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帯分数

2019.03.18 16:08

そして生温いコーラを飲み干した。

気怠い甘さが口の中に残る。

昨日の花火はベランダに転がったまま。

風に揺れるカーテンは日差しを浴びて淡く透けた。

全部お見通しだったんだ。

そして僕はというと、鏡の中の男にこう言う。

お前は誰だ。

あの夏の午後。

錆び付いた鉄棒にぶら下がった。

逆上がり、また僕が飜る。

また違う顔を見せる。

時間をかけて作り上げる。

壊れないように作り上げる。

本当の僕を君にあげる。

思い上がる僕に君はこう呟く

お前は誰だ。

地図を広げよう。

迷わないように。

僕はここだよ。

わかってるよ。

手持ち花火が木霊する。

迷わないように。

地図を広げよう。