2月 | February
2026.07.27 02:21
2/1
32/365日目 | 『おすまし夢澄まし』
「私より先に、人間に化ける夢を見たのね、ねえそうでしょう?」アヒルの婦人がそう問うと、狐の獣は旅人に似せたそのお顔を澄ましてみせた.
2/2
33/365日目 | 『おもちゃの星扉』
「なんだか扉、小さくないかしら?まるでお人形のお家みたいね」「いいやぴったりだよ!僕たちには天井のすぐ側まで描かれた星がいくつあるのか見えないんだもの!」
2/3
34/365日目 | 『結をくれるなら』
言葉を交わして仲良くなれる獣も居れば、僕らが集めた珍しいモノを欲しがる子もいる. 「小さな毛玉たち、僕に結をくれるなら、この爪はしまうこととするよ」
2/4
35/365日目 | 『花編みの鈴』
青薔薇が育つまで、私はこの赤い花と過ごすのだろう. 泉に沈め、夜空で染め上げた布は銘品として宙へ還す. その目印として、私は鮮やかな赤薔薇で編んだ鈴を纏う.
2/5
36/365日目 | 『1頭の花』
そういえば、星のヴェールは竜のがおがおがくれたんだっけ. 私は遂に千年を生きた. 角の側で育つ草花の香りをいつまで覚えていられるだろうか.
2/6
37/365日目 | 『道案内を頼むよ』
私?わたしは雌牛のところへ行くんだ. だがここの近くには花の便りがない. 彼女の役目を見届けて、種を一粒貰う. それが1番の楽しみなんだ.
2/7
38/365日目 | 『彗星よりも早い脚』
私の駆け足がはやいこと、みんな知っている. けれど海では泳げないの. ハイエナの彼に教えてもらって、やっと目を開けれるようになったばかり.
2/8
39/365日目 | 『その姿に意味があること』
「獣たちはみんな夜から遠くなるように頭を下げる、どうしてなの?」「これは…君の相棒の毛玉たちに聞いてみるのがいいかもしれないね」
2/9
40/365日目 | 『星紡ぎの山羊の精』
みんなここへ星を置いてく. 私は夜へ向けてそれらを送り還すんだ. 預かった星は数知れず、けれど“わたしの輝き”はまだ見つかっていない.
2/10
41/365日目 | 『ワニの女王様』
川の浅瀬で出会った女王様、彼女はどうやってあの装飾を身につけたのだろう. 僕らも王冠を身につければ毛玉の王様になれるかな?
2/11
42/365日目 | 『がおがおに導かれて』
がおがおが面白い夢を見つけてきたみたい. わたしは上から下に流れる空ばかり見てきたけれど、彼は夜が横に流れていくって言うんだ. 本当かな?
2/12
43/365日目 | 『悠々と在るために』
海の中でも息ができるのに、この自慢の大きな耳にはいつも水が入るの. だから旅人と一緒にいた毛玉たちから首輪を貰って付けてみた. これはいいね.
2/13
44/365日目 | 『夜は闇の隣にあるから』
あの森の美しい番人に似ている、そう思って近づいた先に立っていたのは人と獣の間を纏った生き物だった. 「夜は闇の隣にある」そう言ったオコジョの言葉を思い出す.
2/14
45/365日目 | 『海王の寝床』
最近は海の夢をよく見るね. 私たちが広大な夜空の投影を見たいと願っているからだろうか. あっ!大きな恐竜にも似た海王のひと幕だ、花を貰ったのかな?
2/15
46/365日目 | 『星のおくるみ』
月のおくるみもあった、けれど今夜は星のおくるみだ. 僕たちまだ眠くないけれど、旅人も待っているし心地よい絹の中で次の夢を見に行こう.
2/16
47/365日目 | 『切り株の境界』
夢遊世界では様々な物が夢と夢を繋ぐ境界になり得ますが、今夜毛玉たちが見つけたのは大樹の切り株の境でした.「飾りつけられてる、誰かが用意した入口なのかな?」
2/17
48/365日目 | 『綺麗な布を見繕うって』
「私は、本当は身軽で居たかった. 美しい立て髪を振るわせるのが好きだ. けれどメロウが旅の道の別れにと、星の装飾を見繕ったんだ. 」…そうして私はというと、今でもこのおめかしの魔法が大層気に入っている.
2/18
49/365日目 | 『月が落ちた夢』
月が湖に落ちた夢を見たよ. 兄弟も一緒だった. そしたら小さな星が後を追ってきて、それぞれが囁いていた. “君ら、まさか月を見たことないの?”って. 見たことあるよ!!
2/19
50/365日目 | 『肺魚の夢遊』
目を覚ましてからも不思議だったこの生き物の正体、君は知っている?長寿モグラに聞いたら、「それは肺魚だね」って言っていた.覚えておこう.
2/20
51/365日目 | 『星脚と駆けて』
私が駆けると脚を伝う星々が夜空へと落ちていく. いつしかそれは星雲となって、次の夢をつくるのだそうだ.
2/21
52/365日目 | 『星脚を追って』
星雲から生まれた夢を辿ると、途中に星のリボンが落ちていた. きっとこれはあの子の印だろう. ところでこんな色だったかな?今の空が紅に染まっているからだろうか.
2/22
53/365日目 | 『鏡を持ってくるよ』
迷ったの?また彷徨うのか. この獣はそう言っている気がした. ここには話せない生き物もいて、彼らにはがおがおが言葉を教える. 孤独で自由な竜が旅人にそうしてもらったように.
2/23
54/365日目 | 『やあ』
「やあ君たち。私のこと、どう見る?」「うーん。僕はね、あなたの喉元に咲く花の種類を、あなた自身は知っているのかなって考えているよ」「ああそうかい、そうかい。」
2/24
55/365日目 | 『今度は此処が』
星の扉は珍しくない. いつも通りだ. なのにぐうたらと絨毯で眠っている毛玉たち. 私はそんな様子を見て仕方なく近くへ腰掛けることにした. そこで出会ったのががおがおによく似た竜だ.
2/25
56/365日目 | 『招待に合わせて』
「ねえライリー、これって…合ってるの?」森の番人からの招待状には“2匹で”とあった. けれどドレスを着てこいなんて、一言も書いてないよ…
2/26
57/365日目 | 『お呼びかしら?』
わたしも貰ったの. 彼の方からの、星の招待状. 1匹の蝶が運んできたそれを読んで、すぐに遥かなる行路へと向かう心を決めたわ. 用意していたドレスを着て、とびきりおめかしをしたのよ.
2/27
58/365日目 | 『あの竜の面影』
尾にリボンを結んだ竜を知っている?その問いに、彼女は応えなかった. でも斜めに飾られたその結は、旅人ががおがおにあげたものととても似ているんだ.
2/28
59/365日目 | 『星のひとかけら』
幾星霜の間、私は人間と出会うたびに星のひとかけらを渡してきた. 星をあげるなんて言っていないのに、みなが私の尾の結を褒めるのだ. だから…そのお返しに.