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2025年ダイオウイカ星雲

2026.08.11 14:47

毎年のように「ダイオウイカが釣れるまで」撮影しているダイオウイカ星雲。 

Sharplessカタログに載っている sh2-129 の中に、うっすらと青く浮かぶその姿が、今年もまた心を奪ってきます。 

 形状から フライングバット星雲(コウモリ星雲) と呼ばれる領域で、その内部にうっすらと青く浮かぶダイオウイカの構造が特徴です。 

 この青い成分は OIII(酸素輝線) が主体で、非常に淡く、背景のHαに埋もれやすいため、毎年のように「今年こそは」と挑戦したくなる対象です。 

この淡い青に、今年もまたやられました。


🔭 フィルター選択と発色の違い(技術的ポイント) 

ダイオウイカの青成分を引き出すには、 

・HαとOIIIのバランス ・フィルターの透過特性 

 昨年から使用している IDAS NBZ は、デュアルナローバンドながら OIII の透過が比較的広く、星雲の淡い青を自然に拾ってくれるのが特徴。 特に ASI294MC Pro のようなカラーCMOSとの相性が良く、OIIIの信号が素直に乗ってきます。 


🔭機材アップデート 

今シーズンから鏡筒と赤道儀を入れ替えました。

 ● ε-160ED(反射光学系)の技術的メリット 

全面シャープな像 

 コマコレクター内蔵のため、周辺像まで均一にシャープ。 星雲の淡い構造を「面」で捉える対象では、この均一性が非常に効きます。 

 F3.3という高速光学系 露光効率が高く、OIIIのような淡い成分を短時間で積み上げられる。 反射系ゆえの色収差ゼロ ナローバンド撮影では特に有利で、青成分のズレが起きない。 反射望遠鏡は初めてですが、 「ここまで全面が揃うのか」と驚くほどの描写でした。

 ● AXJ(赤道儀)の追尾精度 

ピリオディックエラーが小さい 剛性が高く、少し触れた程度では像が乱れない 長焦点でも安心して露光を伸ばせる やっぱり 足回りは本当に大事。 鏡筒を変えるより、赤道儀を変えるほうが画質が安定することも多いです。

 鏡筒も赤道儀もパワーアップして、追尾精度はこれまでとは段違い。 剛性も高く、少し触れた程度では像が乱れない安定感があります。

 やっぱり 足回りは本当に大切 だと実感します。

  📅 撮影データ(2025年11月15日) 


 鏡筒 Takahasi ε-160ED 

赤道儀 Vixen AXJ 

カメラ ZWO ASI294MCPro

 フィルター IDAS NBZ 

ガイド MGEN 3 

露出 gain120 -10℃ 600S 44枚 

画像処理ソフト Pixinght Photoshop 


まとめ(技術的視点) 

今回のダイオウイカ星雲の撮影では、 光学系・赤道儀・フィルター・センサー特性がそれぞれ明確に画質へ影響することを改めて実感しました。 

-160ED の全面シャープな像は、淡いOIII成分を面で捉える対象に非常に有効

 AXJ の高い追尾精度と剛性が、長時間露光の安定性を大きく向上 

 IDAS NBZ の透過特性が、OIIIの淡い青を自然に引き出す 

 昨年の FL55SS+SX2 の組み合わせでも十分美しい描写が得られたものの、 焦点距離・F値・光学系の均一性・赤道儀の安定性が揃うことで、 ダイオウイカの青成分がより立体的に浮かび上がることを確認できました。 天体写真は「どれか一つを変えれば劇的に良くなる」という世界ではなく、 光学・追尾・フィルター・処理のすべてが噛み合ったときに初めて、淡い構造が姿を見せてくれる。 その積み重ねが、毎年この対象に挑みたくなる理由なのだと思います。