エッセイ「第4回苜蓿忌」
2019.03.20 07:33
僕が関わった同人詩誌「群青」第16号(2009年10月31日・刊)に載せたエッセイ、「第四回苜蓿忌」を、ここに転載します。昨年には、第十三回苜蓿忌が催されました。
第四回苜蓿忌
新サスケ
十月十日の土曜日、午後二時より、詩人の故・広部英一さんを偲ぶ第四回苜蓿忌が催された。
旧・清水町「きらら館」前公園の、広部さんの詩碑の前で、碑前祭。
女性の司会で、実行委員の増永迪男さんの挨拶のあと、後藤ふじゑさんが広部さんの詩「前世」を朗読した。
「広部英一を語る会」の部では、川上明日夫さんが、「去る者日々に濃し」と述べて、参集者が年々増えているなど、人々の広部さんへの思いが濃くなっていると語った。
また定道明さんは、広部さんが詩の師・則武三雄さんの師・三好達治の「太郎を眠らせ太郎の屋根に……」の二行詩を、エッセイで批判したことを挙げ、文学者は師を批判できるようでなければならないと語った。
そのあと、中島悦子さんの献花、今村秀子さんの献本(広部さんが編集・発行していた詩誌「木立ち」の新刊、百四号)でもって、碑前祭を終えた。
「きらら館」の一室に移動して、「偲ぶ会」。(お茶とジュースで、ノンアルコール)。
岡崎純さんが、広部さんは新井満さんとの出会いのなか、「千の風になって」を好み、自身の死を予感していたのではないか、と思い出の一端を語った。
また今回の「H氏賞」を受賞した中島悦子さんは、師の広部英一さんからお祝いの言葉を頂きたかったと、涙ながらに語った。
また、「福井県詩人懇話会」代表の渡辺本爾さんの話、広部英一さんの弟・広部正雄さんのはハープ演奏などがあった。
故・詩人の夫人の謝辞でもって、「偲ぶ会」も終えた。
