日本語ネイティブでも、「を」は説明できない
昨日、日本語講師の登録が完了した。
まずはプロフィール写真、紹介動画、自己紹介文をアップロード。
ところが、一度あっさりリジェクトされてしまった。
理由は「写真が少し斜めを向いているから」。正面写真じゃないとダメらしい。
そこで写真を撮り直す……なんてことはせず、ChatGPTにお願いしてサクッと正面向きに補正してもらった。
写真館に行くでもなく、再撮影すらしない。AIにちょっと手伝ってもらって再提出したら、無事に通過。
いやあ、すごい時代だ。人間は顔の向きで落とされ、AIが正面に戻してくれる。
わずか2日で、講師のスタートラインへ
振り返ってみると、実際の作業時間はトータル1〜2時間程度。
1日目: 講師登録と模擬レッスン(無事合格!)
2日目:自己紹介ページ、写真、動画のアップロード
再提出後に承認され、最後は報酬受け取り用のPayoneer連携へ。
元々アカウントを持っていたので、これも一瞬で完了した。
あっという間に私専用のレッスンスロットが開設され、オンラインにすれば今すぐ生徒さんを迎えられる状態に。
登録を始めてからたった2日でここまで来るとは、正直思っていなかった。
もちろん本番はこれからだけど、入口までの距離は想像以上に近かった。
いつもの英会話の先生で、まずは練習
とはいえ、いきなりぶっつけ本番はちょっと緊張する。
そこで、普段受けているオンライン英会話の先生にお願いして、立場を入れ替えて日本語を教える練習をさせてもらった。
いつもは英語を教わっている先生に、私が日本語を教える。なんだか不思議で面白い時間だ。
先生も面白がってくれて、さらに「Native Camp以外にも、もっと条件がいいサイトがあるよ」なんて新しい耳寄り情報まで教えてくれた。
海外とつながる仕事の扉って、こうやって人が次の扉を開けてくれるんだなと感じる。
ただ、まずはNative Campから小さく始めて、自分に合う教え方を体感していきたい。
「抹茶アイスをください」の「を」って何?
その日の練習では、実際の教材を使ってレストランでの注文をテーマにしてみた。
「抹茶アイスを一つください」
私が言うと、先生も「抹茶アイスを一つください」とリピートする。順調順調。
……と思っていたら、先生がふと聞いてきた。
「この『を』って何?」
ピタッとフリーズした。
「を」は「を」でしょう……?
日本語ネイティブとして半世紀、何の疑問もなく使ってきた言葉。けれど、いざ説明しようとすると全然後続が続かない。
テキストを読ませるだけなら誰でもできるけれど、学習者は容赦なく「なぜ?」と質問してくる。そしてその質問は、ただ話せるだけのネイティブには答えられなかったりするのだ。
慌ててその場でChatGPTに助けを求めた。
> 「を」は、動作の対象を示す助詞です。「抹茶アイスをください」では、「ください」という動作の対象が「抹茶アイス」であることを示しています。
なるほど!
説明を聞いて先生も納得、そして私も深く納得。
日本語を50年以上使ってきて、いまさら「を」の役割を知るだなんて。教える立場になるということは、自分の無知を容赦なく照らし出されることなのかもしれない。
「話せる」と「教えられる」はまったく別
「私も英語の文法を説明できないこと、よくあるよ!」と英会話の先生も笑っていた。
本当にその通りだ。
ネイティブだから話せる。でも、なぜそう言うのかを言語化できるとは限らない。
無意識に使っている発音、助詞、語順、ニュアンスの違い。自分にとって当たり前すぎるものほど、ほどいて伝えるのは難しい。
画面上の登録ページを完成させただけでは気づけなかったことを、短時間の実践で身体ごと理解できた気がする。
まずは小さく試しながら進む
しばらくは英会話レッスンの中で時間をもらい、日本語を教える練習を続けさせてもらう予定だ。
どんな質問が飛んでくるのか。
どこで引っかかるのか。
どう伝えたら「あ、わかった!」となるのか。
少しずつ現場の感覚を掴んでから、本番に臨みたい。
この先、日本語教師としてどこまで行くのかはまだ分からない。本格的に文法を勉強したくなるかもしれないし、国境を超えた対話そのものに惹かれていくのかもしれない。
まずは、小さく試すこと。
登録して、練習して、分からないことに出会って、また学ぶ。
そうやって一段ずつ、確かめるように歩いていこうと思う。
日本語ネイティブでも、「を」は説明できない。
でも説明できなかったからこそ、次に学ぶべき面白いテーマが見つかった。