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Fashion Source / Hitomi’s Log

ムーンウォークのマグカップができるまで

2026.06.23 22:00

面白いことに、このマグカップは「商品を作ろう」と思って生まれたものではなかった。

振り返ると、すべては先週、すみだ北斎美術館で、北斎を観たことから始まっている。私は子どもの頃、隅田川沿いの中学校に通っていた。だからこの展示には、もともと少し特別な親しみを感じていたのかもしれない。


そのとき、ミュージアムショップで気になる商品を見つけた。北斎の作品をそのまま使うのではなく、金色に再解釈したスマホケースだった。それを見た瞬間、「なるほど、こういう表現もあるのか」と思った。

私はそれまで、名画を扱うなら原作そのままの方がいいのではないかと思い込んでいた。でも、そのスマホケースは違っていた。作品への敬意を持ちながら、ちゃんと新しい表現として成立していたのだ。

その時は、本当にそれだけだった。まさか後でマグカップにつながるとは、まったく思っていなかった。


その後、私は一週間ほどマイケル・ジャクソンについて調べ続けていた。2回映画を観て、動画を見て、記事を読んで、ひたすらマイケルインプットウィークとなった。


そして昨日の朝、「マイケル研究、閉幕」のブログ記事のサムネイル画像をつくろうとしていたときのことだ。ふと、「マイケルが月の上でムーンウォークしていたらどうなるだろう」と思った。さらに、「もしクリムトが描いたら?」という発想が続いた。


なぜそんなことを思いついたのか、自分でもよく分からない。でも今振り返ると、北斎展で見た金色の表現、クリムトの黄金の世界、そしてマイケルのムーンウォーク。頭の中で別々に存在していたものが、どこかで静かにつながっていたのだと思う。

そこでAIにイメージを作ってもらった。すると現れたのは、黄金の月。黄金の大地。そして月面を歩くムーンウォーカー。


その瞬間、「あれ?」と思った。

これはブログのサムネイルだけではない。マグカップになりそうだ。スマホホルダーにもなりそうだ。そんな予感がした。ちょうど、ブラックのマグカップの型も見つかった。

ちなみに、マイケルの顔は、キュビスム化されている。どこまでもアート。

Exactly!

そして、モックアップを作ってみると、想像以上だった。黒いマグカップに、金色の月。ニューヨークのロフトにも、音楽スタジオにも、ハリウッドの夜景にも、どの世界にも自然に溶け込む。自分が欲しいほどだ。(笑)

北斎展。金色のスマホケース。マイケル研究。ブログのサムネイル。クリムト。AI。ムーンウォーク。それぞれは、一見すると無関係に見える。でも振り返ると、すべてが一本の線でつながっていた。

「文脈」だ。人は論理だけで何かを生み出すのではない。自分の中に蓄積された体験や記憶や興味が、ある日突然つながることで、新しいものが生まれる。今回のマグカップは、その象徴のような作品になった。

北斎のグレートウエーヴから始まり、クリムトの黄金を通り、月面のムーンウォークへ。まさかそんな旅になるとは、思ってもいなかった。

でも、創作とは案外そういうものなのかもしれない。


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