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◇シエルはシエルの歳で

2026.06.22 23:00

 昨日、私の盲導犬シエルは9歳の誕生日を迎えました。 

 シエルを知る多くの仲間から、LINEでたくさんのお祝いメッセージをいただきました。 

 その人たちの本当の顔を私は知りません。 

でも、メッセージを書いてくださっている皆さんの優しい笑顔が、私には目に浮かびました。 

 シエルは人間の言葉が分かりません。 

 でも夕方、心を込めて伝えてあげました。 

 「シエル、めっちゃたくさんの人たちからお祝いの言葉が届いたよ。 シエルは本当にみなさんから愛されていて、可愛がられていて幸せやねぇ」 

 そして、 

 「シエル、ドッグフード以外はあげられないんだけど、今日はいつもより大盛りにしとこうね」 

 と、大盛りご飯にしてあげました。 

 シエルは、いつもと変わらず、嬉しそうに、おいしそうに、一気に食べてくれました。 

 毎日元気に食べてくれること。 それだけで、ありがたいなぁと思いました。 


 シエルが10歳になると、私たちは別の道を歩くことになります。 

 だから誕生日には、毎年、残された時間を考えてしまいます。 

 先日、友人とそんな話をしました。 

 「シエルの9歳は、人間でいうと何歳かなぁ?」 

 色々な計算方法があるようですが、大型犬は年を取るのが早く、人間に換算すると、もう老人の仲間入りだそうです。 

 すると、その人が言ってくれました。 

 「人間に換算すると老人で、切なく感じるかもしれない。 でも犬は、人間の年齢を気にして生きているわけではないよ。 

 『今日は亀ちゃんと一緒に歩けた』 

 『いっぱい撫でてもらえた』 

 『名前を呼んでもらえた』 

 そんな『今日の幸せ』を積み重ねて生きているんじゃないかな。 

 老人の年齢ではなく、9歳のシエルとして。 

 亀ちゃんと一緒に、残された時間を幸せに生きてくれたら、それでいいんじゃない」 

 と。 

 とても納得しました。 

 私は勝手に人間の年齢に換算していましたが、 シエルはシエルの歳で、9歳です。 

 これは、ワンちゃんの年齢だけではなく、 他のことでも同じかもしれません。 

 幸せの基準や、物の価値。 

 人には人の基準があり、 私のものさしとは違う値があるのでしょう。 

 9歳のシエルが、私に教えてくれた大切な考え方でした。 


 「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」 

 ということわざがありますが、 私はシエルに、道を教えてもらうばかりです。 

 あはは。 

 シエル、おめでとう。 

 そして、いつもありがとう。 

 来年の誕生日も、 シエルの歳で。 

私の歳で。 

 お互い元気に迎えましょう。