“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百三十二通目『健康管理』
◆“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百三十二通目『健康管理』
夢を追う人ほど、自分の体を大切にしなければなりません。芸能の道を歩むなら、健康管理は「できたらいい」ことではありません。「できて当たり前」のことです。
歌も、踊りも、芝居も。どれほど才能があっても、ステージに立てなければ届けることはできません。だから、体調を整えることも、表現者としての実力の一つなのです。
でも、本当に大切なことは、もう一つあります。それは「人に迷惑をかけない」ということです。
少し熱がある。喉が痛い。咳が出る。お腹を下している。
「このくらいなら大丈夫だろう」などと思って稽古場へ向かったり、舞台へ立ったりしてはいけません。
もし感染する病気だった場合、その行動は自分一人の問題では済まないからです。
一緒に稽古する仲間。指導してくれる先生。舞台を支えるスタッフ。そして、楽しみに会場へ来てくださるお客さん。
その一人ひとりに生活があります。家族がいて、仕事があって、学校があって、それぞれの毎日があります。
君の「少しくらい大丈夫」が、その誰かの生活を止めてしまうかもしれないのです。だから、少しでも体調がおかしいと思ったら、病院へ行きましょう。必要なら検査を受けましょう。休む勇気を持ちましょう。
それは逃げることではありません。責任を果たすということなのです。
芸能の世界では、「無理をしてでも頑張る」ことが美談として語られることがあります。もちろん、その覚悟が必要な場面もあるでしょう。
でも、感染症に関しては話が違います。無理をすることは、美談ではありません。誰かを危険にさらす行動になってしまうのです。
表現者は、多くの人の信頼の上に立っています。「この人となら一緒に作品を作りたい」「この人なら安心して舞台を任せられる」そう思ってもらえる人でなければ、長くこの世界では生きていけません。
「健康管理」とは、自分の体を守ることだけのことではありません。
仲間を守ること。お客さんを守ること。そして、自分が積み重ねてきた信頼を守ることでもあるのです。
夢を叶える人は、特別な才能を持った人とは限りません。当たり前のことを、当たり前に続けられる人です。
健康を管理することも、その「当たり前」の一つ。君の夢は、君一人のものではありません。君を応援してくれる人たちの期待も、一緒に乗っています。
だからこそ、自分の体に責任を持ちましょう。
それもまた、夢を追う者の大切な仕事なのだから。
以上
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百三十一通目」は2026年6月25日の記事
「“アイドル”や“何者か”を目指す君への手紙 二百三十三通目」は2026年7月8日の記事