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徒然みずほ

長野のもめん玉

2019.01.31 23:31

毎年、旧暦の小正月にあわせてまゆ玉を飾っています。寒々とした冬の室内で、鯛や大黒さん、達磨さんといった縁起物や林檎や野沢菜、雪だるまなど色とりどりの飾り物が揺れている姿は、まるで花が咲いたよう。一足先に春がやってきたようです。

まゆ玉は、小正月に農作物や養蚕の豊作を祈って作られる日本各地に伝わる伝統行事です。

まゆ玉という呼び名は、名前のとおり繭のこと。絹をつくるお蚕さん、養蚕が盛んな地域でそう呼ばれることが多かったようです。その他「ものづくり」や「団子木」など、その土地や地域の特産物など土地によって名前や枝に下げる飾り物は異なるんだそう。


なかでも、まゆ玉とは呼ばず、「もめん玉」とよんでいるのが長野市で、最中皮を作る老舗・種久商店さんのまゆ玉。

 米作が中心の地域が餅花・まゆ玉、養蚕が盛んだった地域が繭玉と呼ぶことが多かったように、「もめん玉」という名前がつけられたのも、長野の地では「木綿」が重要な作物であったからでしょうか? 木綿は、江戸時代の中ごろから急速に栽培が広まり、以後、庶民にとってかかせない衣類となっていきます。布としてだけではなく綿実油など油としての収入源も。小正月に祈りをこめた飾り物に、「もめん」という名をつけたことに、とても興味を覚えます。

まゆ玉や白ちりめんの肌ざわり    一音