新たなる請願ーーこれも一つの解か、否か?
去る3月12日、町田市議会文教社会常任委員会にて、当会メンバーではない方から、中学校給食に関する請願が提出されました。
その内容は、おおまかには「現在のデリバリー給食の頼みにくさや、温度などを改善し、喫食率を上げる」ことを求めるもので、委員会内では賛成多数により採択されました。
本請願においては、委員長を含め、全委員が請願者あるいは担当課に質疑を行い、およそ2時間にわたり建設的な議論が交わされました。
その様子を私たちは、傍聴や議会録画などで固唾を飲んで見守りましたが、昨年12月の私たちの請願の際の質疑とは大きく雰囲気が異なっていたように感じられました(詳細は町田市議会ホームページにてご覧いただけます。請願の内容はこちら、議会録画はこちら)。
この請願内容と結果に、当会メンバーはさまざまな思いを抱き、話し合ってまいりました。
メンバー内で一致した意見は、以下のとおりです。
①中学校給食の改善に向けて、一歩踏み出したという点ではとても重要な決定であり、請願者の方と委員の方々に感謝している
②しかし、私たちの最終目標はあくまで小学校同様の全員給食。デリバリー給食を全員で食べることをめざすのは、私たちの方向性とは異なる
給食は、中学生にとって必要なものであり、全員で食べるべきものであることは、学校給食法や学校給食実施基準、食育基本法などからも明らかです。
しかし、町田市の現在の中学校給食は選択制で、「給食はお弁当を作ってもらえない子が頼むもの」という風潮があり、喫食率(注文率)が1割をきっています。そのため、「給食を頼みたくても頼みにくい」状況にも関わらず、市長や担当課からは「お弁当か給食かを選択できることが、ニーズに合っている」と断言されてきました。
その方針は12月の請願でも少しも揺らぐことはなく、膠着状態にあるといえますが、今回の請願が採択されることで、「基本的には、給食を全員で食べる」方向にシフトできる可能性があると考えられます。
少なくとも、全員給食の試行実施により、これまで給食の利用を検討したことのなかった家庭が給食に目を向けるようになったり、欠食の生徒や十分な昼食を持ってこられなかった生徒が、栄養バランスのよい給食を食べられるようになるかもしれません。その点では、期待が持てるところです。
とはいえ、今のデリバリー給食は、調理員と接する機会がないことや、地産地消が進めにくいこと、自分たちで食器に盛る必要がないことなどから、残念ながら食育には役立ちません。また、味の面や量の調整ができないなどの面でも小学校同様の給食には劣ります。
今後よりよい給食のあり方を検討していただく中では、デリバリー方式に限定するのではなく、自校方式、親子方式、センター方式など小学校同様の給食の実現可能性も探っていくべきではないでしょうか。
私たちが昨年集めた23,000筆を超える署名では、「小学校同様の給食がよい」と言う点でも賛同していただけたものと考えます。
その皆様の思いを無にしないため、また何より、小学校の給食を楽しみにしている(いた)子どもたちのために、中学校にも小学校同様のクオリティの給食を実現できるように、私たちは引き続き尽力してまいります。
※なお、本請願の意見陳述・質疑応答の模様を議会録画より文字起こししたものを、GoVoteMACHIDAさんが公開してくださっています。心より御礼申し上げます。