変動
こんばんは。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食に関する古書のセレクトショップ、お味噌や発酵食品中心のカフェ テマヒマ プロデューサーの太田 準です。
昨日のこと、大阪日本民芸館を後にして、モノレールで南茨木駅へ。同じ(岩井窯)山本チルドレン(笑)ともいえるパン屋さんボヌールさんに行く前に、エビフライ武藤さんでランチ。ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、スタッフの出勤人数によって価格が変動するお店で、前から気になってたのですが初めての訪問です。
店主の武藤北斗さんは、パプアニューギニア海産という天然海老にこだわった水産加工会社を10年以上経営していて、エビフライ武藤はその海老をつかったエビフライ専門店。工場の方のシフト無し、なんだったら休む場合の連絡禁止というフリースケジュール制を飲食店にも導入しています。当日朝にスタッフの出勤が確定して、店主の武藤さんのみの場合は2700円、パートスタッフ1人出勤の場合は2600円、2人出勤の2500円と変動します。
これを読んで、一瞬、逆では?と思われた方もいらっしゃったかと思いますが、スタッフを人件費(コスト)と捉えていないのが素晴らしい。当初は違う言い回しだったそうですが、元価格より下がっていくように見えるのでお客様的に、得したようには感じても損した感は湧きにくい設計。
同じことでも伝え方によって印象は変わりますね?どう伝えるかって難しい。。。
店員の数が少ない日にお客様がさばけない可能性を懸念して、出勤人数と来客数のバランスを取ろうと考えたのが出勤人数に応じて値段を変える方法(店内掲示されていた店主による新聞投書記事より)だったとのこと。仕組み的にもお店のイメージ的にも価格が下がれば来店人数が増えるイメージは正直ありませんでしたが、店主の武藤さんとお話する時間があって聞いたら、3人全員出勤でペイするようには価格設定されてるとのこと。
メニューの最終ページに「働くこと、生きること」というページがあって、そこには
「お金だけを中心に考えるのではなく、スタッフの健康や人生、そして料理のクオリティーや食品ロスの軽減などを考えた結果です。もし一定の料金にするならば、出勤人数を平均化するためシフトを組み、無理をして出勤する人も出てくるでしょう。そこで調理されたエビフライは果たして美味しいのでしょうか。」
と書かれていました。ダイナミックプライシングについて店主が遊んでるという批判もあったそうですが(逆にエンタメ性をお客様が楽しんだり、戦略性の有無はともかくメディアが飛びつきやすい面はありつつ)、そこにはフィロソフィーがあります。
個人的にはスタッフの出勤人数というお店の都合で価格が変動していいのか?というのはどうしても考えてしまいます。お店の都合で急に開けたり、閉めたりするところもありますが、お店が自由すぎるとお客様が不自由になってしまう気がして。そこも含め、お客様の理解があって成立しているのもスゴイですね。テマヒマでは積極的に地元飲食店コラボをしたり、食を中心とした様々な講座を開催したり、物販のみ営業の日もあって、可能な限り告知はしていても伝わり切れずご迷惑をおかけすることもしばしばです。
テマヒマの場合は、基本我々夫婦とスタッフ1人で回すオペレーション。3人のスタッフでシフトを組んでいます。難しい時は元スタッフのヘルプをお願いしつつ、それでも無理な時はカフェのみ営業とか物販のみ営業に切り替えることもあります。スタッフのお子様の年齢などのライフステージやそれぞれの働き方に合わせています。
少しズレますが、スタッフがロースイーツクリエイターの資格を取ったことをきっかけに彼女名義でのロースイーツ提供を始めたり、雑穀料理を学んだスタッフが加入したことで雑穀メニューが増えたり、スタッフに合わせてお店を変化させてきました。クルミドコーヒー店主の影山知明さん言うところの「人を手段化しない経済」という意味では、方向性は違えど、武藤さんとテマヒマで共通している気がしています。テマヒマの恩送りのOmoiyari Ticket/Omoiyari Noteまで含めて言えば、資本主義の中の別軸を模索する動きとして、確かに繋がっている気がします。
海老フライ武藤さんでは、新しい試みが始まっていました。
「赤ちゃん泣いたら割」
赤ちゃんが泣き始めたら、店内にいる他のお客さん全て100円引き。
逆に赤ちゃんが泣かなかったら、そのお客様は100円引き。
「この割引で私が目指しているのは、100円引きになる喜びではなく、優しい空気が店内にあふれることです。」と武藤さんのSNSにありました。
私見ですが、割引制度を入れることにより、赤ちゃんは泣かない方がよいという誤ったメッセージが伝わらないか?という点が少し気になりました。テマヒマでは、赤ちゃん連れのお客様を優先してソファ席にご案内したり、(余裕があれば)お食事中は赤ちゃんを抱っこしたりしていますが、赤ちゃん連れのお客様を歓迎していることは姿勢で伝えることが出来るのでは?と。赤ちゃんは泣くのが仕事と言われたりしますしね。全員とは言いませんが理解して頂けるのでは?
同じことでも伝え方によって印象は変わりますね?どう伝えるかって難しい。。。
Omoiyari Noteに「このノートを読んで深く考えこんだ方へ」とOmoiyari Ticketを貼ってプレゼントして下さった北海道の方がいらっしゃって先日再訪下さいましたが、エビフライ武藤さんはまさに考えこんでしまう、そんなお店でした。考えるきっかけをありがとうございます。
さて、エビではなく、イカの話です。
明日のランチはsue kitchenさんとのコラボ!メインはイカの冷製パスタ。
sue kitchenさんの夏の人気商品イカと彩り野菜のマリネと、テマヒマの特製トマト味噌ソースが出会い、新たに誕生しました!
セットには、豆乳味噌スープ、納豆ドレッシングサラダ、豆乳ヨーグルトが付きます。
是非ご賞味下さい。
ランチの11時半,12時のお時間は残り5席となっています。12時以降のお時間はお料理の確保予約(お席は空き次第のご案内)も承っております。
それでは明日も好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで。
今日も一日お疲れ様でした。好い夜をお過ごし下さい。