常任委員会視察報告
7月上旬、所属しております環境経済常任委員会の視察で台東区、北九州市、長崎市を訪れました(公費)。梅雨明け直後の視察で暑さも厳しい中でしたが、宇都宮市の課題である○商店街の活性化 ○中心市街地のトイレの在り方 ○歩いて回りたくなるまちづくり ○持続可能な農業をテーマに各地の取り組みを伺い、本市への活かし方を勉強して参りました
【台東区】商店街活性化とたいとうおもてなしトイレについて
台東区はアメ横や浅草、谷中銀座など日本有数の商店街が多く点在し、面積当たりの商店街数が都内最多、観光や訪日外国人の入り込み客数も増加傾向となっている。
区と東京都が連携し、7分野(活性化計画策定支援、街路灯設置など街並み環境支援、イベント支援、外国人観光客おもてなし支援、アーケード撤去などの安全安心対応型支援ほか)における商店街振興事業を行っている。商店街は主に百貨店等大型店を有する広域型と区民が日常的に買い物する近隣型に分類されるが、近年、近隣型商店街においては後継者不足や空き店舗の増加等で衰退傾向にあり、集客数確保の観点からも商店街活性化、魅力向上、空き店舗活用の区独自支援を展開し利用状況に合わせリニューアルを図っている(今年度は申請件数も増)。
また増加する観光客対応として民間事業者へ協力依頼し、トイレ貸出やトイレまでの経路案内を行い、協力店舗に対してはペーパーの補填を行う「おもてなしトイレ」事業を展開している。店舗登録数が少ない印象を受けたが、コンビニのトイレを気軽に使う文化が根付いている我々(ちゃんと買い物することが前提ですよ!)と違い、東京都はそのような事案が少ないようで(東京のコンビニはあまりトイレを貸さないがローソンさんは会社方針で貸出するようになっている)協力へのアプローチが異なることが伺えた。今まではいかに観光客を増やしていくか、といった視点が主であった観光行政が、観光客や訪日外国人の増加により歩道混雑やマナー違反対応など、受入環境整備にシフトしつつある点も印象的であった。
本市も現存する小規模商店街の今後の在り方を丁寧に聞き取ると同時に必要な支援策を検討し、またさまざまなイベントを通じた来訪者のまちなかトイレ環境整備に努めるべきである。
【北九州市】持続可能な農業振興について
農家の減少や農業従事者の高齢化などの担い手不足、農地の集約やスマート農業の推進など、農業をとりまく諸課題については宇都宮市と大差は無い。北九州市の農業人口は宇都宮市の3分の1、農地が6分の1とのことから、多くの農産物をブランド化し(高付加価値付与)販売促進を図っている点が特徴である。
小倉南区の名産品、合間たけのこについては地域おこし協力隊を1名起用し、独自アイデアや活動を通じて合間農産物直売所の魅力向上、SNSからの情報発信、多彩なイベント企画等を展開、その活性化と売上向上に寄与している。
まさに地域おこし協力隊という外部人材の活用が起爆剤となる好事例の一方で、協力隊任期は残り1年強とのことから地域に対するノウハウの継承など取り組みの継続性は課題であるようだ。また、協力隊を地域に投入する際は約1年前から地域へ告知をし、地域の方も選考に関わるなど導入前の取り組みも丁寧に行っている。今後地域の意識変化や協力隊導入における評価手法について注視して参りたい。外部人材の活用とブランド化への取り組みは大変参考になった。
本市における農業地区についても、外部人材や非農家さんが地域活性化に寄与する可能性もあることから、地域のご意向も伺いながらニーズに沿った人材投入は検討の余地がある。
北九州市役所のすぐ隣が小倉城でした
【長崎市】まちぶらプロジェクトについて
長崎駅周辺再整備やふ頭の増設など陸・海の玄関口整備と併せ、隣接するまちなかを下記5つの異なるテーマでエリア分けし、各エリアを繋ぐ軸を形成「まちぶらプロジェクト」を展開している。
①新大工エリア・・・商店街/市場を中心としたふだん着のまち
②中島川・寺町・丸山エリア・・・和の佇まいと賑わいの粋なまち
③浜町・銅座エリア・・・長崎文化を体感し、発信する賑わいのまち
④館内・新地エリア・・・中国文化にふれ、食を楽しむまち
⑤東山手・南山手エリア・・・異国情緒あふれる国際交流のまち
各エリアが持つさまざまな特徴を捉えた多彩なイベントを展開し魅力向上に努めており、季節の大型イベント以外にも純粋に歩いてみたいと感じる内容であった。またこの5エリアを繋ぐ軸は必ずしも大きな道路などで繋いでいるわけでは無く、小さな歩車道を掛け合わせたおもしろい軸の概念である。
軸上の歩車道やトイレ・休憩スペース等ハード面を整備し、回遊性の向上と民間事業者等にも協力を仰ぎながらトイレ環境整備などに努めている。
平和記念公園や出島など観光名所のみならず地域住民との対話を大切にし、ウォーカブルな街なかを一体的に整備した事業であり、本市の中心市街地整備でもトイレや休憩スペース、路地の整備など参考となる点が多くあった。今後は宿泊税の活用(主に民間に協力いただいているトイレのペーパーや清掃費用を念頭?)にも言及されていたことからその動向を注視して参りたい。
※長崎市は「良い味」を醸しだす路地が多く存在しているが、宇都宮市の場合このような路地は私道であることが多い。反面、長崎市は市道とのことでハード整備は比較的スピード感をもって進められており本市と少し前提が異なる
新しくなった長崎市役所最上階から、長崎のまちなみ。視察でさまざまな市を訪れ、取り組みを伺っていくと、そのような知識も念頭にゆっくり散策してみたいなあと思ったりします。そんな箇所がたくさん溜まってしまっているワケですが、果たして旅する日なんて来るのでしょうか。いや時間は作るものではあるのだけど