ラグビー日本代表「まず勝つことでファンに示したい」
日本代表が7月4日、秩父宮ラグビー場でティア1の強豪イタリア代表と対戦する。新設国際大会の初戦となるこの一戦を前に、ニール・ハットリーHC代行は「現状のベストと言えるチームを選べたと思う。怪我はどんな時でもつきものだが、勝つための準備はしっかりできた」と手応えを口にした。
先発ナンバーエイトに起用されたジャック・コーネルセンについて、ハットリーHC代行は「パナソニックでシーズンを通してプレーしていたことと、ラインアウトのスキルが世界クラスであること」を評価。フランカー陣もフィジカルでチームを前に進める力と圧倒的なワークレートで存在感を示す。リザーブにはリーチマイケルが経験を、ティエナン・コストリーがエネルギーをもたらし、コーネルセンとマイケル・ストーバーグはロックのカバーもこなせるため「非常に厚いメンバー選考ができたのではないか」と語った。
12番には廣瀬雄也が入る。「久田でも非常にパフォーマンスが高く、いいキャリーができる選手だし、ディフェンスでもいいヒットをしっかりしてくれる、体を張れる選手」とハットリーHC代行。日々の成長ぶりに「非常に楽しみだ」と期待を寄せた。
選考の悩ましさについては「嬉しい問題だと思っている」ときっぱり。「2年前と比べてそこは大きな変化かなと思う。今ではピュアな背の高いロックがたくさんいるし、フッカーもどんどん層が厚くなっていて、この2週間の練習でも非常にそこがよく見れた」と、チーム内競争の激化を歓迎した。ワーナー・ディアンズについては「全く違う環境でラグビーを経験したことで、目に見えて責任感が増した」と、キャプテンとしての成熟ぶりを口にした。
試合運びについては「試合というのはいつも流動的だし、プラン通りにいくことは滅多にない」とした上で、「できる限りこちらから口数は減らして、選手たちに主体的に判断していってほしい」と、ピッチ上の裁量を選手に委ねる方針を示した。
選手側からも強い決意が聞かれた。「ただ魚のジャージを背負って戦うということは前回も今回もそうだが、ただいい試合して終わるというのは絶対良くないと思う。内容がどうであれ、まず勝つことでファンのみなさんに、秩父宮でホームでイタリアを倒すというのをしっかりと示したい」
戦術の核心はハイボールとトランジションにある。「相手を動かすというところが僕たちの強みなので、体力を消耗させて左右に振って、スクラムでも押していきたい」とし、「ハイボールからハンブルしたボールをトランジションのところで崩せるのが、日本のアタックの強みだと合宿を通して再確認できた」と語る。今季のチームキーワードは「共に朝へ」。「自分たちのスピードで相手を翻弄する」ことが軸になる。
初キャップとなる大学生・伊藤龍之介が10番に立つことについて、ベテラン勢は「まずこういう舞台をしっかり楽しんでもらいたい」としつつも、「今回はちゃんとキャップを持つ試合なので、ただいいプレイで終わったというのは絶対ない」と釘を刺す。ボールを持ちすぎる傾向については「そこは僕とかディランの方でコミュニケーションでコントロールできる」とサポート役を買って出た。
スクラムについても手応えは十分だ。「イタリアやつもほぼ遜色ないと思うし、低く組んでまっすぐ行ける、日本がやってきたスクラムの形は通用した」。一方でテストマッチでのターンオーバーやペナルティ奪取は「まだできていない」と課題も残す。
最大の警戒対象はイタリアの12番、トンマーゾ・メノンチェッロだ。「テストマッチで平均10メートル以上毎回ゲインしているというデータもある」というキーマンに対し、「個人にフォーカスしすぎず、フォワード・バックスコネクションのところでしっかり止めることができれば、イタリアの攻撃も止めることができるのではないか」と冷静に分析する。
チームは2年前の対戦から着実に進化を遂げてきた。「フォワードの回数も増えてきているし、良くないプレーもどんどん減ってきている」。今回の目標設定は「45点以上、失点50点以下」。秩父宮に降り立つ日本代表は、明確な数値目標とともにイタリア撃破へ挑む。
取材:Atsuhiko Nakai / SportsPressJP