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この道往けば act2

伊勢峠 白く煙る靄の先へ編

2016.12.12 08:23

おそらくここで最後なのではなかろうか?

福井県道にある峠で、一般的に名前が残っていて、なおかつ車両での通行が可能な峠。

その中で僕がレポしていなかった最後の峠。


県内としては最奥にして、長く、正に秘境にあるこの峠。

その名は・・・、

伊勢峠(いせとうげ)

百聞は一見に如かず

レポスタート

あれが峠へのスタート地点。

霧立ち上る水面は九頭竜湖(くずりゅうこ)。

九頭竜ダムが留めた水を一足飛びで渡る橋です。

現在地は福井県大野市(おおのし)。

今回使う県道は起終点を大野市内に持つ、純大野市県道です。

しかし大野市は福井県全体の面積の1/5を占める県下最大面積の自治体。

その距離は馬鹿に出来ません。

ここが県道と国道の分かれ目。

ここまで来た道は油坂峠有する国道158号

全国レベルの有名峠(マニア限定)を尻目に、わき道にそれていきます。

遮断機のような大きなゲート。

この県道もしょっちゅう通行止めになります。

その名残でしょうか。

そして現れるこの県道のシンボル

箱ヶ瀬橋(はこがせばし)

見ての通りの吊橋。

かの瀬戸大橋のプロトタイプとして架設された橋としても知られています。

1967年竣工、実は来年で架設から半世紀が経過する老兵でもあります。

渡るのはもちろん、福井県が全国に誇るダム湖。

九頭竜湖

九頭竜ダムによって形成された巨大ダム湖です。

こちらも50年の歴史があるダムです。

一番上の写真を撮ったのはあちらのアーチ橋から。

子馬巣谷橋(しばすたにばし)

変わった名前はかかる谷の名前の由来でしょう。

いやその谷の名前の由来も気になりますが。

形式はランガー橋ですね。

振り返って上流側。

ダム湖全体から見ればかなり蒸留側に架かっている橋ではありますが、まだまだバックウォーターは見えず、ダム湖健在です。

この下にもいろいろあるはずなんですが、見られる機会はほとんどないんでしょうね。

そして架設から50年が経つこの橋。

県道ですから、当然改修の手が入ります。

橋長266mの吊橋は十分巨大です。

それを支えるケーブル、しっかり補修していただきたい。

そう、この道は県道なんですよ。

橋の上でのすれ違いが厳しかろうと、これから向かう先がどれだけ過酷だろうと、その事実は変わりません。

福井県道230号大谷秋生大野線

(おおたにあきうおおのせん)

こいつの凄さは地図を見たら分かります。

荒島岳(あらしまだけ・1523m・日本百名山)と能郷白山(のごうはくさん・1617m)の間。

両白山地真っ只中の山の中、他に一切の道がない中、山中をぶち抜く県道。

恐らく日本でも有数の秘境地帯。

飛騨の山猿くらいいてもおかしくない地域です。

そこにこれから挑みます!

ここからはダムサイドロード。

同好の士にはワクワクを、一般人には底知れぬ不安を与えるラストゲートを通過します。

九十九廻坂から引き続き、雨がやばい。

ダムサイドには最も向かない天気ですが、なかなかここまでこれる機会もないので行かないわけにはいかない。

増水はやめてくれ!

センターラインこそありませんが、普通車同士が離合するには十分な道幅がある県道230号。

このレベルが続くのなら、それ程恐れるものではありません。

靄立ち込める中、再び橋が現れました。

こちらもランガー橋ですね。


面谷橋(おもだにはし)

実はこの橋がかかる面谷川(おもだにがわ)には近年まで肴がまったく済みつかなかったという言い伝えがあります。

その理由は上流の銅鉱山。

日本有数の規模だったといわれる面谷鉱山跡は橋の上流側からの林道で今でも向かうことが出来ます。

まぁ今日は行きませんが。

いかにも歴史を感じさせる駒止め。

この道には良く似合います。

確かに非常に山奥ですが、鉱山跡があったり、木地師の伝説があったり、まだ人の気配はかんじますね。

じわじわ怪しくなってきた・・・。

道幅も路肩もいまいち信用できないレベルになってきました。

デリニエーターもお亡くなりに・・・。

雨が続いていたこの時期。

喫水域は高く、湖面が近く見えます。

これは圧迫感あるな・・・。

路面に水が流れてる・・・。

これはなかなか怖いな。

今いる場所を考えると余計怖さを感じます。

そしていきなり第1幕のクライマックス!