精神的な孤立と疲弊を語った。

また、別の教員からは「事故後、必ず教員が運転することと決められたが、これが解決策なのかは疑問。教員の負担が増えているだけ」と、安全対策がそのまま教員の負担増に直結している現状への疑問も呈された。

■ 求められる「持続可能な遠征」への支援

今回のパトロール中、同支局からの注意喚起に対して、教員側から「やはりそうだと思った」「結局、教員が仕方なく免許を取って運転せざるを得ない。補助もない中、仕方ないこと」と自発的に接近し、窮状を訴える場面もあった。

生徒たちの移動の足と荷物の確保、そして安全の担保。これらをすべて教員個人の「善意」と「負担」に丸投げする現状には限界が来ている。茨城運輸支局による一律の注意喚起にとどまらず、学校組織や行政が一体となり、遠征費用の公的補助や運行ガイドラインの策定など、現場の負担を軽減する実効性のある支援へ踏み出すことが急務だ。