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ていねいな暮らしをデザインする

「季節」はこれまでもこれからもずっと私にとっての先生

2026.08.07 15:50

私の屋号に「Y's season」とつけたのは、もうずいぶん前のことです。


迷いは一切ありませんでした。

フローリストという仕事が好きで当時は、植物がとにかく大好きでした。

日本の文化が好きでした。

季節を感じながら暮らす時間が好きでした。


だから、"Season"という言葉を選びました。


今思えば、とてもシンプルな理由です。

でも、長い時間をかけて植物と向き合い、アーユルヴェーダを学び、

人の身体や心を見つめ続けてきた今、ようやく気づいたことがあります。


あの名前には、私自身もまだ気づいていなかった想いが

込められていたのだと。


植物には季節があります。

芽吹く季節。

勢いよく育つ季節。

花を咲かせる季節。

実を結ぶ季節。


そして、葉を落とし、静かに休む季節。


どの季節にも必要で、どれ一つ欠けても植物は育たない。


人も同じ。

頑張れる時期もあれば、立ち止まる時期もある。

迷う時期もあれば、思いが形になる時期もある。


人生にも季節があります。

アーユルヴェーダは、

「季節に合わせて暮らす知恵」と言われます。


でも私は、それを健康法としてだけを受け取ってはいません。

季節は、身体だけではなく、生き方そのものを教えてくれていました。


暑い夏には夏の過ごし方があり、寒い冬には冬の過ごし方があるように、

人生にも、その時々にふさわしい歩みかたがあります。


無理に春のように咲き続けなくてもいいし、冬には冬の役割があるということ。

そんな当たり前のことを、植物は日々、循環を通して静かに教えてくれます。


私は長い間、植物を学び、アーユルヴェーダを伝えてきました。

その間にも、時代は大きく変わりました。

便利なものは増え情報はあふれました。


そして

何でもすぐに手に入る時代になりました。

でも、その一方で、自分の身体の声や、季節の変化を感じる力は少しずつ

弱くなっているようにも感じています。


便利さは暮らしを豊かにしました。


けれど、

便利さと引き換えに、私たちは何を手放したのでしょうか。

私は、その答えの一つが「感覚」だと思っています。


暑い。

寒い。

お腹が空いた。

疲れた。

風が気持ちいい。

土の匂いがする。


そんな小さな感覚は、ただの感想ではありません。

それは、自分の身体と対話するための大切なメッセージだった。


だから、私が植物を伝えるのも、アーユルヴェーダを伝えるのも、

目的は植物を好きになってもらうことでも

健康法を知ってもらうことでもありませんでした。

感覚を育てること

それが、私の活動の中心にずっとありました。


感覚が育つと、自分で調えることができるし

季節に合わせて食べるものを選べます。


そして

疲れに気づき、休むことができます。


自然の変化を受け入れながら、

自分の暮らしを整えることができます。

本来、きっと誰もが持っている力。


私は、その力を思い出すきっかけを植物から学びました。



近年、災害や気候変動、物価高など、先の見えない時代になりました。


そんな時代だからこそ思います。

本当に必要なのは、何かを買い足すことだけではありません。


自分で暮らしを調えられる力を養う

変化に合わせて生きられる力を育てる


それこそが、

これからの時代の豊かさなのではないでしょうか。


だから私は、これからも植物を伝えます。

アーユルヴェーダを伝えます。


でも、その先にあるものは一つ。


私たちは、季節を選ぶことはできません。

春だけを生きることも、夏のまま止まることもできません。


芽吹く時もあれば、静かに根を張る時もある。

大切なのは、変化を拒むことではなく、

その時々の自分に必要なものを感じ取りながら、

しなやかに生きること。


変化を受け入れながら生きる


それは、自然の一部である私たちが、

本来持っている力なのだと思います。


そして、

感覚に従う生き方で、人生は静かに満ちてゆく


この言葉は、私が目指す暮らしであり、Y's seasonという名前に込められていた、

本当の意味だったのだと今なら思えるのです。


本日もお読みいただきありがとうございます。