『SDGs15項目 陸の豊かさを守ろう2 No.12』
SDGsに関する内容は私たち大人は気候変動に関係しているような災害が起これば、問題あることとしSDGsと関連付けて考えることもありますが、それもその時々で、日常生活に意識が向き始めると忘れてしまい問題提起やそれに準ずる行動を起こそうとすることから遠ざかってしまいます。私もこのSDGsの記事を書くようになってから、だいぶ日常生活の中に落とし込めるようにはなっていますが、まだまだだと痛感し反省しきりです。今まで以上に大きく子供達の将来に関わってくる数多くの皺寄せを、理解しつつもそのままに見て見ぬ振りをしていることに怖ささえ感じてしまいます。世界が抱えるさまざまな問題をやはりこのままにして良いはずがありません。まずは子供達が生活する家庭や保育園・幼稚園・学校で考える事を手始めとし、SDGsに明記されている国や地域、世代を超えて協力して解決するための共通の目標について考えるべきではないかと考えます。今回取り上げる『SDGs15項目 陸の豊かさを守ろう』は、単に「環境を守るための目標」ではなく、「今の世代も将来の世代も、安心して暮らせる社会をつくるための共通の目標」として家庭でできる声掛けを提案してまいります。
本題に入る前に『SDGs15項目陸の豊かさを守ろう」とは何かを記しておきます。
SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」とは
SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」は、陸上の生態系を保全・回復、森林を持続可能に管理するとともに、砂漠化や土地の劣化を防ぎ、生物多様性の損失を食い止めることを目指し、「人間の生活や経済活動によって自然環境や生き物が失われないように、陸上の自然を守りながら、人間も自然と共存していくことを指します。
具体的には、次のようなことを指します。
① 森林を守る:森林伐採などで森がなくなることを防ぐ
② 野生動物を守る:絶滅のおそれがある動物を守る
③ 植物や生態系を守る:さまざまな生き物が暮らせる自然を守る
④ 土地の劣化を防ぐ:砂漠化や土壌の劣化を防ぐ
⑤ 生き物を不法に捕まえたり取引したりすることをなくす
⑥ 生物多様性を守る:たくさんの種類の生き物が共存できる環境を守る
では早速子供達への働きかけを提案してまいります。
1、傾聴を促すための声掛けの重要性
『SDGs15項目陸の豊かさも守ろう』ということを子供達に伝えることは、思いの外難しと感じています。例えば自然に興味や関心があまり無い子供にとって「森や動物そして植物など、陸の生きものを大切にしよう」と伝えても「ふ〜ん」と言った様子で終わってしまいます。よってある程度の思考を動かす声掛けが必要となります。そこで考えたのが以下の文章です。この文章をそのまま子供達に伝えてくださっても構いません。子供達にとってわかりやすい表現で伝えることが重要です。
「みんなの周りにはたくさんの植物や生き物がいます。木や草があり、そこには虫がいて、鳥や動物も暮らしています。そして、私たち人間もその仲間です。自然から水や食べ物やなどたくさんの恵みをもらって生きることができています。もし森や林がなくなり、植物が生えなくなったら、そこに住んでいた生き物も私たち人間も大変困ってしまいます。だから、自然や生き物を大切にして、これからも人間と生き物が一緒に暮らせる地球を守っていくことが大切なのです。だから少しずつ『SDGs15項目陸の豊かさも守ろう』という目標を考えてみましょう。」
ここでの最大のポイントは、人間は他の生き物と同じ立場である事を理解させることです。よって自然や生き物を身近に感じ、自然を守ることが人間にとって重要であることを想像できるようにします。ここが今回の最大の掴みどころとも言えるでしょう。
2、「陸の豊かさ」って何?を考える
「豊かさ」という言葉が少し難しいと思われるため、具体例にして言葉を理解し、思考できるように説明しながら考えさせていきます。子供の中には豊かさ=たくさんという量のことだと考えている子供もいます。ですから「豊か=たくさんある」だけではなく、「いろいろなものが繋がり、命が育つ状態」というところまで理解をさせる必要があります。例えば、森に木がたくさんあり鳥や虫がいて、きれいな川が流れていることは、そこに住む生き物が安心して暮らせることも「豊かさ」であること、そして人間もまたその自然からきれいな空気や水、おいしい食べ物、自然の中で遊べる場所があることも豊かさであること、それぞれが安心して暮らせることが本当の意味での豊かさであることを理解させましょう。つまり「豊かさ=多種多様の命があって、お互いに繋がっている事を理解させなければならないのです。そして以下のような言葉で子供達に伝えてください。
「私たちの住む地球には、森や山があり、いろいろな植物が育ち、鳥や虫、動物が暮らし、みたことも聞いたこともないたくさんの種類の生きもの、まだ発見にさえ至っていない生き物が存在している可能性があります。そして地球上にはまだ人間の手が入っていない自然が残され、木や土がきれいな状態で保たれている場所が残っています。しかし人間はその手付かずの自然を自分たちの暮らしやすさや生活の場として作り変えてしまいました。その行動は人間にとっては安心して過ごせる場所だったかもしれませんが、そこに生きていた生き物にとっては安心して暮らせる場所ではなくなっているのです。このことは同じ地球で生きるものとして共に安心して生きることができる豊かさなのでしょうか?本当の意味での豊かさを考えて見ましょう。」
少し難しいことが含まれ、小学校中学年以降に学ぶことができる内容かもしれませんが、このようなことを少しでも考えることができるよう種まきは必要だと考えます。子供達が今遊んでいる公園は半世紀前はどのような場所だったのか想像させてみてください。その場所は黄金森と呼ばれる自然豊かな場所だったかもしれません。「陸の豊かさ」=私たち身の回りの豊かさを想像させることは必要で、その想像が場所が変わって町・市・我が県・他の都道府県・国・世界の国々や地域・大陸・地球規模へと考えを広げることに繋がるのです。
3、子どもに現状の危機感を考え想像してもらう
子どもに『SDGs15項目陸の豊かさも守ろう』とはどういうことか「考えてみて」と言うだけでは、なかなか意見が出ないことがあります。なので「2、陸の豊かさって何?を考える」では私たちの住む地球の豊かさに気付くように、太字の文章を理解してもらう必要があります。そしてその内容を一歩進めて、厳しい現状の理解を進めてもらう必要があります。つまり理想ばかりではなく、現状の厳しい問題に目を向けさせることで日常で見聞きするニュースにも関心が向きます。
「みんながいつも見ている森や川にはたくさんの生きものが暮らしています。魚や鳥、虫、植物など私たちが気づいていないところでも、いろいろな生きものが繋がりながら生きています。では、もしある日いつものみも取りに行っていた場所に虫が1匹もいなくなっていたらどうでしょう。鳥の声が聞こえなくなっていたら?川の水が汚れて、生きものが暮らせなくなっていたら?きれいだった砂浜にたくさんのごみが残されていたら?どう感じるでしょう。
「自然がなくなる」というのは木や動物が少なくなるだけではありません。今まで当たり前だと思っていた景色や聞こえていた音、触れることができた生きものたちが、少しずつ私たちの前から消えていくということなのです。もしかするといまくなった生き物を元の場所に戻せば良いと考える人もいるかもしれませんね。でも一度いなくなった生きものや壊れてしまった自然を元の状態に戻すことはそう簡単ではありません。何十年、何百年かかることもあるのです。だからこそ、今ある自然を「ずっとあるもの」と思わずに、「この豊かな自然を10年後、20年後の子供達にも残したい」と考えることが大切なのです。
みんなが大人になったとき、今と同じ森や川、海を見ることができるでしょうか。その未来がどうなるかは、私たち一人ひとりの行動とも繋がっています。
では、今の自然を未来に残すために、私たちには何ができるでしょう。一緒に考えて見ましょう。」
上記の言葉を掛けて、問題提起をした後に、できれば実際の森や川、海に出かけたり、写真を使って「ここに存在する森林・植物・土・池や湖・多くの生き物を挙げられる情報を言語化し、住んでいる町や村との比較をし、「もし森から木が全部なくなったら、動物たちはどうなるかな?」「虫がいなくなったら、鳥は何を食べるのかな?」「公園や山のごみをそのままにしたら、どうなるかな?」「私たちが自然を守るためにできることは何だろう?」などと想像をしてもらうことが思考力を育むことになります。このような事を考え、最後には「生きているものは皆繋がっている」と気づいてほしいと考えます。
4、「自分にできること」に繋げる
最後は難しい地球規模の話だけで終わらせず、「じゃあ、今日から何ができる?」と質問してみましょう。実は多くのご家庭でこのような話が始まるのは、中学受験を意識した頃からだと思いますが、残念ながら受験のための時事問題として捉えるご家庭も少なくはありません。中学受験をなさらないご家庭はこの問題に取り組めていない場合も少なくないのが、日本の現実です。つまり日常の問題として考えられていないのです。しかしフィンランド、スウェーデン、デンマークなどの北欧諸国やヨーロッパでは意識が高く、SDGs全体の指標で高い評価を受けています。またオーストリアでは、自然や環境を大切にすることだけでなく、貧困、教育、健康、働き方など、いろいろな面から持続可能な社会を考えています。また以前おられたニュージーランドの生徒さんは靴下や洋服の破れを素敵なパッチワークで補修しつつ物を大切にする文化が色濃く残っているお話もされていました。残念ながら大国アメリカや中国はかけ離れた道を進んでいますが、その影響を日本は少なからず受けています。地球規模で考えると北欧のような取り組みを進めるべきですが、現実はそうではありません。大人が意識を変えなければその流れを汲む子供たちはそのような状況に従ってしまうのです。我々日本の大人も襟を正しできる事をしなければなりません。では子供達にどのような声絵を書ければ良いでしょう。
「自然が壊れていくことを知ると、「自分一人が何かをしても、何も変わらないんじゃないかな」と思うかもしれません。でも、自然を守ることは、誰か一人が全部やることではありません。一人ひとりが、「ごみを減らしてみよう」「必要なものを大切に使おう」「生きものを大切にしよう」「身近な自然をよく見てみよう」と思って行動することに意味があるのです。そんな小さな行動がみんなの行動に繋がっていきます。一人の力は小さなものかもしれませんが、その小さな力が一つ一つと増えることにより想像もできないほどの大きな力になることがあるのです。だから「自分には何ができるだろう?」と考えてみてください。決して大きなことをしなくても大丈夫です。「今日からできることは何だろう。」「自分が好きな自然を守るためにできることは何だろう。」「家族や友だちと一緒なら、どんなことができるだろう。」と考えることがとても大切です。そしてもう一つ大切なのは、自然の変化に気づくことです。「この海、きれいだな」「この鳥、最近よく見るな」「ここにごみが落ちているな」そんな小さな「気づき」もまた自然を守るための最初の一歩です。みんなが大人になったときにも、今見ている森や川、海。生きものたちに出会えるよう、そのために自分にできることを一つ考えてみませんか?」
何か行動を起こすことも重要なことですが、実はその前に身近な場所に目を向けてその変化に気づかせることが、問題意識を考えるきっかけになります。そこから今自分にできることが見えてくるはずです。例えば、家のまえにごみが落ちていたとしましょう。ゴミが落ちていることに気づけは、そのゴミをどうするべきか考えさせれば良いのです。そのゴミを片付けることができれば、自らゴミのポイ捨てせず家に持ち帰るでしょう。気づきが行動に繋げるのがこの項目での提案です。
5、新たな問題提起を考える
「鳥類14%、哺乳類25%、両生類41%、針葉樹34%」これらの数字は、その種類の生き物・植物のうち、絶滅の危険があるものの割合を示したものです。子供達がこの数字を見て、そして説明を受けて「えっ!」と驚きの声をあげることはないかもしれません。しかしその事実を知るのと知らないとでは、その後に学ぶことや考えること感じることに大きな差が出てしまします。SDGsの学びは社会の課題を自分ごととして捉え、他者と協力しながらよりよい未来をつくるために考え行動する学びです。その他者は人間同士だけではありません。この地球上に存在するすべてのモニに当てはまります。よって今回の記事の最後を締めくくるのは絶滅危惧種にフォーカスを当てることにしました。以下の子供に対する声掛けでこの記事を締めくくります。ご家庭での取り組みに加えてくださると幸いです。また絵本『ある星の汽車』(記事はこちら)も併せてお読みください。
「みんなは、「絶滅危惧種」という言葉を聞いたことがありますか?
絶滅危惧種というのは、今、の地球上で生きているけれど、数が少なくなっていて、このままだと将来いなくなってしまうかもしれない生きものたちのことです。例えば、ある動物が昔はたくさん暮らしていた森があったとします。ところが、その森が少しずつなくなったり、食べものが少なくなったり、ごみや環境の変化によってその生き物が暮らしにくくなったりすると、その動物たちは生きていくことが難しくなります。
みなさん、像してみてください。
みんなさんのが大好きな場所があってそこで毎日遊んでいたとします。ところが、少しずつその場所がなくなっていったらどうでしょう?遊ぶ場所がなくなり、食べものもなくなり、安心して暮らせる場所もなくなったら……。実は動物たちにとっても、それと似たことが今まさに起きています。そしてすでに絶滅してしまった生きものを、もう一度この地球に戻すことは簡単ではありません。もしかすると不可能かもしれません。だからこそ「絶滅危惧種を守る」ということは、ただ動物を助けるということだけではありまん。その動物が暮らしている森や海、川などの自然を守ることでもあります。
では、私たちには何ができるでしょう?「自分は子どもだから何もできない」と思う必要はありません。ごみを減らすこと、自然の中にごみを捨てないこと、生きものをむやみに捕まえたり傷つけたりしないこと、自然について知ること、そして「この生きものを未来にも残したい」と思うことなど一人ひとりの小さな行動が、自然を大切にすることに繋がります。まずは、今日知った絶滅危惧種のことを覚えておいてください。そして、もしその生きものに出会ったとしたら、「この生きものが、ずっとここで暮らせるようにするには、自分には何ができるだろう?」と考えてみてください。その「考えること」が、自然を守るための最初の一歩です。」
提案『SDGs11項目 住み続けられるまちを No.11』(記事はこちら)
提案『SDGs15項 陸の豊かさを守ろうNo.10』(記事はこちら)
提案『SDGs5項 ジェンダー平等を実現しよう No.9』(記事はこちら)
提案『SDGs4項目 質の高い教育をみんなに No.8』(記事はこちら)
提案『SDGs4項目 質の高い教育をみんなに No.7』(記事はこちら)
提案『SDGs10項目 人や国の不平等をなくそう No.6』(記事はこちら)
提案『SDGs12項 つくる責任つかう責任No.5』(記事はこちら)
提案『SDGs16項 平和の種を見つける No.4』(記事はこちら)
提案『SDGs2項 飢餓をゼロに No.3』(記事はこちら)
提案『SDGs1項貧困をなくそう No.2 』(記事はこちら)
提案『SDGsを考える No.1』(記事はこちら)