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K I h o u

3月 |

2026.07.27 02:25

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60/365日目 | 『灯火の灰』
私たちはここで過去の灰を見ている. それが旅を終えた人間なのか、獣たちの跡なのかはわからない. けれどこの色褪せた夢の中には、命の果てがあるのだと感じる.

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61/365日目 | 『私との約束』
あなたの名前はヴェル. この広い夢遊世界で、朧げに散ってしまう記憶を運ぶの. いつかあなたの身体の、布に隠れた窓が開いて沢山の思い出が入っていく. 私のことも、そこで覚えていて.

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62/365日目 | 『化け姿の獣』
あなたも名前が欲しいの?名のこと、誰に聞いたの?…そう、ヴェルに. 兎に化けなくても、私たちは怖がったりしないよ. ぴったりなものを考えるから、暫くついておいで.

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63/365日目 | 『少し迷おうよ』
「君たち、わたしと別の夢へ行こう. 境界はすぐそこ、扉だよ. 見たことあるだろう?」ねえライリー、彼は人間とは違うみたいだけれど. 今夜も好奇心に従う?

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64/365日目 | 『紡ぎの獣』
いつからここにいて、いつまでそうしているのだろう. 旅人が彼の額に手を伸ばすと、紡ぎの獣は静かに目を閉じた. 「心が聞こえる、それは灯火の続く限り」

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65/365日目 | 『貝の門を見つけて』
貝殻かな?海の跡だ. 不思議な門を見つけて潜ってみたら、夢が歪んだ. ぐにゃりと回った景色の本当の姿が見たくて目を擦るけど…あの大きな毛玉たちは見間違いじゃなかったみたい.

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66/365日目 | 『月の弓を持つ』
月の弓は使える時間が限られていてね、今夜がその時なんだ. ああ、満月の日は、そうだね. ベッドクラウンの飾りのひとつになっているよ.

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67/365日目 | 『夜風は友だと』
凍てつく地の境界で夜風を浴びた. 薄絹の衣ではすごく寒かったけれど、肩を震わせることはしない. ずっと昔、小さな竜が夜風は友だから仲良くして欲しいと、そう言っていたから.

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68/365日目 | 『こんどはこっち』
ワニのお嬢様を見かけたかと思ったら、今度は猫のお姫様をお護りするんだって. 長寿モグラまで来て…行き先は灯火の跡地?久しぶりにあの街へ行くのもいいか.

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69/365日目 | 『まだ小さな星』
…一緒に旅をしたいの?でもあなたはまだ小さな星で、駆け足には付いてこれないでしょう. この印のリボンをあげるから、また出会えたらね、きっと.

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70/365日目 | 『約束をした』
随分と大きくなって. 森の駆けっこでは1番だったの?そう. 結いたリボンは小さく、角はとても立派に見えるわ. ああ確かに約束したわね、今夜から暫く、一緒に夢を旅をしましょう.

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71/365日目 | 『竜とお揃いの』
竜とお揃いのリボンが付いた帽子へ変えた. 髪の毛もあんまり気にしていなかったけれど、切ってみた. 帽子からはみ出して靡くにも窮屈そうだったから.

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72/365日目 | 『太古の証』
私が竜にあげたリボンも、元は星編みで生まれた白布から作ったものなんだ. それを果実と赤薔薇で染めて紅の色にした. 夢遊世界では色布はとても珍しかったそうで、染めのやり方を沢山聞かれたよ.

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73/365日目 | 『星々の秘密』
大樹の側へ帽子を置いて来たの. その中に沢山の花の種といくつかの鉱石を入れておいたわ. 幾千の時が経ちそれらが新しい灯火となること、私は知っている. 夢遊世界の生き物たちはそうして生まれるのだから.

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74/365日目 | 『水の中で出会えていたのなら』
今まで水生の獣として生きて、遂に人間へ化けて陸に来た. けれど息が長く続かないこの場所で、犬に似た獣に声をかけられる. そんな彼には水辺の証である背鰭が付いていた.

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75/365日目 | 『夢の祝い事』
月欠けの夜、ツノの生えたイヌ科に出会った私は、彼と小さな言葉を交わした. 「今夜祝い事があるの。星を見送る役割をお願いできる?」獣は指先にトンと鼻を当て、「いいよ」と言った。あなた喋れるのね!

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76/365日目 | 『星の瞬きよりも』
ほら、そこに星が瞬いている. 君の好きな甘くて美しい贈り物. 私は甘くも輝いてもいないよ、それでもいいの?…じゃあ、あなたの可愛い毛玉頭を撫でさせてもらおうかしら.

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77/365日目 | 『獣、人、そして竜』
獣の脚を追っていたら後ろから恐竜が現れて、私は必死で逃げたんだ. でもふと後ろを見ると、そこにいたのは私より少し大きいだけの小さな竜だった.賢そうな目をしていた.

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78/365日目 | 『夢の鏡は揺らいでいる』
あまり知られていないことだけれど、夢遊世界の鏡と境界は見分けがつきづらい. 今夜はその中に僕そっくりの獣がいて、こっちを見てた. 彼にツノがあったら僕はいつまでも鏡だと思い込んでいたかも…

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79/365日目 | 『番人の招待で』
森の番人から宴への招待があったから、前にワニのお姫様がくれた魔法粉を使って強そうな姿へ化けてみた. がおがおはどうやって翼をしまっているの?そして私はなぜ浮かんでいるの…?

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80/365日目 | 『どちらで遊ぼうかしら』
月のボールと鉱石トレーを抱えて、ワニのお姫様が私のとこまでやってきた. 確か約束は木陰でのお茶会だったけれど、遊びたくなったのかな?最近泳いでいなかったし、ちょうどいいか!

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81/365日目 | 『城下の隠れ小屋』
「城下にこんな場所があったとは. あなたたちが作ったの?」「ううん、狐の婦人がね、星を眺められる場所だって、用意してくれたんだ. 」あの狐の子、お城に住んでいたのね!また夢話をしにいきたいな.

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82/365日目 | 『この金平糖を』
僕たち昨日ね、大きな白いクマの獣へ野花を咥えて差し出したんだ. そしたらね、獣は空へ魔法を放って、金平糖を沢山降らしてくれたんだよ!自分の大きな手では花々を摘むことはできないから、って.

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83/365日目 | 『見覚えのある鱗』
たまに不思議な夢を見るんだ. 大きな獣に乗って空を泳ぐ夢. 僕は温室のような背鰭の中に居て、ぬくぬくと星の柄を眺めている. この獣の鱗には見覚えがあった. あの子の肩で見た輝きと同じだった.

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84/365日目 | 『迷夢の鰭』
チカチカと輝く中に鰭の姿を見る. その生き物が連れてきた星で瞳の中がいっぱいになった私は、それらを溢すのが勿体無くて瞬きをやめた. 「迷夢から覚めたなら、また私はこの星々を忘れるのだろうか.」

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85/365日目 | 『願いを叶えるため』
ユニコーンのヴェルが落としていった角を額に当てて、竜が千切ったリボンを咥えて、僕たちはひとつの願いを込める. “片耳折れた、枯草色の兄弟に会いたい”と.

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86/365日目 | 『またしてもおすまし』
そうして僕たちは兄弟に会えたんだけれども、旅人がお揃いのリボンを結いて暫く一緒に歩きたいって言うんだ. 柔らかい表情でそれが夢のひとつだったと呟くから、ならいいよって.

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87/365日目 | 『珍しい鱗』
「あなたのそれ、とても珍しい色をしている」夜竜たちは暗い宙を飛ぶからか、星に近い場所に住んでいるからなのか、青薔薇で染めた布肌によく似た夜色の鱗を持っている. 私はそこに一番星を見たんだ. 本当だよ.

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88/365日目 | 『願いの種の居場所』
長寿モグラの言う通り、穴を掘って夢の中を進んだ. 僕の探し物はここで見つかるのだろうか?彼も昔1匹の竜へと預けた、願いの種の様子を知りたいと言っていたな.

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89/365日目 | 『海底の砦』
砦を築くには手脚が必要だった. たとえ一生深海の星を見れなくなるのだとしても、私は灯火の瞬きをあの大きな渦から護りたかった. 後悔なんてない、陸の夜空は故郷に似てこんなにも美しいのだと知ったから.

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90/365日目 | 『月に腰掛けて』
「月がこんなに小さかったなんて!」しかし隠れてペロリと味見をした毛玉たちは、これが月ではなくお砂糖の塊だということを知っていました。「「秘密にしておかなきゃ…!」」