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担当者が、作業はできる、でも企画ができないのはなぜか。

2026.08.17 22:30

通販会社の販促チームを見ていると、最近よく感じることがあります。それは、「作業ができる人」は増えている一方で、「企画ができる人」を育てることが難しくなっているということです。広告の入稿ができる。LINEを配信できる。メルマガをつくれる。制作会社へバナーやLPの指示ができる。ECサイトを更新できる。SNSを運用できる。こうした販促業務を一通りこなせる人材は非常に重要です。しかし、それだけでは「販促担当者」から「マーケター」へはなかなか成長できません。

では、何が違うのか。

大きな違いは、「何をするか」ではなく「なぜするのか」を考えられるかどうかです。

例えば、「来月キャンペーンを実施するのでLINEを3回配信してください」という指示があったとします。作業を中心に考える人は、「いつ配信するか」「どんなクリエイティブにするか」「誰に制作を依頼するか」を考えます。

一方、企画できる人は、その一つ前から考えます。

「そもそも今回のキャンペーンの目的は何か」

「新規顧客を増やしたいのか、既存顧客の購入回数を増やしたいのか」

「なぜLINEなのか」

「3回配信する必要があるのか」

「どの顧客層に届けるべきなのか」

「売上はいくら必要なのか」

「過去のキャンペーンでは何が良くて、何が悪かったのか」

つまり、作業を点ではなく、事業全体の中で捉えています。

では、なぜ企画できる人材が育たないのでしょうか。

これは本人の能力以上に「育成の仕組み」に原因があるケースが多いと感じています。忙しい販促チームほど、「これをやっておいて」「この内容で制作会社に依頼して」「この日までに配信して」という仕事の渡し方になりがちです。

当然、最初はそれで構いません。しかし、それが1年、2年と続けば、担当者は「指示された仕事を正確に処理すること」に最適化されていきます。そして上司側は、「何年経っても企画を出してこない」「もっと自分で考えてほしい」と感じる。

しかし、考える訓練をさせていない人に、突然「企画を考えて」と言っても難しいものです。

だからこそ、販促人材の育成では、仕事の渡し方そのものを変えていく必要があります。

「これをやって」だけではなく、「今回の目的は何だと思う?」「売上をあと10%伸ばすなら何を変える?」「他に方法はないだろうか?」

と、日常業務の中に考える時間を意図的につくることです。

さらに重要なのが、結果まで一緒に見ることです。施策を実施して終わりではなく、売上はいくらだったのか。反応率はどうだったのか。CPAはいくらだったのか。リピートにつながったのか。そして「なぜ、この結果になったのか」を考える。

企画→実行→結果→検証→次の企画。

このサイクルを何度も経験することで、少しずつ「作業」ではなく「マーケティング」を考えられるようになります。AIによって、これから販促の作業そのものはさらに効率化されていきます。文章作成、広告案、画像制作、データ分析など、これまで人が時間をかけていた仕事の多くをAIがサポートしてくれるようになります。

だからこそ、人間に求められるのは「作業が速いこと」ではありません。

何が課題なのかを見つけること。何をすべきかを考えること。そして、その施策を事業の成果につなげること。

これからの販促チームに必要なのは、「作業ができる人を増やすこと」ではなく、作業の先にある目的を考えられる人を増やすことなのだと思います。人が育たないと感じたとき、本人だけを見るのではなく、「私たちは考える機会を与えているだろうか」と、育成する側が一度振り返ってみる。販促チームの人材育成は、そこから始まるのではないでしょうか。


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株式会社 ダイレクト・ラボ

ダイレクトマーケティングプランナー/石井孝典

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