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思想作家・村中堅宣による著作ライブラリー

二十四節気編・秋分 ― 金木犀香る読書の午後

2026.07.01 01:36

昼と夜が同じ長さとなる秋分。

季節は静かに均衡を迎え、

自然もまた、次の冬へ向けて歩み始める。

金木犀の香りが中庭を包み、

湯気の立つ日本茶が心をほどいていく。

ページをめくる音。

遠くで揺れる木々の葉音。

足元でくつろぐ愛犬たちの穏やかな寝息。

慌ただしく流れていた時間は、

いつの間にかゆっくりとした速さへ変わっている。

実りとは、収穫だけではない。

学んだこと。

出会った人々。

積み重ねてきた経験。

そして何気ない日常の幸せ。

それらが少しずつ心の中に蓄えられ、

人生を豊かにしていく。

おはぎの甘さと日本茶の香りを味わいながら、

好きな本を読む午後。

何かを競う必要もなく、

何かを証明する必要もない。

ただ季節とともに生きる。

そんな静かな贅沢が、

この秋分の風景には流れている。

二十四節気「秋分」。

満ちゆく内なる豊かさを感じる、

理想郷の秋のひとときを描いた作品です。

バンダナ