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Baby教室シオ

提案『花火の物理1 光と音』

2026.08.17 00:00

今朝も山形での花火落下事故により負傷者が出たようですが、8月10日にも静岡県伊東市で打ち上げられた花火の一部が観客席に落下した事故がありました。連続して事故が起きると「花火そのもの」にも課題があるのかと考えてしまいます。ここ数年、開催を支える費用・人員・安全対策・天候の問題が大きく関係して花火大会の中止になっているので、さらに花火大会に影響が出てしまうのではないかと危惧してしまいます。人命に及ぼすことがあるので今回の事故は原因究明を明らかにした上で、事故抑止を追求し安心安全の花火大会が開催されることを心から望みます。なぜなら日本では夏祭り、浴衣、屋台、夕涼み、そして花火が一つの文化として結びついてきました。その花火大会がなくなると、昔から続いてきた夏の体験が少しずつ失われていくかもしれません。また子供たちが夜空に大きく浮かぶ上がる花火を通して学ぶ理科的内容は多くあり、子供自身が花火の打ち上げを自身の目で見て、耳で音を聞いて経験値を上げて欲しいのです。

先々週より続く提案『花火の仕組みを学びに』(記事はこちら)、提案『花火の化学』(記事はこちら)に続き、今回は『花火の物理1 光と音』について記事化しました。

私が学生の頃は『物理』と言えば何やら難しくて点数が取れそうにないと感じたものですが、自身の子育てに学びを取り入れてみると、意外にも面白いことに気づいたのです。物理学を子供が理解しやすいように簡単に伝えるとするならば、『ふしぎを見つけて、どうしてそうなるのかを考えることなんだよ』と説明すると伝わりやすくなります。このような思考を指針にして経験を積めば、後々学んでいくうちに「自然界で起こる現象が、どのような法則で起こっているのか」を調べる学問が物理学だということは理解できるようになるでしょう。

また親の目線で花火の物理学とはどのようなことなのかを考えてみることもお勧めします。ちなみに親の目線で考える花火の物理学は、化学反応によって生じたエネルギーが、光・熱・音・運動へ変換される現象として捉えることができ、 打ち上げる運動は力学、花火が開く ことは爆発と運動量、色が出るのは原子の電子と光、 花火の「音」は圧力波、「ヒュー」という音は共鳴・空気の振動、花火の形は初速度と時間などと細かく分けることができます。このように書いてしまうと難しいとお感じになるかもしれませんが、これらのことを子供の学びの中にどのように取り入れることができるのかを、今回は子育てに取り入れるための光と音で考えてみることにします。

幼児には難しい「物理」の言葉を使うより、「見える」「聞こえる」「動く」という体験から花火の光と音について伝えるようにします。子供の中には花火の光、音を雷の現象と同じように捉えていることもありますが、それらを結びつけて考える子供は少ないものです。花火は年に1、2回見聞きする程度ですが、雷は花火よりも比較的見聞きするチャンスは多いと言えるのではないでしょうか。よって花火について学ぶ以前に雷の光と音について関心を持たせておくことをお勧めします。ただ雷の音に敏感に反応する場合には、音よりも先に伝わる光の存在に気付くことに意識を向けにくい場合もあります。その場合には実際に経験させるよりも絵本や図鑑などの利用をお勧めします。



1、雷の現象を理解する

まずは花火を理解する前に雷の現象で光と音を理解できるようにします。親はどうしても「光は速く、音はゆっくり」と伝えようとすることがありますが、それは正確な表現ではありません。「光はビューン!とやってきて、 音はブルブルしながらやってくる」という身体感覚に働きかける言葉から光と音をイメージできるようにします。また光は見えるものとして先に目に届き、音は光の後で聞こえる音と振動として体験させると分かりやすくなります。

私が子供に常日頃から言葉にしていたのは、「雷がピカッと光ったあとに、ゴロゴロって音が聞こえるよね?」と体験を連想させる言葉かけを行なっていました。そして、「ピカッは、ビューンと走ってくる光で、ゴロゴロは、空気をブルブルさせながらやってくる音なんだよ。だから、光は先に目に届いて、あとから雷の音が耳に届くんだよ。」と伝えました。この理解のポイントは、「光が音より速い」ではなく、「同じ場所で起きても、光のほうがずっと速く届く」とイメージさせることです。



2、雷遊びから花火へ

我が家では雷遊びというものが一時期はやったことがあります。最初は今にも降り出しそうな曇天を見ながら、いつかいつかと雷が光るのを心待ちにし、誰かが「ピカッー!」と言えば、一拍置いてまた誰かが「ゴロゴロゴロ!」と声にする。そんな遊びがかなり長く数年続きました。そうこうしている間に私が「ママの雷がもうすぐ落ちますよ。後片付けしてください。」という夕方のいつもの声かけに反応して、私の目尻が釣り上がりそうになると「ピカッー!、ゴロゴロゴロ!、雷親分の登場だ!!」と囃し立てられたこともありました。この雷遊びの下地があれば花火への移行がすんなりと進められます。

もし雷の光と音との関係が体験できていない場合には、このような遊びを行うと理解しやすくなります。先ず「ピカッ!」と言いながら少し間を開けて「ゴロゴロゴロ!」と言う行動から始めてもいいかと思います。このような遊びをし、光と音の関係性が理解できるようになれば「遠くで花火を見ると、先にピカっと光って、後から音がドーン!パチパチ!」と体験を通して捉えることができるようになります。



3、実際の花火の光と音

子供が何かを学ぶときに大切にしなければならないことは、正しい答えを教えることよりも「どうしてだと思う?」、「やってみよう・見てみよう」、「そうだったんだ!」という順で学びを捉えることが重要です。ただ子供の学びのタイミングで実際に花火を打ち上げることは難しいので、雷で下準備をして学びの基礎を築いておきます。その基礎力を使って実際に花火を見た時に、「あっ、ピカッと光ったね!」「ドーン!パチパチパチ!って聞こえたね」「光と音どっちが先だったかな?」と問いかけながら検証をしていきます。そして、「光はピカッとしてビューン!って速く来るけど、音は光の後にゴロゴロと空気をブルブルさせながらやってくるんだよ。だから、遠くの花火は『ピカッ』の後に『ドーン』って聞こえるんだよ。」と伝え、「同じ場所で花火が上がっても、光と音には届く速さの違いがある」という物理現象を見ながら理解できるように促してください。特に幼児には「光は音より速い」という知識を覚えさせるのではなく、「ピカッが先、ドーンが後」という経験を何度も味わせるのが効果的です。


花火の記事については来年度の夏に花火記事として新たな記事を発信します。