つねにすでに大丈夫な社長
3日に2日くらいは雨がふり、まさに梅雨って感じです。
多品目で年がら年中野菜を栽培していると、やることなんかは無限にあって、なにも雨の時にそんなにびしょびしょになりながら効率悪く畑で作業しなくても、ビニールハウスで種を蒔いたり、大きくなってきた苗の鉢上げをしたりと、露地栽培農家でもけっこう濡れずにすますことがこれまでできていたのですが、こう立て続けに降られてはさすがに外の作業が滞り、多少の雨ならレインコートと長靴でぬかるみながらもやらざるを得ず、本降りまでの束の間できゅうりやゴーヤの支柱を立てたり、小ねぎを植えたりしてますが、本当はいまだ掘り切れていないジャガイモを一目散に終わらせたいところです。ジャガイモはなんといっても精密機械のごとく濡れにはすこぶる弱いので、いくらかまとまった晴れを待ち続け、やっと今日からまた掘り出せそうです。
先々週のニュースレターでもジャガイモを掘っていて、ぼくはジャガイモのカロリーと通帳の数字、どっちが本物かといったらそれはもうどうやっても前者だろうとうそぶいたのですが、本当は通帳の数字も忘れたことはありません。それどころか、あの売り上げがこの日に入り、入ったそばからあっちの支払いに消えていき、だんだん目減りしてきたところでなんとか帳尻があうというもので、別の売り上げが時間差でまた入り持ち直し、安心するのもつかの間、不意打ちのように納税通知なんかが来た日にはもうダメかと思いきや、そんな時こそ拾う神の出番というもので、そういえばイレギュラーで参加したあのイベントの売上のことを思い出し、これでなんとかなるだろう、いやまてよ、忘れかけてたあの請求も今月くらいに来そうだな、、、と始終お金のめぐりを考えていて、このお金という血液をどうにか留めずに流し続け、会社という謎の生命体を生かし続ける役割が社長のぼくの責任です。
社長と聞くとぼくは、「男はつらいよ」の、とらやの裏の印刷会社のタコ社長がまず頭に浮かび、毎日「困った困った」といいながらもなんとか会社をやりくりしていく姿に、これぞ社長というもので、ぼくもようやくタコ社長のような頭の使い方になってきたのを感じます。ついこの間も銀行にお金を借りに行き、もう気持ちの上では隣家にお醤油を借りにいくほどの気軽さでまた借金を申し込み、もはや隣家に醤油を借りに行く方がよほど気まずく気合いがいるくらいで、慣れとはなんとも怖いものですが、困った困ったといいながら、実は根っこのとこでは案外そんなにへっちゃらで、ぼくは人より「大丈夫」という言葉が意味する領域がおそらくいくらか広いので、というのも「大丈夫」がもつ言葉の意味の領域を一ミリずつ拡大することに今まで精を出しその訓練の成果であって、だからいくら借金があっても基本的には大丈夫で心配ご無用なのですが、そういってられるのももちろん野菜を買ってもらえるからこその心理であり、引き続きなにとぞよろしくお願いいたします。