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脳性麻痺ライター・著者 東谷瞳  |障害と生きる日々

8.出会いは待つものじゃなく、動いた先にある

2026.06.29 23:00

「いい出会いがあればいいな」

そう思ったことは、きっと誰にでもある。

気の合う人に出会えたらいい。

自分をわかってくれる人がいたらいい。

そんな願いを、どこかで持っている。

でも、その“出会い”は、どこにあるのだろうか。

待っていれば、自然と訪れるものなのか。

Flowerの活動を通して感じたのは、少し違う答えだった。

出会いは、待っているだけではなかなかやってこない。

動いた先に、ある。

最初から「この人と出会いたい」と思って出会うことは、ほとんどない。

むしろ、少しのきっかけで動いた先で、

思いがけない人とつながっていく。

あのとき、あの場所に行かなければ出会えなかった人。

少し勇気を出して話しかけなければ、関わらなかった関係。

振り返ってみると、どの出会いにも「小さな一歩」があった。

もちろん、その一歩は簡単じゃない。

前のコラムでも書いたように、「外に出る」こと自体が難しいと感じることもある。

不安もあるし、迷いもある。

それでも、ほんの少しだけ動いてみる。

その結果として、出会いが生まれる。

あるメンバーが言っていた。

「障害を持ったことで、多くの出会いがあった」

もし違う人生だったら、出会わなかった人たち。

経験しなかった出来事。

感じることのなかった気持ち。

そう考えると、「出会い」は偶然のようでいて、

実はその人の歩いてきた道の中に積み重なっているものなのかもしれない。

出会いは、ただ楽しいだけのものではない。

時には、戸惑うこともある。

ぶつかることもある。

価値観の違いに悩むこともある。

でも、その一つひとつが、自分の世界を広げてくれる。

「こんな考え方もあるんだ」

「こんな感じ方もあるんだ」

そうやって、自分の中の当たり前が少しずつ揺れていく。

そして気づく。

出会いは、誰かを変えるものではなく、

自分の見え方を変えていくものなのだと。

だからこそ、待っているだけではもったいない。

完璧なタイミングじゃなくていい。

準備が整っていなくてもいい。

少しだけ外に出てみる。

少しだけ人と関わってみる。

その小さな動きの先に、思いもよらない出会いがある。

どんな人に出会うかは、選べない。

でも、「出会いに行くかどうか」は、自分で選べる。

そう考えると、世界は少しだけ広く感じられる。

出会いは、どこかにあるものじゃない。

自分が動いた、その先にあるのかもしれない。