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神戸おとなのピアノ教室「タルド」神戸市中央区 三宮駅 新神戸駅

③ドイツ室内楽レッスン旅 〜移動・現地の様子〜

2026.08.10 01:00

こんにちは。 いつもは週1回の更新ですが、先週はアップできなかったため、今週は月・水・金と3本(③④⑤)をまとめてお届けします。 

ドイツでの室内楽レッスン旅、無事にすべてのプログラムを終えて日本に戻ってきました。 今回は、関空からの長旅やハードスケジュールだった初日の様子、現地での規則正しい生活と早朝練習、そして本場ドイツで体感した音色の違いについてお届けします。

今回の旅は、関西国際空港からのスタートでした。 約14時間のフライトを経て、夕方にミュンヘン空港へ到着。移動の疲労もあったため、その日は無理をせず空港近くのホテルで1泊しました。 翌朝、ミュンヘン中央駅からあらかじめ「DB(ドイツ鉄道)アプリ」で予約していた高速列車ICEに乗り込み、現地を目指します。 15時30分に無事目的地へ到着。……しかし、ここからが本当のノンストップでした。

15:30 現地に到着 16:00 全体ミーティング 16:30 急いで買い出し 17:00 練習室で自主練習 17:30 ヴァイオリンとの合わせ 18:00 ホールで1回目のレッスン 19:00 夕食 20:00 レッスンの録音を聴きながらの反省会

買い出しを急いだのには理由があって、翌日の日曜日はドイツのスーパーやドラッグストアがすべてお休みになってしまうから。特にシャンプーは、日本の軟水用より現地の硬水に合わせたものの方が髪に良いと聞いていたので、現地調達は必須でした。 その後はシャワーと手洗いで洗濯を済ませ、気づけば泥のように眠っていました。移動直後でバタバタと過ぎ去った初日でしたが、このスピード感と「日曜日はお店が開かない」というドイツならではの文化、そして硬水文化を、初日から肌で感じることになりました。

宿泊棟は比較的新しい建物で、とても綺麗で快適な空間でした。

粋なことに各部屋には音楽用語の名前が付けられていて、私が滞在したお部屋の名前は「Adagio(アダージョ)」。

「ゆるやかに、落ち着いて」という意味を持つ部屋で過ごせたのは、長旅の疲れをほぐすのにぴったりでした。 現地での食事時間は、朝食8時、昼食13時、夕食19時とキッチリ決まっていました。 驚いたのは寒暖差です。早朝や深夜は気温が10度台まで下がり、羽織るウールのカーディガンが手放せないほど。部屋の中もうっすらと暖房が入っていました。 夕食後はシャワーや洗濯を済ませ、時差ボケと1日の疲れもあって早めに就寝。その分、毎朝かなりの早起きになりました。 最初は「朝食まで時間があるから」と一人で早朝の散策をしていたのですが、ヴァイオリンのパートナーも同じく早起きしていることが判明。そこで途中からは、朝食前の6時から8時を二人の朝練時間にし、肌寒い朝の空気から温かい練習室へ入って、毎日じっくり音を重ねました。 翌日のレッスンスケジュールは、毎晩スマホに連絡が来るシステムでした。レッスンが午前中の日もあれば、午後や夜の場合もあり、日によってさまざま。そのため「明日は午後レッスンだから午前中に集中練習しよう」「今日はレッスンが終わったから少し街へ散策に出かけよう」と、その都度スケジュールを組み立てて過ごしました。 「Adagio」の部屋で気持ちを落ち着かせつつ、レッスンに合わせた練習とたまの街散策で気分転換をする時間は、とても心地よいリズムでした。

新しい宿泊棟とは対照的に、練習室やレッスンを行う建物はとてもクラシカルで、歴史を感じさせる雰囲気でした。

重厚な佇まいで、まるで19世紀からそのまま時が止まっているのではと思うような、味のある木のドア。しかしそのドアが現代的なカードキーで管理されているのが、なんともドイツらしく、新旧が織り交ざった空間が印象的でした。 今回のレッスン環境は、ピアノ弾きにとってこの上なく贅沢で、そして刺激的なものでした。受講生の中でピアノ参加は私ひとり。他は弦楽器の受講生の方々で、弦の皆さんは現地のコレペティの先生(オペラや室内楽などで伴奏をしながら総合的な音楽指導を行う伴奏専門のピアニスト)と合わせを行い、ピアノトリオや弦楽四重奏、弦楽合奏などのアンサンブルに取り組まれていました。 私はヴァイオリンとピアノのデュオで参加し、毎日次のようなサイクルで音楽に向き合いました。

2台のグランドピアノで自由練習(気分に合わせてお気に入りを使い分けます) 朝6時からの朝練とヴァイオリンとの合わせ ホールのスタインウェイでのレッスン

レッスンはホールのスタインウェイ(Steinway & Sons)を使用するという素晴らしい環境だったのですが、初日はドイツ特有の環境にかなり戸惑いました。空気の乾燥のせいかタッチが驚くほど軽く、ピッチは「A=444Hz」と高めの設定。 そして何より印象的だったのは、ピアノの「やわらかい音色」でした。日本ではヤマハのような輪郭のはっきりしたクリアな音色が好まれる傾向がありますが、現地で聴くピアノは包み込むような温かくやわらかい響き。「ヨーロッパの人々が愛する音色とはこれなのだな」と、身をもって実感しました。 歴史ある建物の空間で、高めのピッチや乾燥した響きの中にいかにそのやわらかな音を溶け込ませるか。耳の使い方やタッチのニュアンスを模索した日々は、本当に濃密な時間となりました。