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この道往けば act2

黒河林道の謎の穴 前編

2015.08.20 06:58

黒河林道(くろこりんどう)

黒河峠編で初出、謎の橋で再登場している、我が地元敦賀市を代表する林道です。

敦賀市から滋賀県に直接抜けられる4本の道のうち、一番西に存在している道。

そして今回一番言いたいこと。


黒河の謎は深い

黒河林道には前身があります。

このレポを公開するにあたって方々に手を伸ばし調べたのに霞を掴むような存在です。


黒河森林軌道(くろこしんりんきどう)

総延長7939m、途中に黒河駅と瀧谷駅を持つ最狭軌の林業専用鉄道です。

鉄道とは言っても皆さんが想像するようなSLが走っていたわけではないようで、人力もしくは馬力でトロ車を引っ張って登っていたようです。


1920年に大阪大林区署敦賀小林区署の管轄で新設され、昭和4年には最盛期を迎え総延長7939mまで延伸されました。

しかし翌年からは下り坂に転じ、徐々に部分廃止されながら、晩年は全廃時期すら定かではないありさまとなっていました。

恐らくは1940年頃と予想されます。


20年の営業期間を終えた後、軌道跡は黒河林道として再利用され、滋賀県のマキノ林道との邂逅を果たします。

しかし晩年の記述が少なく、もしかしたらSLが走った可能性も・・・、無いか・・・。


ここまで書くと、なんだほぼわかってんじゃないかと言われるかもしれません。

しかし細かなルートや起点駅の位置、終点の位置などの情報はほぼ皆無。

やはり個人的にはこれぞ森林軌道という写真が撮りたいわけで、それが地元ならなおさらです。


今回、見つけたのはそんな森林軌道探索の最中に見つけたもの。

何かないかと周囲を見回しながら走っていたから見つけられたのです。

黒河森林軌道の探索の足掛かりになるか!?

レポスタート!

ここは黒河林道です。

はい。

間違いなく黒河林道です。

自己紹介ありがとう。


ここは謎の橋より少し上流に走った地点。

より山深さが増し、人の気配を感じなくなってきました。

位置的にはこんな感じ。

これでも黒河渓谷としてはまだまだ下流に位置する場所です。


そこで発見したもの。

それは僕を大喜びさせるに足るものでした。

写真はいったん謎の穴を素通りして振り返った敦賀方面。

この道を走っている最中に僕はこれを見つけたので急停車した次第です。

黒河林道には当然いくつかの橋があります。

ここもその中の一つ。

川を遡る林道の橋には、「本流を渡る橋」と「本流に注ぐ支流に架かる橋」があります。

ここは支流に架かる橋ですが、その中でも最初に出てくる橋。

だからこそいつもより注目してみていたのです。

支流の上流側ですが・・・。

なんか支流っていうか・・・。

水路っぽい・・・?

しかしこの激藪では上流側の探索は難しいと判断。

時期を改めることとしました。

この時点で僕にはここがなんであるかの予想はついていました。

しかし確信が持てる遺構とはまだ巡り会っていません。

石垣の擁壁で四角形に囲われた凹みは水こそ流れてはいないものの、明らかに人工に作られた水路です。

この上流には何があるのか。

しかし今日は下流に目を向けていきましょう。

!!!

林道からはやや死角になる位置にかなり規模の大きな人工物を発見!!

構造から水路からの流れであることは間違いなさそうです。

すぐさま接近!!

やっばいなこれ・・・

水路は1本ではなかったようです。

分岐しながら終息するこの構造、僕には一つだけ思い当たるものがありました。

敦賀電燈粟野発電所

(つるがでんとうあわのはつでんしょ)

1910年操業開始の250kwを発電していた小さな水路式発電所がこの遺構の正体。

しかし美しい廃れ方をしています。

ここは与水吐きのような機構でしょうか。

取水しすぎた水を黒河川に戻す構造のようです。

与水吐きから振り返った林道の橋。

ちょうど橋の上からしかこの辺りは見通せません。

気を付けてないと素通りです。


・・・もう気づいてましたよね。

多分最初の遠景を写した写真で気になったはずです。

もう勿体ぶる必要もないでしょう。

振り返って見る??

2連アーチ!!!

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