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この道往けば act2

石川遠征第8弾 こおろぎ橋

2016.06.14 09:37

大正ロマン溢れる戦前橋の長男 黒谷橋
唯我独尊 我が道を行く次男 あやとりはし


そして今回ご紹介するのは山中温泉郷素敵橋三兄弟の三男。

そして鶴仙渓の中でも最も上流に位置している橋。


正直言おう。

こいつは見ておいて損はない。

レポスタート!

石川県道39号山中伊切線(たまなかいぎりせん・レポ未)をひた走り、温泉郷の北端近くにその橋への入り口はあります。

非常に目立つ看板が立っているので注意していれば見落とすことはないでしょう。


こおろぎ橋

それが今回のレポの目的。

山中温泉名物とまで書かれる代物です。

一番下、最上流側がこおろぎ橋。

大体等間隔で並んでいるのでわかりやすいですね。

しっぶい!!

これは渋い道。

いかにも古くからある道の景色です。

これも石川県道39号の旧道、つまり那谷道(なたみち)の一部だったのでしょう。

非常にいい雰囲気です。

石碑ですが・・・。

読めん・・・。

変体仮名ですが、歌碑かと思われます。

道しるべじゃないと判断したんですが、いかがでしょう?


そしてこの石碑を過ぎればすぐに現れます。

ご覧あれ!!

こおろぎ橋

蟋蟀橋

どちらの表記が正しいかはわからないのですが、なんにせよ突っ込みどころはそこではありません。

一言言わせてもらいたい。

平成2年竣工で・・・、しかも車道で・・・、

木橋とか最高やん!!

全部木ですよ。

確かに観光用でしょうよ。

しかし確かに残るダブルトラック。

車が通った証。


下流側に強いてある筵は歩行者の転倒防止でしょう。

雨や雪の際は確かによく滑りそうです。

振り返ればこの状態。

つうかあの旅館から酒飲みながらこの橋を眺めていたい。

金も時間もないなぁ・・・。

車両通行止めとはここまで一切示されていないので、一般車両もこの橋を渡れるということになります。

まぁ観光客で溢れてるであろう昼間は自重すべきでしょうが。

ちなみにこれは朝6時の探索です・・・。

あやとりはしと同じくこちらにも石碑がありました。

さすが山中温泉の名所、アピールもばっちりです。

そしてこの橋を楽しむには・・・、

やっぱり下からでしょう!!

橋脚はなく、橋台は石垣です。

ここまで見事に木製にこだわっているのはすばらしいですね。

だいぶ降りてきましたが今度は木が邪魔して見えない・・・。

ベストスポットを探さねば・・・。

分類するならこの橋は方丈橋。

一見アーチにも見えますが、たぶん目の錯覚です(笑。


方丈橋は頬杖橋(ほおじょうきょう)とも書き、どちらでも意味は伝わります。

要するに頬杖で頭を支えているのと力学的な構造は同じ。

現代の橋の構造で言うならラーメン橋の一部と言い換えることもできるかもしれません。

江戸時代からの作りをほとんど変えていないのがこのこおろぎ橋のすごいところ。

ということはこの石垣の橋台も江戸時代からのものの可能性が高い。

5本の梁を絶妙な形で組んだ形作られたこの橋。

組み木細工のようですね。

トラス構造も使われていてブレースドリブアーチのような雰囲気もありますが、やはりこの規模の木橋を下から見上げる機会なんて初めてなので、正直よくわかりません(汗。

とりあえず一ついえるのはものすごい重厚感と緻密さを感じます。

きっと一つの狂いが命取りになるような、そんな緻密な作業だったことでしょう。

そしてアーチに見えるといいましたが、やはり頬杖部にはアーチにしようという意思が見られました。

ということはやっぱり拱橋なのか?

でもこれ力学的にアーチとは・・・。

謎が残りますね・・・。

鶴仙渓に架かる三兄弟。

皆さんはどいつがお好みですか?


ちなみに僕は三男(蟋蟀橋)が一押し、次男はちょっとチャラい感じがしますし、長男は真面目すぎかな。

そんな品定めをしながら眺めてみると面白いかもしれません。


以上、こおろぎ橋編