Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

大注目のバチコンイサキ/今もっとも“旬”な釣り

2026.08.19 05:40

バチコンイサキとは、「バーチカルコンタクト(バチコン)」と呼ばれる釣法でイサキを狙うオフショアライトゲームです。ここ数年で各地の遊漁船が次々と取り入れ、今、注目を集めているオフショアゲームのひとつと言えるでしょう。私のホームである伊豆半島でも、この釣りを楽しめる船が少しずつ増え、人気は年々高まっています。

バチコンイサキの魅力

バチコンイサキ最大の魅力は、何と言っても「釣って楽しく、食べて美味しい」こと。春から梅雨にかけての産卵期は荒食いを見せ、イワシや甲殻類を盛んに捕食するため脂乗りは抜群です。刺身や塩焼きはもちろん、炙りや煮付け、干物、アクアパッツァなど、さまざまな料理で楽しめます。我が家では卵を明太子風にアレンジして味わうのが定番になっています。

釣り自体も非常にシンプルです。アジを狙うバチコンではゼロテンションや細かなロッドワークなど繊細な操作が求められる場面が多い一方、イサキは基本的に「落として巻く」がメイン。ライトゲームの基本動作だけで十分にチャンスがあり、初心者でも魚からの反応を得やすいのが魅力です。それでいて、ヒットすれば力強い引きでロッドを絞り込み、中型魚とは思えないファイトを楽しませてくれます。

さらに、多くのポイントは沿岸から近く、外洋まで長時間走ることが少ないため、船酔いの心配も比較的少なめ。手軽に挑戦でき、ゲーム性、ファイト、食味の三拍子が揃ったバチコンイサキは、これから船のライトゲームを始めたい方にも自信を持っておすすめできるターゲットです。


シーズン、エリア、釣り場の特徴

バチコンイサキのベストシーズンは4月下旬から8月上旬。なかでも梅雨時期は最盛期を迎え、数・型ともに期待できる絶好のタイミングです。シーズン序盤は産卵を控えた40cmクラスの大型が狙いやすく、季節が進むにつれてサイズはやや落ち着くものの、魚影が濃くなり数釣りを楽しめるようになります。

一方、イサキは周年狙える魚でもあります。秋から冬にかけては脂がさらに乗り、食味は最高潮を迎えると言われています。私自身も冬のスロージギングやSLJで大型のイサキを手にした経験があり、今後はバチコンでも新たなシーズンが開拓される可能性を秘めているターゲットだと感じています。

エリアは千葉県以南の太平洋沿岸を中心に、岩礁帯が広がる海域で盛んです。伊豆半島や房総半島、紀伊半島、四国、九州などではバチコンイサキを楽しめる遊漁船も増えてきました。

ポイントとなるのは、ベイトフィッシュが集まりやすいブレイクラインや根周り、ツブ根などの地形変化。バチコンで反応するイサキは小魚を意識している個体が多く、こうした変化に着いた群れをテンポよく探っていくことが好釣果への近道になります。


釣行レポート

梅雨真っ只中の6月下旬、私たちは愛媛県宇和島市を訪れました。普段はアジングで足繁く通うフィールドですが、今回の目的は今注目のバチコンイサキ。お世話になったのは宇和島港を拠点とする遊漁船「海道丸」さんです。

宇和島港「海道丸」


酒井船長とは以前から交流があり、前夜は「作戦会議」と称し席を設けていただきました。私たちが各地で積み重ねてきた経験と、船長が知り尽くした宇和海の情報をすり合わせ、翌日の戦略を組み立てます。この有意義な時間は遠征の醍醐味の一つでもあります。

当日は曇天。ローライトのコンディションは、朝夕に活発にベイトを追うイサキにとって絶好の条件です。宇和島港を出港し、入り組んだ湾を約1時間走ると、水深85mの岩礁帯に到着。船長の合図で25号のシンカーをセットした逆ダンリグを投入します。

着底後、軽くシェイクを入れて一定速度で巻き始めると、いきなり明確なバイト。巻きアワセを入れると力強い突っ込みでドラグが滑りますが、ロッドの復元力を生かして丁寧に浮かせると、水面に姿を現したのは40cmオーバーの良型イサキでした。伊豆ではなかなか出会えないサイズに驚いていると、酒井船長は「もっと大きいのがいますよ」とひと言。その言葉どおり、40cmオーバーのイサキが次々とヒットし、宇和海の魚影の濃さとポテンシャルを実感しました。

釣果を伸ばす鍵は、着底後から指示ダナまで一定速度で巻き続けること。アジのような細かな誘いよりも「巻き」が圧倒的に有効で、ホームで培ったパターンが宇和海でも通用することを再確認できました。一方、この海域はサメが多く、ファイト中に何度もイサキを横取りされる場面も。ヒット後はポンピングを控え、素早く巻き上げることが釣果を守る重要なポイントでした。

最終釣果は最大45cm、30尾以上。サイズ・数ともに大満足の一日となり、バチコンイサキの奥深さと可能性を改めて実感しました。全国的に広がりを見せるこの釣りは、これからさらに発展していくはずです。

釣って楽しく、食べて美味しい──。そんな魅力が詰まったバチコンイサキゲームを、ぜひ一度体験してみてください。


タックルは? 仕掛けは?

バチコンイサキでは、スピニングタックルとベイトタックルの2本を用意すると、あらゆる状況に柔軟に対応できます。取材当日は水深85mのディープエリアでしたが、浅場や潮流が緩い状況ではスピニング、深場や二枚潮、指示ダナを正確に攻めたい場面ではベイトと使い分けました。スピニングは軽量リグを素早く操作でき、手返しの良さが魅力。一方、ベイトはフォール中のアタリを捉えやすく、水深の把握やレンジキープもしやすいため、深場では大きなアドバンテージになります。

仕掛けは実績の高い「逆ダンリグ」を使用。シンプルな構成で、スイベルなどの接続金具を必要以上に増やさないことで感度が向上し、イサキ特有の繊細なバイトも明確に伝わります。


当日のタックル

ワームは2インチ前後のコンパクトなシルエットが定番です。今回も「アジクローラー2インチ」を使用し、特にケイムラクリアシルバーとケイムラピンクシルバーの2色が高い実績を残しました。ベイトフィッシュを偏食している状況でも違和感なく口を使わせやすく、全国どのエリアでもまず試していただきたいカラーです。

専用ロッドがあれば操作性や感度の面で有利ですが、イカメタルロッドやティップランロッド、SLJロッドでも十分代用可能です。ただし、イサキは40cmを超える大型になると想像以上の引きを見せるため、ロッドの適合ルアーウェイトや負荷を確認し、無理のない範囲で使用することをおすすめします。

ロッドはブラックスターボートシリーズ(ゼスタ)を使用。

ブラックスター・スターヘッドダイバーダウンEX(ゼスタ)

アジクローラー2.0in(ゼスタ)


バチコンイサキの狙い方

バチコンイサキの基本は、とてもシンプルです。リグを着底させたら軽くシェイクを入れ、船長から指示されたタナまで一定速度で巻き上げる。この一連の動作を丁寧に繰り返すことが釣果への近道になります。

イサキはメバルと同様に、一定速度で移動するベイトに強く反応する傾向があります。私が各地で釣りをした経験でも、細かなアクションを加えるより、一定のリズムで巻き続けた方が明らかに反応が良い場面が多くありました。そのため、バチコンイサキでは「誘う」ことよりも、「一定速度で巻き続ける」ことを意識するのが最大のポイントです。速度が変化すると見切られることもあるため、ヒットするまではリズムを崩さず巻き続けることを心掛けましょう。

もう一つ意識したいのがフォールです。イサキはフォール中に口を使うことも少なくないため、私はレバーブレーキリールを愛用しています。本来の使い方とは異なりますが、レバーを操作することで巻き上げとほぼ同じ速度でリグを送り込めるため、フォールスピードを一定に保ちやすく、バイトも捉えやすくなります。

「一定速度で巻く」「一定速度で落とす」。この二つを意識するだけで、バチコンイサキの釣果は大きく変わってくるはずです。

PROFILE
奥津剛(おくつ・たけし)
大学院で研究していたプランクトン、海洋学の知識を活かしたリアルなタックル開発を目指す。ブラックスターシリーズの生みの親でもある。
instagram@okutsu_xesta_fishing