伊勢峠 ダムに始まりダムに終わる編
まるで起点付近に戻ってきたような錯覚に陥ります。
しかしもちろん別の湖。
九頭竜湖に帰ってきたわけではありません。
笹生川貯水池(さそうがわちょすいち)
こちらからの見た目はやはり、九頭竜湖にそっくりです。
まぁ一尾根越えただけの同じ山地ですからね。
起点以来久しぶりのガードレール!
新しそうですが、ここになかったら相当怖い。
しかし数年前と追ったときここは、剥き出しのお空が広がっていたような・・・。
少しずつ改良は進んでるんですかね。
過去に幾度も豪雨災害に悩まされています。
特に昭和40年に発生した奥越豪雨(おくえつごうう)では、上流での大洪水の発生により堤体全体から越水し、ダム本体が決壊の危機に見舞われるという事態に陥りました。
これにより下流にあった大野郡西谷村(おおのぐんにしたにむら)は家屋の9割が流失するという、正に壊滅的な打撃を受けます。
これにより福井県は真名川ダムの建設を決定。
非水没集落も含めた集団移転となりました。
笹生川ダム(さそうがわダム)
この被害により、真名川ダムを増設するとともに、ダム本体には洪水吐トンネルを増設しました。これにより奥越豪雨級の災害にも耐えられるように対処を施しました。
そしてその時は39年後、平成16年7月にやってきました。
福井豪雨(ふくいごうう)
平成16年7月九頭竜川上流の足羽郡美山町(あすわぐんみやまちょう)および奥越地方、岐阜県西部で集中豪雨が発生し、下流域に当たる福井市に大きな被害をもたらしました。
ここで被害を出した河川は足羽川(あすわがわ)でした。
足羽川は今立郡池田町を源流とし、美山町、福井市と流れていきます。
それに対し、同じ九頭竜川水系の真名川ではほとんど被害は出ませんでした。
これは真名川を形成する笹生川の笹生川ダム、雲川の雲川ダム、そして真名川本流の真名川ダムの3ダムが有効に機能したからに他なりません。
一時は無駄とされながらもその効果を見せ付けたダム。
ダムによって離村する悲哀、ダムによって救われる街。
その両方に物語があるからこそ、ダムに賛否を言うことはできません。
しかし個人的にはこの福井豪雨と真名川ダムの逸話、大好きです。
谷積みの苔むした石垣はやはり雰囲気いいですね。
ダム湖の姿から本来の姿に戻った笹生川の脇を県道は駆け抜けていきます。
相変わらずのガードロープですが、道幅があるためそれほど気にはなりません。
駒止めが見たことない形に!!
なんだこれ?
新しそうだけど新設したのか?
駒止めを新設することもあるんだなぁ・・・。
片側1車線!!
こんな姿が見られるとは!
たとえほんの一瞬でも(笑)
ほんと一瞬でしたが、いい夢見れたぜ・・・。
正に秘境へと向かう道。
ここも気になる道の一つです。
その思いが詰まっているかのように、このあたりは本当にいたるところに土砂災害を防ぐための策が施されています。
過ちは未来を良くする為にあるのです。
道の周囲に余裕があり、押し迫った感がなくなってきました。
逆にこの広さでセンターラインがないのも不思議な感じが・・・。
道幅自体は余裕で片側1車線とれます。
なんか理由があるのかな・・・?
ちなみに振り返って撮影しています。
道の両側のスペースはやはり廃村のあとでしょうか。
中島集落としては、この辺りはまだまだ郊外に当たります。
冬季通行止めはこのあたりで行なわれるようですね。
怪しい道発見・・・
この道には思い当たる節がありまして。
まぁ後ほど分かるでしょう。
笹川橋(ささかわはし)
河川名は笹生川ですが、なぜか笹川。
この下には笹生川ダムと雲川ダムによる水力発電所である、中島発電所があります。
中島の名を残す数少ない現役施設です。
現在は麻那姫湖青少年旅行村(まなひめこせいしょうねんりょこうむら)というキャンプ場や野外体験施設が楽しめる施設が作られています。
しかしそこには隠れながらも中島集落の面影が残っていると聞きます。
じっくり探索してみたいもんですね。
国道157号に到達!
国道158号と国道157号を山間で結ぶというだいぶ気合入ったルーティング。
国道158号の油坂峠と国道157号の温見峠の両方を一日で味わうためには、必要不可欠な道とも言えますね。
そうすると伊勢峠も漏れなくついてきます。