深坂峠 登坂開始編
2016.06.27 00:30
きっかけは一つの木橋でした。
登山道などでは珍しくもない木橋。
ここでもさほど気に留めていませんでした。
やはりここには石畳があったか・・・。
中央部しか残っていませんが、これは明らかに人工的に並べられた石畳。
かつての官道の規模はさすがですね。
急に道が荒れだした!!
これは雨が降ったときに道が川になって路面がえぐれてしまう「洗掘」という現象。
古い街道ではよく起こることで、最終的にはほぼⅤ字になることもあります。
そしてここで沢も暴れだします。
右へ左へ蛇行するので道もそのたびに橋で渡っていかなければなりません。
このアクティビティ、おもしろい!
まだまだ若いな僕も。
穏やかな風景も悪くないですが、動きがあるとやはり面白いです。
枯れた沢に架かる木橋。
もちろん現役ですが、先ほどの石畳の道からのふり幅を見ると道の「衰え」を感じます。
満身創痍の中、過去の栄光にしがみつく老兵。
そんな姿にも見えてきます。
かつては紫式部が越えたことでも知られる深坂峠。
この辺りの風景はそれほど変わっていないのでしょうか。
道自体は非常によく残っていますし、最低限の整備はされています。
道をロストする心配はありません。
つまりこの道は現役であるといえます。
しかしかつての官道としてではなく、遊歩道として。
歴史の道として今もなお行き続けていく道。
これはある意味、殿堂入りした道だからこそ出来る生き残り方なんでしょう。
しょうもない道なら残されたりはしません。
そんな道はやはり少ない。
貴重な道といえますね。
素晴らしい街道の風景
かつての難所として知られ、狼や山賊に襲われる場所であった峠。
しかし今や、狼も山賊もいません。
そこにはただ美しい道があるだけです。
少しずつ尾根が見えてきました。
あの鞍部が深坂峠で間違いないでしょう。
まだ少々遠いですね・・・。
相変わらず沢と仲良しのまま、踏み跡の残る道を登ります。
しかし狼はいなくてもイノシシやら熊やらはいますからね。
熊鈴は必須ですよ!
ここにきて少しずつ勾配が急になり、じわじわ標高が上がってきました。
路肩に近づくとちょっと怖い。
そんな高さです。
???
これは・・・旧道か?
左に明らかに不鮮明な道が伸びています。
沢のような自然地形にも見えませんが・・・。
まぁ遊歩道として現役なので、この程度の改良はあるのかもしれません。
効果のほどはよくわかりませんが。
切り通しをちょっとだけショートカットする謎の道。
まあたぶん旧道でいいんでしょうね。
これだけ古い道の小規模旧道って案外見つからないんで、ちょっと疑心暗鬼です。
そしてこっからの切り通しはなかなか凄かった
そしてこっからの切り通しはなかなか凄かった
洗掘と切り通しのダブルパンチ!!
もともと切通しがあって、そこを人が通ることでさらに深くなり、さらに雨水が流れることでどんどん深くなっていったということでしょう。