コケの女王「ヒメハナガサゴケ」との謁見叶う
6月12-14日は長野県・北八ヶ岳へ。何年ぶりの来訪だろうか。
「6月はヒメハナガサゴケの胞子体の季節ですよ」と麦草ヒュッテのオーナー・Sさんに
もう何年も前に教えていただき、ずっと機をうかがうこと数年。
今年6月にタイ類の専門家・F先生のコケ観察会が開かれると知り、1月に速攻で北八ヶ岳行きを決めた。
それから5か月後、梅雨に入って少したった6月中旬。
現地の朝晩はまだ寒く、麦草ヒュッテではストーブやこたつをつけていた。
私の住んでいる関西とは「6月」の体感がまるで違う。
こんな季節にヒメハナガサゴケの胞子体は成熟するのだな。
なんだか関西の3月頃と似ている気がするな。
前日には雨が降ったがこの日の天気は上々。
天候が変わりやすい亜高山帯において、まるで神様から女王に謁見することを
特別に許されたかのよう…そんな気にさえなってくる。
▲ついに女王を謁見。若い胞子体から成熟した胞子体まで出揃って、まさに見頃!!
▲特徴的な色と蒴の頸部の広がり
▲帽が取れて、蓋が取れて、そしてこぼれ落ちんばかりの胞子が・・・
2泊3日の滞在で2度女王に謁見させてもらったが、
2度目の謁見では女王のカラフルなスカート(蒴の頸部)に
ちょうど虫(たぶんハエの一種)が飛んできた。
最初は行儀よくスカートに足をかけていたのに、
だんだんかぶりつくように足を蒴にからめてもう夢中だ。
足にはたくさんの胞子が付着していることだろう。
たとえコロニーの土台となっているのがカモシカの糞でも、
胞子体に鼻を近づけて嗅ぐとなんともいわれない特有の匂いがしても
(糞とは感じないが何か人の体臭を凝縮したような濃い臭い)、
この色と形の美!なんとういう美しさ!
隣の若い群落もきっと6月中に成熟したことだろう。
もう今は胞子散布は終えているかな。
必ずまたあなたに会いに行きますからね。
待っててください。
▲ぼやかして撮っておりますが、左後ろに見えているのがこのコケの生育基物となるカモシカの糞