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「au lit!」Louise-marie cumont

2019.03.20 09:01

もういよいよ春も盛りですね。

桜は都内ではもう開花の発表はあったのでしょうか。

暖かくなってくると困るのは、花粉も勿論そうなのですが、なんだか気持ちが良くて、眠いんです…。そういう人、多いのではないでしょうか。

「au lit!」Louise-marie cumont 2009年(editions MeMo)

こちらの絵本は眠い眠いそんな春に。

Louise-marie cumontによるベッドルームブック、とでも言うとちょっとオシャレな感じがしませんか。

フランスの絵本ですけれど、中に文字はなく、ベッド(布団?)で眠る人々の様々な様子が描かれています。ひとりで眠る人、夫婦で眠る人(喧嘩している人、抱き合っている人)、猫と眠る人、子どもと眠る人、泳ぐように人、眠れない人。

Louise-marie cumontはこうしたベッドの中の人の姿を、なんと布を切り貼り、そして縫い付け制作しています。

様々な人々の姿が、何処かおかしく、ユーモラスにそして暖かく見えるのは、この制作方法によるのではないでしょうか。

絵本でも、その布の感触はわかるのですが、原画を見てみたいと思わせる作家ですね。

ほんとうに様々な人々のベッドでの姿が描かれています。

便箋を持ったまま眠る人(明日誰かに大切な手紙を渡すのでしょうか?)

ベッドに何やら数式のようなものが書かれ頭を抱えたまま眠る人(数学者?)

ペンと、文字が書きつけられた紙を持ったまま眠る人(締め切り前の作家でしょうか?)

まだ眠らないで、ベッドで本を読んでいる人。

テレビを付けたまま眠ってしまった人。

ベッドで赤ちゃんにおっぱいを上げている人。

自分が一番好きなのは、子沢山の夫婦のベッド。四人の子供と、夫婦は幸せそうに眠っているのですけれど、一番小さなまだ赤ちゃんの子は、ひとりだけぱっちりと目を開けて、ぼんやりと月を見上げている…。

なんだかここには詩があるような気がします。

お子さんから大人まで、幅広い年代におすすめできる、楽しい絵本です。

ちなみにこの絵本を出しているのはフランスの気鋭の出版社『editions MeMo』

絵本好きの方ならBaobab(チェコ)などとともに現代の絵本の新しい世界を切り開いている出版社としてよく知られているでしょうか。

現代の素晴らしい作家の絵本を数多く出しつつも、名作の復刻出版も積極的に行っています。例えば日本でも昨年出版されたエリザベス・イワノフスキーの(もりのこえほん)の四冊はeditions MeMoで復刻されたものを受けて翻訳出版されたものですね。

当店でもいつも気にしている出版社なので、入荷することも度々あるかと思います。


当店のeditions MeMoの本はこちらです。