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脳性麻痺ライター・著者 東谷瞳  |障害と生きる日々

15.障害は個性なのか、それとも違うのか

2026.08.17 22:32

「障害は個性だよ」

そう言われたとき、少し救われた気持ちになることがある。

人と違うことは、悪いことじゃない。

その人らしさの一つなんだ。

そう受け取ることができれば、前を向けることもある。

でも同時に、どこか引っかかることもある。

——本当に、個性なのだろうか。

個性という言葉には、どこかポジティブな響きがある。

「その人らしさ」

「魅力」

「強み」

そんなイメージと結びついていることが多い。

一方で、障害には、不便さや困難さが伴うことも多い。

できないことがある。

助けが必要な場面がある。

それをすべて「個性」という言葉で包んでしまっていいのか。

そんな疑問が生まれる。

Flowerの中でも、このテーマは何度も話題に上がった。

「個性だと思う」という人もいれば、

「個性と言われると違和感がある」という人もいた。

たとえば、体育の授業で人一倍がんばっている姿を見て、「無理しているのでは」と心配されることがある。

でも本人にとっては、「やりたいからやっている」だけかもしれない。

その姿を「個性」と呼ぶのか、それとも別のものとして捉えるのか。

簡単には分けられない。

また、こんな意見もあった。

「個性と障害の違いがはっきりすれば、もっと理解しやすくなるのではないか」

たしかに、線引きができればわかりやすい。

でも実際には、その境界はとても曖昧だ。

どこからが個性で、どこからが障害なのか。

はっきりと区切ることは難しい。

もしかしたら、その曖昧さこそが、大切なのかもしれない。

すべてを言葉で整理しようとすると、かえって見えなくなるものがある。

「個性」と言うことで、救われる人もいる。

でも、「個性」と言われることで、現実の困難が軽く扱われているように感じる人もいる。

どちらも、間違いではない。

だからこそ、「こう考えるべき」と決めつけることはできない。

大切なのは、その人がどう感じているか。

その言葉を受け取って、楽になるのか。

それとも、苦しくなるのか。

そこに目を向けることなのかもしれない。

障害は個性なのか、それとも違うのか。

その問いに、ひとつの答えはない。

でも、その問いを持ち続けることで、

人の違いを、もっと丁寧に見ようとする視点が生まれる。

そして気づく。

違いをどう呼ぶかよりも、

その違いとどう向き合うかのほうが、ずっと大切なのだと。