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この道往けば act2

浦見川の幻の道

2017.07.10 07:05

浦見川(うらみがわ)

そう呼ばれる川があります。

三方五湖の久々子湖(くぐしこ)と水月湖(すいげつこ)を結ぶ細い川。

湖同士を結ぶ細い水路ということもあり、三方五湖遊覧船でも人気のスポットです。

しかしそこには、とある秘密があるのです。


今回はパイロットレポ。

導入だけです。

しかし、近いうちに必ず・・・

レポスタート!

夕暮れ迫るまち

この時間帯はわけも分からず心が急きます。

特に探索の最中などはタイムリミットが視覚的に感じられ、嫌な汗をかく時間帯です。

この日もそんな気持ちでした。


ここは若狭梅街道(わかさうめかいどう)。

広域農道です。

先ほどの交差点を左折すると県道を走ることとなります。

福井県道244号三方五湖公園線

(みかたごここうえんせん)

国道27号三方五湖レインボーラインを結ぶ県道です。

終点が有料道路って県道って結構珍しい?

そしてこの右の橋・・・。

気にはなるけど、今日はスルーだ!

・・・気になるわ!!

しかしたぶん歩道橋だよね。

それでも十分気になるけどさ。

周りの風景と合ってるようで合ってないからな・・・

そしてこの県道名でもある湖が近づいてきました。

三方五湖のひとつ。

久々子湖

五湖の中でも最北端に位置する湖。

汽水湖です。

そしていよいよ、本題である浦見川に近づいてきましたが、そのまま直進するわけには行きません。

僕の用は旧道にあるのです!

いかにもな旧道!
沓見狭区
を思い出します。

こう来なくちゃね!

まぁそれほど長くはない旧道。

すぐに目的の場所が現れます。

もう見えてますね。

架かっている橋は普通。

そしてその奥にあるのは現県道の浦見橋です。

浦見川が注ぐ久々子湖、ここだけ見るとそれほど違和感は感じません。

よくみる湖の河口の光景です。

しかし反対側はそうではありません。

気味が悪いほど真っ直ぐ山へ向かう川

粟野水力発電所遺構群でも感じた違和感。

つまり人工の水路であるという疑惑です。

水月湖まで400m。

400mの直線の川。

これはやはりそういうことなんでしょう。


三方五湖には嵯峨隧道という水路隧道もあり、利水には力を入れています。

そこで調べてみると、やはりその疑惑は現実のものとなりました。

1662年、寛文近江若狭地震が発生し、久々子湖と菅湖を結んでいた気山川(きやまがわ)という河川が地盤隆起により消失しました。

そのため上流域にあたる水月湖、菅湖、三方湖は水が溢れ、水害に悩まされることとなります。

そこで代替機能を持つ運河を掘削することとなり、目をつけられたのが、日吉山(ひよしやま)と虹岳島(こだけ)に挟まれた峠道。

浦見坂(うらみさか)

そう呼ばれる峠道を開削することで水路とし、菅湖ではなく水月湖から直接水を排出する方法をとることとなりました。

行方久兵衛の指揮の元、2年間の開削で浦見川が完成。

峠道は幻のものとなりました。

この辺りの集落も、かつては峠道の麓だった可能性もあるのです。

苧集落

難読地名ですが、「お」という地名です。

住所的には福井県三方上中郡若狭町気山(苧)となるようですね。

都会ではこのカッコつき住所あまり見られませんが、田舎では案外残ってます。

うちの住所もカッコつきです。

地図によってはここも県道としての指定が解除されていません。

ここだけなら文句なしの軒先県道ですが、言うても旧道ですからね。

短い旧道はすぐに現道に吸収されます。

この県道自体、短い部類に入るものですし。

こう見ると確かに峠

しかしそこは人の往来は極めて少なく、水を湛えています。

そこが盲点。

人工の水路なら当然あるはずなのです。

保守道が。


ここは近く必ずレポします。

乞うご期待!


以上、浦見川の幻の道編