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2026.08.19 20:55

指揮台に見るは久々のその人。「久々」と申しても相手ならぬこちら側に機会が無かっただけの話。今は亡きKセンセイと通いし「響きの森シリーズ」では当楽団との共演多く。どこがいいか、って。演奏は言わずもがな。指揮者とは黙して語らず、こそが常識、あとは勝手に、と言われても素人には。解説を入れるは親切心。あぁ、なるほどそういうことか、と。

当日の演目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番、そう、「皇帝」であり。演奏後、万雷の拍手に包まれる中、マイクを手にして訪れる静寂。もはや、年齢も年齢にて正直体調がすぐれぬ、が、それを奮い立たせてくれたのが彼の演奏であり。よくぞ立派に成長を、と。そこに語られるは思い出話、親子以上に年差離れた二人の邂逅。

ハンガリー滞在中のマエストロの前で演奏を見せた当時は小学校三年生。演奏を終えて言われた一言が今も忘れられぬ、と演奏者。その一言や、「鍵盤を見ずに空を向いて弾くように」と。技術にとらわれすぎるな自らの感性に従え、と言わんばかりの。まさに夢の共演ではなかったか。来年もぜひミューザに、と決意示すマエストロも年齢的に。炎のコバケンこと小林研一郎氏。

ということで、今日は芸術の話。目立つ腹のでっぱりに悠然と歩く姿は裸の大将を彷彿とさせるも「彼ら」特有の眼光は持ち合わせ。フーテンなる言葉がよく合いそうで。この間の経歴を記さば、県内屈指の進学校を卒業、一浪して美大、その後は、某社のデザイン部門に籍を。脱サラ後に選びし道は画家。

個人事業主としての収入を得つつ、ということらしくも、当人のSNS見れば旅行と食い物の写真が大半を占め。それで生きながらえとるのだからよほどの太客でも抱えとるか、親が相当に裕福なのか。奇縁なれど、んな御仁が当初から私のホームページを。

前回からはや四年。経歴も色褪せたゆえ、デザイン含めて更新を、と依頼するに二つ返事で。こちとら移動の労は厭わぬ旨を告げるに、向こうから出向く、と。理由や「焼肉」。都度、名店と思しき店を案内するにこれが大そうお気に入りの様子で。ちなみに今年の舞台は八丁畷の金剛苑。

ビール片手に語られる近況。御当地の某大学から大型案件を請け負うことになったらしく、北陸行脚が続くとか。ひるがえって私。振り返るひと夏の思い出にめぼしさなく。子が大学生とあらば夫婦で美術館など、どうか、との相手の提案に、間髪入れず、「行くなら一人」と。理由訊かれて。

忘れもせぬ。新婚前に訪ねし美術館にて、その絵がよかった、と感想を聞けど、当時の私には「さすがにそれは」という一枚であり。絵の作者やアンリ・マティス。そう、あの奇抜な。あれが最後だった、と語る私に。何をバカな、彼こそは逸材、かの国において国民的支持を、と画伯はいうけれども、マティス然り、ドビュッシー然り、どうも私には。

とくとくと説かれるマティス論。彼が晩年に辿り着きし境地や切り絵、その実物見たさに南仏の礼拝堂まで訪ね云々と。いっそ美大の講師にでも、といつもながらに。それで終わらず、別れた翌朝に昨夜の続きはこれで、と紹介されるはYouTube動画。

これがよく出来ていて、マティスもアリかも、って。山田五郎氏の「オトナの教養講座」。私もアド街でしか。偲ばれる人柄にその博識ぶり。

そう、そちらに夢中になるあまりホームページの更新を忘れていないことを願うばかり。

(令和8年8月20日/3014回)