第1回】健診結果、ちゃんと見てますか?〜血圧・血糖値編〜
さて、本日は健康診断のお話です。
そろそろ健診結果が届いた方も多いのではないでしょうか。
私も毎年健診を受けますが、封筒を開ける時は通知表を見るようでドキドキします。
ただ、この健診結果——「A〜E」の判定だけを見て、そのままにしていませんか?
「ただちに医療機関を受診してください」と書かれていても、「毎年言われてるし、しんどくないから大丈夫」と、まさか放置していませんか?
健診結果は「現在の健康状態の確認」だけでなく、「未来の自分の身体を守る」ためにあります。年に1度の健診、次回は1年後です。本当に大丈夫でしょうか?
今回から3回にわたり、健診項目の中で「この数字が出たら注意してほしい」ポイントを解説します。
ご注意: 受診勧告の基準は健診機関によって異なる場合があります。健診機関の指示を優先してください。また、今回取り上げる項目以外でも、胸部レントゲン・心電図・胃透視・胃カメラ・便潜血検査・腹部超音波検査などで受診を勧められた場合は、すぐに受診してください!
① 血圧:160/100mmHg以上——でも、それまで待っていいの?
全国健康保険協会(協会けんぽ)の「未治療者への受診勧奨」基準は160/100mmHg以上ですが、「それ未満なら受診しなくていい」という意味ではありません。健保組合によっては140/90以上で受診推奨としているところもあります。
高血圧の診断基準は、これまでどおり140/90mmHg以上(家庭血圧は135/85以上)です。
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれています。血管を傷つけ、脳卒中・心筋梗塞・腎不全・大動脈解離などの致命的な疾患を招き、心臓にも負担をかけて心不全の引き金にもなります。また、中年期の高血圧は認知症の危険因子であることも知られています。脳心血管病死亡の危険因子としては、LDLコレステロール高値や高血糖よりも断トツの第1位です。
実は、正常高値血圧(120台/80未満)からすでにリスクは連続的に上昇しています。
「高血圧管理・治療ガイドライン2025」でも、健診で140/90以上、または自宅で5日間測定した平均が135/85以上であれば受診を勧めています。脳心血管病・心房細動・慢性腎臓病・糖尿病などの危険因子をお持ちの方は、基準値未満であっても早めのご相談をお勧めします。
② 血糖値:HbA1c 6.5%以上、空腹時血糖 126mg/dL以上
日本糖尿病学会の基準では、この2つをともに満たすと「糖尿病型」と判定されます。HbA1cは過去1〜2か月の血糖の「平均値」を示します。高血糖状態が続くと血管内皮に炎症が生じ、網膜症(失明)・腎症(透析)・神経障害・血管障害など、全身にわたる合併症を引き起こします。
見落としに注意: 健診では通常、空腹時に採血するため、食後高血糖が隠れていることがあります。空腹時血糖が100mg/dL台でも将来の糖尿病リスクは上昇しており、HbA1c 5.6%以上・空腹時血糖100mg/dL以上では特定保健指導が勧められます。
また、定期健診にHbA1cが含まれていないこともあります。受診の際にぜひ測定してもらいましょう。
次回は「脂質・肝機能・貧血」について解説します。お楽しみに!
(木村 新)