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この道往けば act2

大味潮騒トンネル旧道 後編

2015.03.18 05:56

最後の最後にもう一山あったのか・・・。

この写真では若干わかりにくいのですが、これ、実は崩落などではないのです。

現道トンネルが旧道を削り取ったパターン

これはこれ以上辿っても無意味でしょう。

反対側にはいったん現道に降りて向かうとしましょう。

しかし下りるだけったって一筋縄ではいかない!

ここは坂じゃない。

濡れた土山は滑りやすく、細心の注意を払います。

あなたならこの崖をどう降りるでしょうか?

僕はここに一つのルートを見出しました。

まずはA地点の草の張り出しまで降下します。

その後B地点コンクリ擁壁上まで移動します。


ここまでは問題なさそうですが、B地点から下はここから確認できないので行ってみないとわからない怖い状況。

Cまで行ければ後は消化試合です。

B→C間の勝負!

A地点まで降下完了!

ここまでは余裕があります。

問題は上ではなく下だ!

び…微妙に高いな・・・

B地点までやってきました。

いやしかし着地点さえ間違えなければ、飛び降りられるレベル。

ビビってる場合じゃない。

下りれるところまで下りてあとはジャンプだ!

3,2,1・・・

ほっ!


どさっ!!

ケツがぁっ!!!

ケツをさすりながら坑門前まで出てきました。

一見旧道のようにも見えますが、手前の手すりが示す通り、この道はただの海岸線の遊歩道です。

そして肝心の反対側の旧道は・・・。

分かりやすい平場あるな・・・。

これは焦らずとも行けそうだ。

いったんしゃりおくんを回収して、反対の端点から辿るとしましょう。

411mという短くも長くもない普通のトンネルを通過してます。

でもこんな趣味してないと福井に住んでてトンネルを歩いて通過するなんて経験、あんまりしないのかも。

そんなことを考えながらしゃりおくんに戻りました。

トンネルを抜けた先(つまり敦賀側)には「千秋玄伯之碑」なるものがありました。

この千秋玄伯さんをググってみましたが、ヒットしませんでした。

時代的に考えて道関係ではなさそうですね。

ワープ!!!

再びしゃりおくんで現道トンネルを通過し三国側に戻ってきました。

漁火街道の看板が未だに「こしの」になってますね。

現役国道でこのパターンは最近めっきり減りました。

そして看板の奥にわかりやすい山沿いの道がありました。

既に全貌は見えていますが、ちゃんと最後まで歩いてやりましょう。

山側はなかなかヤバそう・・・。

そこそこの大きさの落石が散在しています。

当たると病院は確定だな・・・。

しかし不思議なほど道の状態を留めている三国側旧道。

敦賀側もマシだったとはいえ、確実に自然に還ろうとしていました。

こちら側には明らかに人の手が入っています。

しかし何のために・・・?

考えられるのは旧道と現道の間にある不思議な空き地。

ここに店舗か何かを誘致した際に、そのアクセス路とするために旧道を生かしてあるという仮説です。

というかぶっちゃけこんなぐらいしか思い浮かばないんだけど・・・。

ただやはり現役の道ではないようで・・・

ためしに伸ばそうとしてみましたが、ピクリともしませんでした。

こいつの身に何があったんや・・・。

終盤はやはりボロが出ています。

廃道に片足突っ込んでますね・・・。

海と山の境を隔てる大味潮騒トンネルのポータル。

旧道のぶつ切り感が際立ちますね。

最終盤が最も荒れていました。

ある意味旧道のセオリー通りです。

それでもアスファルトが見えているので、まだマシですが・・・。

最端部まできました。

ある意味この角度でトンネルを見るのはレアかもしれませんね。

地図で見る限り、水坂トンネルのようにトンネル上を旧道が通っているのかと思いましたが、完全に寸断しています。

旧道最大の崩落個所。

これは敦賀側も含めて最大です。

こういう部分が散発するようだと、旧道は完全に廃道と化すことでしょう。

意外と一瞬の出来事かもしれません。

旧道から現道に戻ってくる際、行きには気づかなかったものを見つけました。

旧道化の際に築かれたフェンスの奥にあるもの・・・。

馬頭観音碑

この辺りではあまり見られない馬頭観音碑ですが、全国的に見れば古道に祀られていることの多い石碑です。

馬頭観音はその名の通り、馬の守護神。

古来の移動が馬であったことを考えれば、道祖神的な扱いを受けてしかるべき仏です。

福井ではある意味レアなものがここにあったとは。


何はともあれ、越前海岸北部の旧道の一角をこれで探索完了しました。

ここより北にもいろいろ面白いところもあるので、今後探索していきたいエリアですね。


以上、大味潮騒トンネル旧道編