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フィル・ハンディ、BLACK SAMURAI KOBE CAMPで語った哲学

2026.08.04 11:54

「正しいエネルギー」——フィル・ハンディが語った指導哲学と、亡き兄への想い

2026年8月4日、神戸・GLION ARENA KOBEで開催された次世代育成プログラム「BLACK SAMURAI KOBE CAMP」。メインコーチを務めるフィル・ハンディが技術指導の哲学から、コーチとしての原点となった家族の話まで、幅広い内容を語った。


中高生のレベルに驚いた

まず話題に上ったのは、参加した中高生のレベルだ。素直に驚かされたという。話を聞く姿勢、ミスを恐れず取り組む前向きさを挙げ、女子から男子、経験者から新しい顔ぶれまで、全体の質の高さを評価した。海外の子供たちとの違いについては、「違いはない」と語った。コートに立てば言語も文化も関係なく、そこには一つの共通言語しかないという考え方だ。その上で、日本の礼儀正しさや謙虚さは美点としながらも、コート上ではその丁寧さがアグレッシブさを削いでしまう場面があるとも指摘し、ミスを恐れず挑み続ける姿勢を促したいと語った。


基礎への信頼

指導の根底にあるのは、徹底した基礎への信頼だ。八村塁との普段のワークアウトも、傍目には地味に映るほど基礎に忠実だという。派手さより、一つひとつの反復に意図があるかどうか、実戦で使える動きかどうかを重視する。基礎を土台に中級・上級へ引き上げていく構造そのものが世界基準であり、それはNBA選手であっても変わらないという姿勢を示した。


指導の核心は「正しいエネルギー」

コーチングにおいて最も大切にしていることを問われると、彼は「正しいエネルギー」という言葉を使った。誰を指導する時も全力で向き合い、自ら汗をかくこと。そして技術の前に、まず選手との信頼関係を築くこと。この二つが揃って初めて、指導は選手に届くのだという。コーチと選手という関係を超えて、一人の人間として相手を知ろうとする姿勢が、真の意味でのエネルギーだと説明した。


コーチとしての原点——兄から受け継いだもの

最も影響を受けた人物を尋ねられた場面では、少し間を置いてから、実の兄の名前を挙げた。バスケットボールだけでなく、人との接し方のすべてを教えてくれた存在であり、自分が今この場にいるのはその兄のおかげだと語った。そして、その兄が先週亡くなったばかりであることにも触れた。コーチングの本質は戦術ではなく人間関係にあるという自身の哲学は、その兄から受け継いだものだという。八村塁との関係についても、バスケットボールをきっかけに始まりながら、今では本当の兄弟のような、競技を超えたつながりになっていると表現した。


子供たちへ贈った言葉「一貫性」

最後に、キャンプで学んだことを今後の人生にどう生かしてほしいかという問いには、一貫性(Consistency)という言葉を挙げた。規律を保てるか、努力を続けられるか——それはバスケットボールに限らず、どんな職業に就いても成功につながる資質だという。ワークエシックにおける一貫性を持てるかどうかを子供たちに伝えたいとし、バスケットボールというスポーツを通じて、自分自身、人生について多くのことを学んできたと締めくくった。

Reported by: Tomoyuki Nishikawa / SportsPressJP

Courtesy of BLACK SAMURAI KOBE CAMP