罪悪感
この間、あるお客様がこんなことを話してくださいました。
「悪いことをしたわけじゃないのに、自分を優先するとすごく申し訳なくなるんです」
その言葉を聞いて、罪悪感って本当に不思議な感情だなと思いました。
誰かを傷つけたわけでもない。
何か悪いことをしたわけでもない。
それなのに、
「私が我慢すればいい」
「迷惑をかけたくない」
「ちゃんとしていなきゃ」
そんな思いが出てきて、自分を優先することにまで申し訳なさを感じてしまう。
こういう気持ちは、長い時間をかけて身についた思考の癖なのかもしれません。
そして、そんなときによく言われるのが、
「自分を大切にしましょう」
「自分を許しましょう」
という言葉です。
もちろん、その言葉自体が間違っているわけではありません。
でも、長年ずっと同じように頑張ってきた人にとっては、「自分を大切にして」と言われても、そんなに簡単には変えられないこともあります。
むしろ、
「変わらなきゃ」
「もっと自分を大切にできるようにならなきゃ」
と思うほど、さらに苦しくなることだってある。
思考の癖って、頭で分かったからといって、すぐに変えられるものではないんですよね。
それでも、罪悪感を抱えながらずっと頑張り続けていたら、やっぱりどこかで限界はくると思います。
心がしんどくなったり、何もしたくなくなったり。
場合によっては、体にサインが出てくることもあります。
そのときに初めて、
「もう今までと同じやり方では無理なのかもしれない」
と気づくこともあるのかもしれません。
では、どうしたらいいのか。
私は、一気に変えなくてもいいと思っています。
今回のお客様も、ずっと誰にも言えなかったことを話してくださいました。
話したからといって、その場ですべてが解決したわけではありません。
でも、
**「誰か一人に話せた」**
ということ自体が、ひとつの一歩だったのかもしれないと思いました。
一人で考えていると、
「やっぱり私が悪い」
「私が我慢すればいい」
というところに戻ってしまうことがあります。
でも誰かに話すことで、
「それって本当にあなたが悪いのかな」
と、少し違う角度から見られることもあります。
自分を許すって、ある日突然、自分の考え方を全部変えることではないのかもしれません。
誰にも言えなかった本音を、誰か一人に話してみる。
否定されずに受け止めてもらう。
そして、
「こんなことを思っていても大丈夫だったんだ」
と少しずつ知っていく。
そこからでもいいんじゃないかなと思います。
長年かけて身についたものを、急いで手放さなくてもいい。
すぐに変われなくてもいい。
限界まで一人で頑張る前に、まずは誰か一人に本音を話してみる。
それも、自分を大切にするひとつの始まりなのかもしれません。