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Baby教室シオ

提案『慈しみの見立て遊び』

2026.07.27 00:00

多くのお母様が子供の遊びを考えるとき、どうしてもおもちゃ優先で遊びを促してみたり、子供が自由に遊ぶのをそっと見守る方が多いかと思います。また能力を伸ばすという点で藤井聡太くんの使用したキュボロを購入し空間認知力を鍛えるご家庭もあります。しかし遊びを通して子供たちは何を学ぶのかを考えたとき、慈しみを感じたり表現したりする遊びと、子どもの心の成長には深い関係があることを忘れてはならないと考えます。事実、発達心理学や教育学では、遊びは子どもの社会性や情緒を育てる重要な活動とされています。つまり、慈しみを感じたり表現したりできる遊びは、共感性や社会性、自己肯定感など、子どもの心の健全な成長を支える大切な経験の一つと考えられています。

私の考えとしては、1歳からはできるだけ慈しみを育てる遊びを意識して、各年齢ごとに適切な慈しみを育てる縦積みの遊びについて、今回は提案してまいります。


1、なぜ慈しみの遊びが必要なのか

まず遊びを考える前に前回の提案記事(記事はこちら)でも記しましたが、子供に慈しみを身につけさせる最も明確な理由は、「他人のため」だけではなく、「子ども自身が信頼され、助け合いながら安心して生きていける可能性を高めるため」であり、慈しみは他者への配慮であると同時に、長い目で見れば自分自身の人生を支える力でもあるのです。その基礎を作るために遊びを通して慈しみを育てる実践を行う必要があります。特に男児の場合には性質として戦いを意識するようになる年齢の前に、慈しみや親切、優しさ、気遣いなどをしっかりと働きかけ、強くて優しい少年・青年・男性に成長できるよう種蒔きを意識してほしいと考えます。


2、1歳児の慈しみの遊び

1歳児は身近な大人にしてもらった経験を遊びの中で再現することを楽しみ始めます。

この時期は「優しくタッチする」「優しく揺らしながら抱っこする」「頭をなでる」などの心地よい触れ合いを楽しみ、安心感や親しみが育まれるように遊びを通して実感してほしいと考えます。具体的な遊び方は以下の通りです。

① 『優しくタッチする』

ぬいぐるみにを使用した遊びで優しくタッチすることも良いのですが、私はお母さんや兄弟の頭や体をにタッチしたり、飼っている犬猫などの動物に優しく撫でることで温度を感じる経験をしてほしいと考えます。


②  抱っこ・ゆらゆらごっこ

優しくぬいぐるみや人形を「優しく抱っこするんだよ」と声を掛け両手で抱っこしてもらいます。抱っこした後は「「よしよし」と頭を撫でたり、左右にゆっくり揺らしたり、という動作を行いながら、「かわいいね」「気持ちよさそうにしてるね」「安心しているみたいだね」などと声を掛け愛着や親しみの気持ちを育てるようになりますが、人を大切にするということを意識するだけでなく、物を大事にする心の育みにも繋がります。


③  抱っこでぎゅー

子供自身が親や保育者に「ぎゅーっ」という体験をする事により、子供が心地よく感じられ、安心でき、大切にされているという感覚や人との触れ合いの心地よさを少しずつ学んでいくことが伴っていれば、「ぎゅー!」と言いながらぬいぐるみを抱きしめたり、絵本で動物の親子が抱き合う場面を見て、くまさん、ぎゅーしてるね」と話したりすることで優しさを学んでいくことができます。


④「はい、どうぞ」「ありがとう」

この「はい、どうぞ」「ありがとう」のやりとり遊びは、人とのやりとりを楽しみながら、信頼関係を深め、「どうぞ」「ありがとう」のやりとりを通して、相手を思いやる気持ちの芽生えを育無と同時に、言葉や身振りで気持ちを伝え合う心地よさを味わうことができるようになります。1歳児では、「ありがとう」と言葉を言える子供は少なく、たとえ言えなくても物の受け渡し、笑顔を返す、うなずいたり頭をちょこんと下げるといった行動自体が大切なコミュニケーションです。大人が温かく応じることで、やりとりの楽しさや思いやりの心が少しずつ育っていくため、おもちゃや食べ物を使って、遊びながら「はい、どうぞ」「ありがとう」「どういたしまして」とやりとりを楽しみ、分かち合う気持ち、相手とのやり取りを楽しむ力をs育てることができます。



3、2歳児の慈しみの遊び

2歳児の慈しみを育てる遊びは、1歳児より少し進んで『お世話を行う』見立て遊びです。単に「お世話を上手にすること」が目的ではなく、「大切にしたい」という気持ちを味わい確認しながらそして楽しんで表現することを学んでいく遊びです。この時期は真似っこが大好きな時期であり、普段大人からしてもらっていることをぬいぐるみや人形に行い、慈しみの芽を育てます。

「抱っこしてあやす」「食べさせる」「寝かしつける」「おむつを替える」「体を拭く」「着替えさせる」といった簡単なお世話の真似が中心です。子供と一緒に遊びながら、優しい言葉やしぐさを伝えることで慈しみの芽生えに繋がります。


①  抱っこしてあやす

2歳児の抱っこしてあやす遊びは、1歳児の単なる抱っこ行動とは異なり、自分が保護者や保育者から受けた関わりを遊びの中で再現するだけでなく、「赤ちゃんは眠いから抱っこしよう」「泣いているからなでなでしてあげよう」など、相手の立場を考えた行動が少しずつ見られるようになります。人形やぬいぐるみを優しく抱っこして「大丈夫だよ」「ねんねしようね」と声を掛けたり、「赤ちゃんが泣いているから抱っこしよう」「眠いから寝かせよう」「お腹が空いているのかな?」など、相手の気持ちや状態を考えて行動しようとする共感力を育てます。また1歳児と大きく変わるもう一つが言葉です。言葉で気持ちを伝える力

「よしよし」「いい子だね」「泣かないよ」「大丈夫だよ」など自らが普段聞いている言葉を使って遊ぶことで、言葉で気持ちを伝える力を育てるように促してあげます。すると徐々にコミュニケーションが広がり始めます。


②  トントン・ねんねごっこ

ぬいぐるみや人形に毛布やハンカチを掛けて「ねんねしようね」「おやすみなさい」などと声を掛けながら背中を「トントン」と優しくたたくように遊んでもらいます。「お布団をかけてあげたんだね」「優しくトントンしているね」「ぐっすり眠ってるね」などと声を掛け遊んでもらうことで、思いやり気持ちの芽生えや相手を安心させる経験を育てることができます。この遊びは人形やぬいぐるみだけでなく、男の子であればミニカーなどのおもちゃでも構いません。レッスンでよく起こるハプニングの一つに、クレヨンを包んでいる紙を剥がしてしまうことが起こります。その場合にクレヨンの中紙を掛け布団に見立てて、「クレヨンさんが寒がってるよ。お布団をかけてあげよう。そしてねんねさせようね」と言うと優しい表情や動きを見せてくれます。小さな子供にとっての見立て遊びは、子供自身が受けてきた愛情ある行動を基礎にして身につくものです。


③ 「あーん」と食べさせる

2歳児の「あーん」とぬいぐるみや人形に食べさせる遊びは単なる真似ではありません。自分が「食べさせてもらった経験」をもとに、ぬいぐるみや人形に向けて再現しながら、「世話をする側」の役割を楽しむ遊びです。この役割の切り替えは、ごっこ遊びの発達や他者の立場を想像する力の育ちを支える大切な経験となります。「あーん」「おいしいね」「もっと食べる?」「ごちそうさま」など日常生活で聞いた言葉を使うことで語彙や会話の力が育ちます。言葉が発達している2歳児の中には、お母さんの口癖をそのまま真似る子供もいて、「にんじんもちゃんと食べてね。残しちゃだめよ」なんて言葉を耳にしたこともあります。つまり子供達は日常を遊びに投影しているのです。





4、3歳児の慈しみの遊び

3歳の子供にとって慈しみを育てる遊びは、2歳児のお世話ごっこも引き続き行われていますが、自分の経験をまねして楽しむ段階にあります。さらに人や動物、植物、自分自身を大切に思う気持ちなど相手への関心を遊びの中で自然に経験できるように促すのが効果的です。


①  「よしよし、いたいのいたいのとんでいけ」

この「痛い痛いの飛んでいけ」という言葉を使うのは、1歳未満からお母様方が行なっている遊びですが、なぜ3歳で意識させていくかというと4歳以降に年下の子供の世話をする発達の下地作りです。家族ごっこをしながら相手を労るような声掛けを促しておきましょう。


②  家族ごっこ

3歳児のはごっこ遊びは観察していると大変面白いことが繰り広げられます。つまり2歳児の遊びとは異なり大きく発達する時期です。家族ごっこでは、自分の経験を再現するだけでなく、「お母さんならどうするかな」「お父さんならこういうかも」「赤ちゃんは何をしてほしいかな」と相手の立場を考えてお母さん・お父さん・兄弟姉妹役を演じることが増えていきます。このような経験は、共感性や社会性、コミュニケーション能力の発達を支える大切な機会になります。私が見た家族ごっこの中にはお父さんが仕事から帰ってきて、脱ぎ散らかしたであろう服をお母さん役の子供が「いつも言ってるでしょ、どうしてかごに入れないの?」と言いながら服らしきものを拾っていくというごっこ遊びがありました。ママ友達と「子供は本当によく見てるね。私の言い方そっくりだわ」と大笑いした経験があります。


③  動物のお世話ごっこ

3歳児の動物のお世話ごっこは「自分が世話をしてもらう側」から「誰かを大切にする側」へと経験を広げていく姿が見られます。これは、思いやりや慈しみの心が育っている大切な姿で、社会性を育むチャンスでもあります。身近な動物との触れ合いや絵本などの経験をもとに「大切にしてあげたい」という気持ちを遊びで表現します。数年前に卒した生徒さんの中でこんの動物のお世話ごっこにはまり、我が家の愛犬がご飯を食べる様子が見たい」「水を飲むときどうしてるの?」「寝る時はどんなふうに寝てるの?」と質問責めにあった経験があります。動画を送ってあげると、お母様の返信動画にはものの数秒でご飯を食べてしまう犬のごっこ遊びやお腹を出して寝ている様子、散歩時にクンクンと匂いを嗅ぎおしっこをする様子を忠実に再現していました。彼女は今中学生ですが獣医を目指しているそうです。単なる動物のお世話ごっこが現実味を帯びた瞬間だったのでしょう。




5、4歳児の慈しみの遊び

3歳児と4歳児の慈しみの遊びを比べると大きな違いは、3歳児は「自分の経験をまねして楽しむ段階」にあり、4歳児になると「相手の気持ちを考えて関わる段階」へ発展してい区ことです。つまり4歳児の「慈しみの遊び」とは、身近な人や動植物などの存在を大切に思い、優しく関わろうとする気持ちを遊びの中で表現することです。4歳頃になると相手の気持ちを少しずつ想像できるようになり、「お世話をしてあげたい」「助けてあげたい」という思いが遊びに表れるようになります。


①  お医者さんごっこ

4歳児は「相手はどう感じているかな」「何をしてあげたら喜ぶかな」と考えながら関わる遊びへ発展していきます。4歳児は慈しみの遊びを通して急激に心の成長や人との関係づくりの土台を築き始めます。よってお医者さんごっこを通して病人や怪我人に対する慈しみを育てることができます。「どこが痛いですか?他に苦しいところはありますか?」「いつからこの症状が出ましたか?」と聴診器を当てるふりをし、「風ですね。お薬を出しておきますから飲んで様子を見ててください」「改善しなければまたきてくださいね」「お大事に」などと声を描けることにより慈しみを育てることができます。


②  レスキューごっこ

4歳児のレスキューごっことは、消防士や救助隊員などになりきり、困っている人や動物を助ける場面を想像して遊ぶごっこ遊びです。単に乗り物や道具を用いて真似るだけでなく、「誰かを助けたい」「役に立ちたい」という思いを遊びとして表現する姿が見られます。この時期の特徴は「強いヒーローになりたい」という憧れだけでなく、「誰かを守る・助ける存在になりたい」という気持ちが遊びに表れることが強く、責任感の芽生えにもなります。また友達と役割を相談しながら遊びを進め、まだまだ自分が花形をやりたいという主張をする年齢であるので、協力する楽しさも促す必要があります。これは、慈しみや社会性が育っている大切な姿の一つです


③  年下の子のお世話遊び

4歳児にとって必要な年下の子どものお世話とは、大人の代わりに世話をすることではなく、「小さい子に優しく関わる経験」を通して、思いやりや責任感を育てることです。4歳の頃は、相手の気持ちを少しずつ想像できるようになる時期なので、無理のない範囲で「手伝う・気にかける」経験が必要になります。つまり「お世話をする人になる」ことが目的ではなく、「自分より小さい存在を大切にする喜びを知ること」が大きな意味を持ちます。兄弟姉妹間でも3歳の子供が妹や弟に向ける関心と、4歳児が向ける関心は大きな違いがあります。できるだけ自分よりも小さな子供に優しくする、目を掛ける、気に掛ける、守るというような働きかけを促しておくと、「教えてあげたい」「守ってあげたい」「お世話をしたい」「助けたい」という気持ちが育ちやすくなります。



6、5〜6歳児の慈しみの遊び

5歳児の最大の特徴は、3歳児では「お世話の真似を楽しみ」、4歳児では「相手を思って関わる」姿が増え、5歳児ではさらに、「どうしたら相手が喜ぶかな」、「困っているから手伝おう」、「みんなで協力したらできるかも」と、相手や集団を意識した慈しみへと発展していくことです。


①  年下の子のお世話・交流遊び

4歳児も小さい子と一緒に遊ぶ、絵本を読む、手をつなぐ、遊び方を教えるなど行うことができますが、4歳児発信の少々押し付けがましいことが展開されることがありますが、5歳児になると「小さな子供が怖くないように声を掛ける」、「相手のペースに合わせる」など相手を思いやる立場に立った対応を行おうとするようになります。


②  協力して作る遊び

3歳児は「同じ遊びを楽しみ」、4歳児は「友達と役割を持って遊ぶ」、そsて5歳児は「みんなで考え、力を合わせて一つのものを作り上げる」という発達の流れがあります。「自分はこうしたい」だけでなく、「友達は何を作りたいのかな」「どうしたらみんなでできるかな」と相手の考えを聞いたり、調整したりする力が育ち、共通の目的を持てるようになるため「大きなお家を作ろう」「劇を成功させよう」など、同じ目標に向かって活動する楽しさを感じられるようになります。また役割分担ができるようになるため「材料を集める人」「作る人」「飾る人」など、自分の役割を理解して取り組むことができ、友達の役割の大切さにも気づ苦ことができるようになります。

5歳児の協力遊びは、単に作品を完成させることが目的ではなく、友達の気持ちを認め、助け合いながら『一緒に作る喜び』を感じることに大きな意味があります。友達と大きな作品を作る、秘密基地を作る、劇遊びをするなど。友達の考えを聞く、譲る、助け合う経験を通して、仲間を大切にする気持ちが育ちを育ててほしいと考えます。



これまでに類似記事も配信しているので参考になされてください。提案『子供の思いやりと優しさについて』(記事はこちら)、提案『人の役に立ちたい思いを育てる』(記事はこちら)、提案『優しさの育み方』(記事はこちら