クリエーターは、最後に制服をつくるのかもしれない
最近、仕事用のTシャツをつくりました。
黒地に、白い文字で、
「ALL EARS」
とだけ入っています。
「全身で聴く」「ちゃんと耳を傾ける」という意味の言葉です。
かなりシンプルです。
というか、シンプルすぎて、作っている途中では何度か、
「ちょっと寂しくない?」と思いました。
でも今回は、作品をつくりたかったわけではありません。
仕事をするときに着る“制服”がほしかった。
毎回、服を選ばなくてもいいように
Zoomで仕事をするとき。
研修に行くとき。
面接を受けるとき。
講座をするとき。
そういう日に、毎回、
「今日は何を着よう」
と考えなくていい服が一枚あると楽です。
黒なら合わせやすい。
汗も目立ちにくい。
画面にも映りやすい。
そして胸元に「ALL EARS」と書いてあれば、私が何を大切にして仕事をしているのかも、なんとなく伝わる。
考えてみれば、服なのに、プロフィールの一部みたいなものです。
だんだん、服にも説明をさせたくなる
私はこれまで、20年以上、人の話を聴いたり、質問をしたり、対話を通してその人の中にあるものを言葉にする仕事をしてきました。
最近は、そこから「ききかた診断」というサービスもつくりました。
だから、ALL EARSという言葉は、ただ好きな英語を載せたわけではありません。
今の自分の仕事を、一番短くするとこうなるのかもしれない。
サービスを受ける方へも簡単に伝わります。
クリエーターは、最後に制服をつくるのか
昔は、服を選ぶことそのものも楽しかったと思います。
でも、つくるものが増えてくると、だんだん妙なことが起こります。
デザインには悩みたい。
文章には悩みたい。
サービスには悩みたい。
でも、
今日何を着るかでは、もうあまり悩みたくない。
意思決定を使う場所を、自分で選びたくなってくる。
だから、黒いTシャツに自分の言葉だけを入れて、
「もうこれでいい」となる。
もしかすると、クリエーターはだんだんこういう境地にたどり着くのでしょうか。
自分の世界観をたくさん足していった先で、最後は削っていく。
色も減らす。
言葉も減らす。
そして残った一言だけを着る。
でも、たぶん制服は増える
とはいえ、人間はそんなに簡単には終わりません。
「ALL EARS」ができたら、
今度はAIの仕事用に、
HUMANS LISTEN. AI ORGANIZES.
みたいなTシャツもほしくなってきました。
すでにAIのロボットTシャツもあります。
結局、
「服を考えなくていいように制服をつくる」
と言いながら、
用途別の制服をつくり始める。
簡略化したはずなのに、また増える。
クリエーターというのは、たぶんそういう生き物です。
黒だけのはずが、こんなに。(笑)
もはや、モデルのモックアップまで作らないと、気がすまなくなっています。(笑)