設立許可申請書・設立趣意書
財団法人山口村徳風會 設立趣意書
戦後復興の一翼として林野の緑化が叫ばれ治山治水を根幹とする林野復興の所策が遂行されんとしていることは洵に喜ばしい事であり森林所有者は将にこの政策に即応して実行に遺憾ない態勢を樹立すべき秋であると思ふ。
扨本村山口農事実行組合、山口村下山口農事実行組合・山口村上山口農事実行組合・山口村下山口・上山口・名来・中野農事実行組合、山口村名来農事実行組合、山口村船坂農事実行組合の六組合は昭和二十三年八月十四日農業協同組合法の実施に伴ひ廃止せらるゝことゝなり各組合が組合自身の為に或は其の所属せる組合員の為に所有し且つ利益を享受し来った林野其の他の土地は新たなる所有の主体を必要とする情勢に立至ったのである。然るに此の儘にするに於ては林野の分散・細分化は必至であり斯くては過去二十五年間に亘り村有林とし或は農事実行組合林として公共的に或は所属組合員の福祉の為に経営し来った歴史と其の間営々として整備した林野を破壊するのみでなく林野経営の本質に反するものであると信じ茲に財団法人山口村徳風會を設立し前記各組合の所有せる林野其の他の土地を継承し林野の合理的経営を図り森林資源の増強と国土保安を期し以て国民経済に将又公共保安に寄与し度いと存じます。
昭和二十五年一月五日
兵庫県有馬郡山口村下山口一〇五〇
設立者 西垣内 喜一 印
財団法人山口町徳風会 設立趣意書
(前略)
従って西宮市に対する地元負担金の関係と同時に、山口町民のために何等かの資金源を保有することが望まれて居た処、たまたま当山口町の旧村有林を以てその財源に充当するのが最も妥当であるとの結論に達し、元来財産区と成るべきであった共有林を県当局の指導により現形態の山口生産森林組合を設置しその任に当っているのでありますが、本来生産森林組合は森林法による組合であり組合員の相互扶助を目的とした団体なるが故に山口町全体の公益の事業を目的とする事業活動とは相容れぬ性格の団体であります。此の性格の相違により組合運営上不都合を生ずる事態が間々起きるので、今回原目的たる山口地区の公益、福祉の目的のみに活動する団体として、民法第三十四条に基く公益法人山口町徳風会の設立を行い、山口生産森林組合の所有する林野土地を継承し、名実共に本来の姿に帰り、此の目的達成に協力し、地方自治団体に協力の上、益々町民の福祉向上の円滑なる進展に寄与せんことを期するものであります。
昭和三十四年十一月十六日
設立発起人代表 下野 伝蔵
『山口町史 資料編』